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魔法?いや、超能力なんです。(小休憩中)  作者: ぢそべ某
第3章!
30/45

#30 新装備?

明けましておめでとうございます。


今年も月一連載で頑張っていく所存ですので、

数少ないとは思いますが応援よろしくお願いします。




―――――――――さて、新装備ですって。

新しい武器やら防具とか買っちゃうんですかね?

 










 昼休憩を終えてからも、時に川辺で喉を潤わせたりしながら山の中を歩き続け、気付けば日もだいぶ傾いてきた。暗い山道は危険だし、そろそろ帰るとしよう。



 二人とも疲れているので、手っ取り早く【浮遊能力】で王都に帰りギルドに向かった。山は空気が薄いせいか、マオは兎も角カシンも消耗しているようである。



 と言ってもカシンは余力を残していて「良い鍛練になったぜ。」なんて言っているがな。マオは……うん、体に擦り傷をたくさん作って疲労困憊だ。まあ【病食】で怪我は治したけど。




 ―――――――――ああ、そうだ!


「そういえば、カシンが使っているその手甲みたいな武器って何処に売ってるんだ?武器屋には置いてなかったんだけど。」



「ああ、こういうのはまた別の【魔導装備屋】って店で売ってるんだ。魔具の中でも、武器や防具類を専門に取り扱ってる。要望があればオーダーメイドで作ってもくれるんだ。」



「へぇ~そうなのか、じゃあ明日にでも行ってみるかな。」


「いや、確かまだ閉店してない筈だから……ギルドに寄ってから案内してやろうか?」



「おっ、ホントか!頼むわ。」


「おう任せな!まあ俺の手甲も調整しようと思ってたとこだしな。」





 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼





 カシンの厚意により、ギルドで今日の分を売却してから王都の東地区、つまりは武器や防具を売る店等が立ち並ぶ商店街エリアへと足を運ぶ。




「――――――――――――うし、着いたぞ。他にも店はあるが、ここが俺のイチオシの店【オリヴァー魔導装備専門店】だ。」



 カシンに案内された店は、ラパスで見た武器屋などより一回り大きい……つまり王都基準で言えば普通の、大きめの一軒家のような店だ。



 ただ違うのは、正面の入り口の横に階段がありそこから二階に行けるところか。視てみると二階が売り場で、一階の部分は工房になっている。



 階段を上り二階に上がると、そこには武器と防具が点々と置いてあった。まあ単価が高いから品揃えはこんなもんか。



 しかし色々便利な装備品があるもんだ。


 なになに……斬り付けた相手を麻痺にする短剣、装着者の腕力を上げる腕輪、魔力を込めると切れ味の上がる長剣etc………種類が豊富にあるな。あ、これいいかも。




「―――――――――おお!カシンじゃないか。俺の力作【俊動手甲】の調子はどうだ?」



「オリヴァーさんご無沙汰してます。ええ、とても役に立ってくれてますよ。ただあの――――――」



 オリヴァー……ってことは店主か。職人らしいというか、この人もガタイが良くカシンと同じような体格だな。スキンヘッドに焦げ茶の太眉でだいぶキャラは濃いが。



「ユート!こちらこの店の店主で、魔導装備技士のオリヴァーさんだ。俺のこの手甲もオリヴァーさんの作品なんだぜ。」


「初めまして、ユートと言います。」



「おう、店主の"オリヴァー・グレイソン"だ。この店の商品は全部俺の作品でな、欲しいもんがなくても要望があれば可能な限り作ってみせるぜ。」



「へぇ~凄いですね。ああそうだ、これってどういう武器ですか?」


「ん?そりゃあ短剣【風切(かぜきり)】だな。風属性の魔法が付与されてて、斬る時に持ち手の意識を読み取って加速、その切れ味を上げる効果がある。効果は絶大だが、魔法自体は大した魔法じゃないから消費魔力も低いし、だから軽量化の為にも自動充填機能を採用してる。」



「更に短剣は加速した時の衝撃に耐えられるように黄竜の鱗も噛み砕く【ハルトグイ】の牙を混ぜて作ってある。……とまあ諸々凝りすぎて値が張るから、なかなか売れてくれないんだけどな。」



 なるほど……ハルトグイ?ってのは知らんけど、黄竜は確か難易度A3だからな。それを噛み砕くってことはそれ以上って事な訳で、現状にはうってつけか。



「――――――マオはどうしたい?」



「……………………はい?私ですか?」


「うん、そう。だってマオが使うかもな訳だし、やっぱり本人の意見を聞いた方がいいと思って。」



「…………え?ちょっと待ってください……私が使うんですか?それ?」



「え?うん。短剣だし攻撃力も上がるしちょうどいいと思って。」


「」



 え?固まったんですけど。何か可笑しな事言ったか俺?


「え、えーっと……マオ戻ってこーい。」


「…………はっ!」


 あ、戻ってきた。



「わ、私なんかの武器より先ずはご主人様の武器から強化していくべきではないんですかっ?」



「え~だって俺は別に今の武器で困ってないし。それにほら、マオならちゃんとした武器にすればまだまだ伸びしろがあるんだしさ。俺もマオが強くなってくれるなら安心出来るしウィンウィン。」



「ウィ?か、仮にそうだとしても、ご主人様この武器の値段ちゃんと見ましたか?」



「やだな~ちゃんと見てるよ。大金貨五枚でしょ?」


 敏腕店員に買わされた時とは違うのだよ。買うのはちゃんと値段を確認してからだ。



「そうです!明らかに奴隷に、しかもまだ買われて数日の奴隷に買う物の値段じゃないです。」



「まあ確かに少し高いか………でもほら、それは先行投資というか、マオの活躍を期待しての事だからさ。俺はマオにそれだけの価値があると思ってコレを買おうかなと考えたんだよ。」



「俺の見立てを疑ったりなんかしないよね?」


「か、買い被り過ぎです………ですが分かりましたっ!そこまで言われたのなら、私も覚悟を決めます。必ずや、武器に見合う成果を上げて見せます。」



「――――――うん、期待してるよ。」


 ………少しズルい言い方になったが、こうでも言わないと受け取らなさそうだったからな。まあ嘘は言ってないし、いいよね?



「それじゃあ、その【風切】買います………二本(・・)。」



「まいd…………はっ?いや今の流れから買うのは分かってたけど……二本も買うのか?確かにちょうど二本売れ残ってるからこっちとしてはいいんだが………大金貨十枚だぞ?」



「ええ、性能的に片手に盾を持つより両手に風切を持った方がいいかな~と思って。マオも多分その方がやりやすいよね?」


「…………ええ、そうですね。」



 ?何故か疲れた表情をしてるんだが………ああそうか!いい加減家に帰りたいよな。少し前まで頑張ってたんだし。



「って事で二本で。」



「ま、まいど。―――――――――カシン、この坊ちゃん色々凄いな。」


「ええ、凄いですよ。【俊動手甲】のスピードも完全に見切られてましたから。次元が違いました。」



「マジかよ、そりゃあ確かに調節が必要だ。いや、調節させてもらわないとな。三日で仕上げてみせるからよ。」


「はい、お願いします―――――――――さて、俺の用事も済んだし飯でも食いに行かないか?ユートはまだキースさんの店で晩飯食ったことないだろ?美味いぞ~あそこは。」



「へぇ~そうなのか、じゃあ行こうかな。」



「よし、決まりだ!………それではオリヴァーさん、お願いします。」


「おう、任せろ!」





 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼





 オリヴァーの店を出て十数分、キースの酒場に到着した。


 店内の人はまばら………というかガラッガラだな。いくら情報屋で頑張っているとはいえ、コレはだいじょばない気が。


 とりあえず、カウンターに近いテーブルに腰掛ける。あ、メニュー置いてる………やっぱり料理名だけじゃ分からんっ!



「いらっしゃい………おっと、カシンにユート君じゃないか。この時間に来るということは晩飯かな?」



「はい、ユートにもココの美味い料理を食べてもらいたくて連れてきました。」


「まあ俺が作ってる訳じゃないけど、そう言って貰えるとありがたいぜ。そういやユート君、そっちの娘は?」



「うちの……パーティーメンバー?のマオです。」


 わざわざ戦闘奴隷とか言わなくてもいいよね。



「は、初めまして。マオです。」


「この酒場の店主、キースだ。情報屋としても活動してるから、ユート君の事で何か知りたいことがあれば依頼してくれていいぞ。」



「ちょっ、キースさん?!」


「冗談冗談、気にすんなって。ま、大いに食って飲んでしてってくれ。カシンにも褒めて貰ったが、本当に料理は絶品だからな。………何故か客足は伸びんが。」



「いや、この時間(・・・・)の料理が絶品なのはこの時間に来ないと分かんないですからね。情報屋としての認識が強いですし、他の酒場もあるのにわざわざココには来ないですよ。」


「それにキースさんの料理は………普通ですから。」



「ぐっ……まあ確かにそうだな。」



「?なあカシン、なんで時間帯で料理の味が変わるんだ?」


「ん?ああ、夕方からは"リアさん"が作るんだ。料理上手で美人、おまけに腕も立つ凄い人だぜ。」



「本当は朝からも入ってもらいたいんだが……前にお願いしたときに睨まれちゃってな。それ以来ナニも言えねえ。」



 よえぇ…弱いよキース。尻に敷かれてるよねソレ。



「リアさん?と言うのはキースさんの奥さんか何かなんですか?」


「ばっ!?そんなんじゃねぇよ!ただ昔からの腐れ縁で一緒に働いてるだけだ。」



「そ、そうですか……。」


「ま、まあユートその話はいいじゃないか。それより早く料理を注文しちまおうぜ。」


「……ああそうだな。」



「じゃ、じゃあ注文が決まったら呼んでくれ。」





 慌ててカウンターの奥に逃げていったキースを横目で見送りつつ、メニューに目を向ける。………いや、見たところで分からないんだったね。



「オススメはどれだ?」


「オススメか~どれも美味いからなぁ。ま、最初は何種類か載ってるプレート物でも頼んで、そこから好きな料理を探していけばいいんじゃないか?」



 なるほどね。見てみると、プレート系だと余計な料理名じゃなくて"肉料理プレート○番"といった具合になっているから注文もしやすい。内訳も書いているから好きな料理のある物も選べるしな。



「じゃあ俺は肉料理プレートの一番かな。マオ?」


「では私は魚料理プレートの三番で。」



「そうかそうか。じゃあ俺は……あ、そういやユートは酒は飲むのか?」


「酒?まだ飲んだ事がないんだが……そもそも飲んでもいいのか?その……年齢的に。」



「?ユートって俺と同い年だろ?じゃあ十五歳以上なんだし平気じゃないか。」


 へぇ~十五歳以上でいいのか。まあ昔の日本でも元服はそのくらいだったし、納得しやすくはあるけどな。



「じゃあ飲んでみるかな、マオはどうする?」


「私は遠慮しておきます。」



「あ、そう。酒はどれを飲めばいいんだ?」


「やっぱり最初は"エール"だな。そのあとは色々試してみようぜ、ココは酒の種類も多いしよ。」



 エール、ね。ビールの親戚みたいなヤツだったと思うけど……興味ないから覚えてないな。



「じゃあそれにしよう。他はまあ、テキトーに飲んでみるよ。……無理しない程度に。」


「よしよし、―――――――――キースさん、注文お願いします!」







 ―――――――――それじゃあ料理と酒を楽しむとしようか………二日酔いになんてならないように、な。


誰の装備を新調するかは

言ってませんでしたからね。


もしかしたら

勘違いした人がいるかも、と

ほくそ笑んでおります。



まあ主人公に関して言えば

どんな武器を使おうが

あまり関係ないですけど。


そのうち新調します。


カッコいい武器が好きなのは、

超能力者だろうがなんだろうが

変わりありません!


オトコノコである限り!

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