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魔法?いや、超能力なんです。(小休憩中)  作者: ぢそべ某
第2章!
26/45

#26 駆逐作戦! 続

駆逐作戦? 続です。


べ、別にタイトル考えるのが

面倒だからって訳じゃないんだからねっ!


……はい、どうぞお読みください。

 






 分身のクマを倒し終えた頃には、本体のグロースベアもハルラインの手によって倒されていた。優秀だな、それにあの剣もやっぱりイカす。貸してくれねえかな……無理か。


 っと、ジロジロ見てたからかハルラインが近付いてきた。


「――――――やぁ君、見ない顔だが…グロースベアを単独で倒すなんて随分強いな。」



 流石に目に付いたか。


「ありがとうございます。最近は主に王都で活動しているので、こちらだとあまり見掛けないのかも知れませんね。」


「そうか。私も自宅のある王都が主だが、近頃は帰っていなかったからな。一応同じランクの者の顔は覚えるようにしているのだが、君は最近シルバー級になったのか?」



「はい、数日前に。」


「なるほど……おっと、改めて自己紹介をしておこう。ハルライン・ローズだ、君の名は?」


「ユウト・ジョウガサキです。」

「ユート君か。時にユート君、キャッスルという名に聞き覚えはないかな?」


「……いえ、聞いたことないですね。その人がどうかしたんですか?」


「実は少し前にラパスで武闘大会が開かれて、キャッスルという人物はその優勝者らしいんだが……大会が終わったと同時に行方を眩ませてね。」


「ここの領主はほら、育成より楽だからと外部から手練れを集めるだろう?手っ取り早く成果を上げたいからって。それでキャッスルを探してるらしいんだが、俺も気になってな。」


 アイツまだ探してるのかよ!俺を探す暇があったら自分とこの兵士鍛えろって。


「まあ"迷宮退治"は大変だから分からなくはないが、長期的に見るならやはり兵士を育成した方が堅実的だろう。」


「迷宮?」


「おっと、ユート君は迷宮を知らないのかな?」

「はい、初めて聞きました。」



「そうか……まあシルバー級になったばかりだし仕方ない。――――――迷宮というのは魔物が無尽蔵に産み出される塔の事だ。内部は空間が歪んで何十階層にもなっていて、上層に行くにつれ面積は広くなっていく。」



「迷宮の魔物は上層であるほど強いが、下層でもシルバー級以上でなければ手が出せない。まあそのぶん旨みは多いがな。魔物は迷宮の魔力によって作られていて倒されると煙となって消え本体である素材を残すんだが、その素材が高く売れるんだ。」



 グロースベアの分身みたいなもんか。わざわざコアを抉り取る手間がないのは確かに魅力的だな。



「迷宮は突如として地中から生え、その管理を担うのが迷宮のある領内の領主だ。迷宮は放っておくと魔物を外に吐き出すから定期的に誰かに入ってもらうか、同じ付近に数が増えた場合は退治する必要がある。」


「あまり管理がお座なりだと領主を辞任される可能性もある。キャッスルを探しているのも、今後の迷宮討伐のためだな。」



 なるほどな。しかし迷宮なんて便利な場所、頼まれなくても行くのに。まあ今後を見据えるなら俺を囲っておいた方が便利なのだろうが。


「ユート君も興味があったら迷宮に行ってみるといい。では、そろそろ作戦に戻ろうか。」







 グロースベアが山場だったのかそのあとは特に問題もなく時間が過ぎていき、日も傾いてきた。


「―――――――――諸君!ご苦労だった。そろそろ時間なので、これから町へと戻ろうと思う。だが、気を抜かず警戒するように。町へ戻るまでが駆逐作戦だ。」



 遠足みたいに言うなよ。


 というかどんな世界でもこの文言は使うのか。いや大事だけどさ。遠足を思い出して少し和んじゃったよ俺だけ。


 まあ俺だけが和んだ程度で今さら遅れを取る面子でもなかったけどね。




 途中、コアを抜いて打ち捨てられた魔物から牙や角、甲羅を剥ぎ取りながら帰り道を歩いていく。


 ハルラインに聞いてみると、B級以上の魔物の素材は上質でモノに寄っては武器や防具、薬の材料に使えるためギルドで買い取ってくれるらしい。



 なにそれ知らんてな。


 まあシルバー級なったばかりですぐにラパスに来たから仕方ないのかも知れないけど。知ってたらもう少し考えて、売れそうな部分を傷付けずにしてたのに。



 グロースベア?だって毛皮や肉が売れるようで少し持て余しているが持ち帰っている。いくら魔法のバッグでも、そもそも仕舞えなければ使えないようだ。ドラ○もんの四次元○ケットのようにはいかないのか。



 結局、力の強そうな屈強な男共が無理矢理引き摺って町まで運ぶ。地面に接地する部分を出来る限り抑えて汚れないようにしているが、なかなか大変そうだ。


 数もあるし俺も手伝ってやる。肩に背負って一人で持つと周りがどよめいたが、そこのムキムキなおっさんだって一人で持ってるんだしそんなに驚かなくてもいいと思う。






 無事町に到着し、そこですぐに解散する。素材の売却額を含めた山分けの報酬は明日終わってから渡されるらしい。ちなみに、グロースベアの毛皮はギルドで剥ぎ取りしてくれるんだとか。



 まあプロがやった方が綺麗に出来るし良い値が付くんだろう。手数料が掛かるが、売却額からすれば些細なモノらしいしな。





 そのまま宿へと戻り、革の鎧を脱いでベッドにダイブする。当然怪我はないけど疲労感はそこそこある。特に精神的な面で。


 ポーラ達にあまり絡まれなかったのは良かったが、ラパスの領主がまだ俺を探してるとは。迷宮に入るのはやぶさかではないけど、誰かの下に付くのは真っ平ごめんだ。


 となるとこの作戦が終わったら迷宮退治とやらに手を出してみるか。ハルラインに聞くと現在ラパスの付近に迷宮が三つ出来ているが、街の規模的には一つあれば充分らしい。



 なら余剰分の二つの迷宮を退治してやれば、俺を探す手も暫くは緩むだろう。



 ……そういえば迷宮が何処にあるだとか、どうすれば退治出来るかとか何も聞いてなかったな。――――――まあ明日辺りにでもギルドで聞けばいいか。



 今日はもう働きたくないでござる。なんつって。


 普通の会社と比べるなら今の就業時間はだいぶ短いし文句は言えないよな、公務員かそれより短いくらいだもの。ブラックとはかけ離れてる。


 まあ公務員と違って命のやり取りをするわけだから、ブラックと言えばブラックだけど。それだとこの世界の仕事はブラックだらけになっちゃうしな。



 いや、日本だって海外と比べてブラック企業が多すぎるなんてよく問題になっていたか。過労死するまで仕事する日本人の気が知れない、みたいな。


 ドイツなんかだと残業なんて殆どナシで午後三時半で仕事が終わるなんてのも聞くし、旧約聖書で言えば神様だって七日あれば一日休む。今では安息日なんて呼ばれているよな。



 確か過去には、国際大会でボクシングの選手がたまたま試合の日が安息日になってしまったために棄権した、なんて話もあったとか。


 日本でも採用すれば良かったのに。具体的に言うと午後三時半に仕事が終わる所とか。月末の金曜だけでもいいから。



 でもアレか、この具体案は安息日のパクリっぽくなっちゃうな。



 だって旧約聖書では"日"は夕方区切りだから、安息日である土曜日は金曜の夕方から土曜日の夕方までになる。


 はい、アウトー!


 ドンピシャじゃないか。やっば、改宗したくなってきた。まあ自分が何宗だったか覚えてもないけどね。



 そんな無駄なことを考えていれば時間は簡単に過ぎ去り、夕食を済ませる頃には眠気が襲ってくる。シャワーを浴びベッドに寝そべりながら本を読んでいたら、いつの間にか寝落ちしていた。







 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼







 翌日、朝食を済まし武器屋で新しい剣を買ってから魔閃の森へ向かう。今日は少し早めに来たから人も疎らだ。あれ?ハルラインはもういる……アイツ真面目だな。


 時間はまだあるので魔物図鑑を読んで暇を潰す。マオは柔軟ストレッチを始めた……真面目だな。いや、周りもよく見たら足首やら手首やら回してるし、俺が不真面目なだけか。魔物図鑑なだけまだマシだろう。


 なんとなく周りがテスト勉強をしてる時に一人だけ寝てる、みたいな構図だ。クラスに一人くらいいたな。俺は勿論目立たないように勉強していたが。


 まあテストなんて超能力を使えば余裕で全教科満点を取れるし、そもそも使わなくても高校のテスト程度ならそれに近い点は取れるけど。


 空気を読むって大事だからな、集団は異物を恐れる。



 平均よりちょい上、三十数名いるクラスで十番目位の点数を取るようにしていたな。それなら評定を高く維持しながらさほど目立たない。


 ―――――――――って…うわ何この魔物、顔が三つある!ケルベロスじゃね?ページをめくっていきなり顔三つとかビビるわ、思考一時中断。


 ケルベロスってか顔は熊だ、クマベロスとでも呼べばいいのか。名前は……"ティーンベア"って付いてるけど。え?十代の熊なの?


 それとも十代の妄想が具現化したような見た目だから?……やかましいわ。



 強そうな見た目通りAランクの魔物だな。


 生息地は岩石地帯、近場だとハミル山脈が該当するだろうか。そういえば俺が初めてこの世界に降り立った場所の南方も、確か岩石地帯が広がっていたな。


 円錐型や円柱型、きのこ型などの所謂"奇岩"が林立した山脈で、最大標高は六百メートル程度だったか。ハミル山脈はヒマラヤ山脈より大きかったから、小さく感じてしまう。


 まあそのぶん面積は広く、魔閃の森と同等か少し広い位だ。随分と平べったい。ぺったんこだ。嫌いじゃないぜ。







 そうやって楽しく心の中て一人ツッコミを交えながら読書をしているうちに少しずつ人が増えてきて、いつの間にか時間だ。


 ハルラインの号令で二日目の駆逐作戦が始まる。



 昨日のおかげで魔物の数は減っていて、行軍速度は多少上がっている。そのため、どんどんと森の奥へ進んでいく。


 この調子なら今日は少し楽そうだな……と思った矢先に魔物の大群が押し寄せて来たのが少しイラつきはしたが、概ね順調だ。



 しかし奥に進むと木々が密集してきて日の光が届かなくなってくる。気温が下がって涼しくなる一方、湿度が上がって空気がまとわりつく。


 テンションが下がるな。長居すると体にキノコでも生えてきそうだ。


 現にキノコの生えている樹木もある。白い水玉の入った赤いキノコとか、黄色と黄緑の蛇の目柄のキノコとか。


 毒キノコにしか見えないな。というか最初のヤツ、食べたらパワーアップでもするのか。するにしても副作用がありそうだけど。


「なあマオ、あの赤いキノコって食べられるのかな?」

「……アレは"オコリタケ"ですね。味は美味しいらしいですが、幻覚を見るこの地域では有名な毒キノコですよ?」


 こんなことも知らないのかという顔でこちらを見るマオの目が痛い。被害妄想であって欲しいけど、期待は薄だ。これまで築き上げた主人としての威厳が。


「あ~俺は遠くから来たからこの辺りの事はあまり知らないんだよ。」

 だからこの毒キノコを知らなくてもおかしくない。こんなことも知らないのが普通なのだよ。


「そうなのですね。このキノコを知らないのなら、遥か西方のサーダイルなどの出身なのでしょうか。」


「……まあとりあえず凄い遠くであまりこの辺りの常識がない、とだけ覚えておいて。知らないことはどんどん聞くから。」


「分かりました。」

「うん、よろしく。ちなみに、もうひとつの黄色と黄緑のキノコはどうなの?」


「アレは……恐らく毒キノコの"ハブリキノコ"ですね。似た見た目で絶品の"カブリキノコ"というのがあって、たまに間違って食べる人もいるそうです。食べると数日から一週間で血を吐いて死亡します。」

「……な、なるほど。」


 予想通りというか、どっちを選んでも毒キノコだった。まあ俺は毒キノコごときじゃどうにもならないけどさ、迂闊にキノコ採集も出来ないな。


 ガサガサッ


「ん?何あの手足の生えたキノコ!」

「アレは"ギフトマンタル"ですね。吸うと体が痺れる毒の胞子を撒き散らす厄介な魔物です。」


 身長は一メートルくらい、地味な茶色のキノコから同じような色の手足が生えた魔物だ。色味で言えば一番食べやすそうなのに、魔物かよ。


 とりあえず斬ってみる。


 昨日折れた鉄の剣よりワンランク上の鋼鉄の剣で切れ味が少し上がっているからか、刃は簡単に脳天から足元まで一直線に通る。まあこのビジュアルでメチャクチャ固くても困るけど。


 断面は白く脳に当たる部分だけ少し色がくすんでいるが、本当にキノコだ。


 プシュー!


 と、断面から霧状の液体が噴き出した。


「うわっ、なんか出た。……クサッ!」




「――――――ギフトマンタルは頭を斬ると毒液を出すから注意しろ。浴びると皮膚が腫れ上がるぞ。」


 ……だからさ、そういうのは先に言おうぜハルさんよぉ。それともあれか、これもほとんどの人は当たり前に知っているべき事なのか。俺に優しくないな。


 体は革の鎧があるけど、無防備な顔に少しかかったじゃないか。腫れ上がりはしないけど臭うんですよ、腐った牛乳のイヤな臭いが。


 仕方ないので、目の届く範囲にいたギフトマンタルをさっさと倒して、マオに一声かけてから戦線を離脱する。


 小さな川くらいあるだろうからそこで顔を洗いたい。無くても水を作ればいいだろう、折角の超能力だし。



 少し歩いたところで、細い小川を見つける。顔を洗おうかと思ったが……駄目だな、濁っていてとてもじゃないが洗えたもんじゃない。


 仕方ない、超能力の出番だ。


 製氷によって一辺四十センチ程のサイコロを作り出し、発火能力で一気に溶かす。氷は予めサイコキネシスで受け止めているので、溶け出した水は空中に一塊に貯まっていく。


 これでセルフ洗面台の完成だ。鏡はないがご愛嬌。


 それで二、三度顔を洗うともう臭いの元は落ちたようだ。超能力で作り出した水も特に問題はなく、普通の水だな。これで実用は可能だろう。




 ―――――――――ドシンッ!


「…………ん?なんだなんだ?」


 まるで大きいナニカが足踏みでもしたような、そんな音だ。


 方向は……向こうか。見方を切り替えて、再度音のした方を視る。するとちょうど見えてきたのはハルラインたち。それと……



「―――な、なんじゃありゃ~!」


わざとらしい引きで

終わりましたが、


一体何が起こるのか。


次回、乞うご期待

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