#24 ラパスのレベル?
すみませんm(__)m
週一はキツそうなので、
隔週にします。
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宿を出たあと暇潰しに露店を見て回っていたが、そろそろ時間になりそうだから冒険者ギルドに向かう。それにしても、露店の商品には驚かされた。
まさか赤いバナナみたいな果実が売ってるとはな。てかあれ、いつぞやカジノのスロットで見た図柄と同じじゃん。他にも白いナスとか、星の形をした青い果実もあったし。
この世界のカラーリングのセンスは計り知れんよ。初見だと毒がありそうな色味なのに、それがズラッと並んでると結構インパクトあるな。
まあそのうち買ってみよ。
さて、冒険者ギルドに着いたな。少し早いがマオは………お、いた。
「───ごめんマオ、待った?」
「いえ、ついさっき着いたばかりでしたから大丈夫です。」
「そか、良かった。」
あ、なんかこれ彼氏彼女みたい。初めてやったけど。
「コレ頼まれていた香り袋と、お釣りです。」
「ありがと。じゃあギルドに入ろう、駆逐作戦の依頼を受注するからさ。終わったら、何処かで軽く模擬戦みたいな事をしようか。王都じゃ出来なかったし。」
「分かりました。……シルバー級のご主人様に比べれば、私なんかまだまだですが。」
「まあ人それぞれ…っていうか、今からでも充分強くなれるだろうし、気にしないでね。」
冒険者ギルドに入り早速掲示板を確認すると、駆逐作戦の依頼書を見付ける。当然だけど王都にあったものと同じだ。違う事といえば、その隣に参加者の人数が書かれた紙も貼ってある事だ。
今の段階で40数名。王都から来る分も含めると、50人近くになるのか。魔閃の森は広いから、この人数でも少し足りなさそうだな。まあ俺が頑張れば事足りるだろう。
受付で受注を済ませ街の外へと向かう。魔閃の森の近くは人が多いし、街の外の適当な場所でいいだろ。街の正面まで歩いて……右へ行く。なんだろ、なぜか左には行ってはいけない気がする。
千里眼で見てみても何もないのにな。
正面から外に出て、少し歩いたところで大きな木が見える。うん、あそこでいいか。
「──────よし、じゃあ早速始めようか。準備はいい?」
「はい、大丈夫です。」
「俺はハンデとして魔法は使わずに剣だけ使うから、マオは本気で来てね。殺す気でもいいよ。」
「……分かりました、行きます!」
言葉と共にマオが突っ込んでくる。真正面から?と思ったが、途中でスピードを上げて左横に回り込んでくる。うん、いい速さだ。カシンには劣るけど思ったより速いな。
そのまま右手の逆手に持った短剣で斬りつけてくるので、俺も剣で防御する。するとマオはそこでクルッと回転しながら左回し蹴りを叩き込んでくる。
それを左手で止めると、今度は跳びながら右足を頭めがけて打ち下ろしてくる。器用だな、体柔らかいし面白い攻撃だ。左手を離しながら後ろに跳んで避ける。
「いや~思ったよりも全然いい動きだね。これなら駆逐作戦に連れていっても大丈夫かな。」
「大丈夫なのですか?私を連れていっても。」
「大丈夫大丈夫。やっぱり実戦が鍛練には一番だろうし、危なそうだったらこの身に代えても守るからさ。」
「そ、そうですか。ありがとうございます…」
ありゃ、もう顔が赤くなってる。やっぱり奴隷商にずっといたから体力も落ちてるのかな?
「よし、じゃあ休憩挟みながらまだまだやろうか。」
「はい、お願いします。」
その後昼休憩を挟みつつ模擬戦を続けていたが、時計を見ると3時間以上が経過していた。後半からは俺も軽く攻撃したが、反応が良く結構避けれていたな。
「じゃあそろそろ終わろうか。」
「はい、ありがとうございました。」
「うん。今日はこれで終わるけど、明日もまたやるからそのつもりでね。」
「分かりました。……分かってはいましたが、本当にご主人様はお強いですね。」
「ああうん、ありがとうね。マオも思ったよりは動けてびっくりしたよ。これならすぐに強くなると思うよ。」
「そうですか!ありがとうございます。」
「まあ修行をつけたりなんてのは出来ないから、自分で強くなってもらうしかないけどね。実戦あるのみだし、たまにこうやって模擬戦くらいならするよ。」
「ちなみにご主人様はどうやって強くなったんですか?普通の鍛練じゃその若さでシルバー級になんてなれないですよね。」
「───あ~それはそれは血の滲むような鍛練なんだけど、一子相伝というか秘伝というか、秘匿しなきゃならないんだよね、ごめん。」
考えてみれば俺って卑怯だよな、修行とかしなくても勝手に能力が増えるんだから。増え方に問題はあるけど、それを補っても便利な能力ばかりだし。
でもまあこの能力がなかったら地球は2、3回破壊されてるから文句言えんけど。……しんどかったな、巨大隕石とか異星人の侵攻とか。
あの日に能力使えなかったらと思うとマジ怖い。
遠い目をしながらそんな事を考えていたら、マオが心配そうに俺を見ている事に気付く。
「───っとさて、じゃあ少し早いけど宿で休もうか。さっき取っておいて……ないから何処かで取らないとな。」
そういえば宿取ろうと思った所でラグランホテルを思い出してすぐ向かったからすっかり本来の目的を忘れてた。男のドジッ子とか需要ないだろうが。
ラグランホテルで取れたら良かったが、あそこはビジネスホテルのように1人部屋が基本だからな。雑居部屋も1部屋あるみたいだけど埋まってるみたいだし、そもそもマオを雑居部屋に寝させはしない。
喋っていたらちょうど街の入り口に着いていた。今から歩いて探すのはマオもしんどいよな、よし。
「マオ、ちょっとストップ。」
「どうかしましたか?」
「今宿を探すからちょっと待ってて。」
「はい?だからこれから探しに行くんではないんですか?」
「うん、そうなんだけど……遠くを見る魔法があるからそれを使おうと思って。あ、この魔法も秘密ね。」
「な、なるほど。ご主人様は"魔工師"としての才能もあるんですね。」
「魔工師?」
「魔法の製作は魔法師として優れていても簡単に出来る事ではないと聞きますし、ご主人様は本当に凄いんですね。」
「ああ、うん、そうそう。魔工師だからこれからも秘密の魔法使うからさ、他人に漏らさないようにね。」
「はい、ご主人様。」
魔法の言葉を手に入れたよ、魔工師。魔法を作れる人がいるなら俺の超能力も自作の魔法って言って誤魔化せそうだ。いやまあ、それはそれで別の問題が起きそうだけど。
もしもの時の切り札としてなら使う価値はあるよね。
───さて、視てみるか。
……ん~あまり大きい宿はないな。何処も御一人様御歓迎みたいな宿が多い。まあ王都なんかと違ってそんなに人も来ないからなんだろうが。
お、闘技場の脇に宿見っけ!多分この街で1番デカいな。受付の料金表に2人部屋も3人部屋もあるって書いてるし、まだ部屋に空きもあるからここでいいだろう。
「いらっしゃいませ~!」
「すいません、ツインで3泊お願いします。」
「ありがとうございます。料金は先払いとなってますが大丈夫でしたでしょうか?」
「大丈夫です、じゃあ金貨6枚ですね。」
「はい、ちょうど頂きました。ではお部屋の方へご案内致しますので、こちらへどうぞ。」
通されたのは3階建ての宿の3階の角部屋だ。2人部屋だけあって広く、これならゆっくり寛げそうだな。
「お食事は7刻頃から各部屋に運ばせて貰います。もしいらない場合は先に受付にお伝えください。」
「分かりました、ありがとうございます。」
「では、ごゆっくり。」
さて、夕飯まではあと3時間程。することもないし、ベッドでゴロゴロして時間を潰すか。テレビとかあったら暇を潰しやすいのに。それか漫画読んだり。
それとも本でも買って読むか。紙が高価だから本もそこそこ高いけど、この世界の勉強のためにも買っておいて損はない、だろう。千里眼やサイコメトリーで手に入る情報にも限りはあるしな。
そうと決まれば買うか。と思って街を視渡してみたが、本屋がない。確か王都にはあったのに……ラパスレベルでは手に入らないのか。基準はいかに。
奴隷商もねぇ、カジノもねぇ、ついでに本屋もねぇのかラパスは。
王都がデカ過ぎるから分かりづらいが、ラパスは街としてどの程度のレベルに位置しているのか。比較対象がないからなんとも言えないな。多分低そうだけど。
千里眼で遠くの街を視てもいいけど、やっぱり訪れてみるに越したことはない。昔も自宅にいながら沖縄の美ら海水族館や秋田の竿燈祭りなどを視たけど、結局は父親に頼んで瞬間移動で連れてってもらったし。
風情というか、ロマンというか……やはり千里眼は肉眼に如かず、だな。
さてさて、つい脱線してしまったがどうするか。といっても、選択肢は2つだ。王都に買いに行くか、このままここでボーッとしてるか。
ボーッとするのも嫌いではないが、今後の事を考えるなら早めに買っておいた方がいいのだろう。仕方ない、王都まで買いに行くか。
「マオ、ちょっと出掛けてくるから留守番よろしく。」
「分かりました。どちらへ行かれるんですか?」
「ちょっと王都の本屋まで。」
「王都!?……あ、行ってらっしゃいませ。」
「うん、行ってくる。」
1階まで降りるのは面倒だからと、透明化して部屋の窓から飛んでいく。本気で飛ばせば十数分だろう。
───はい、10分経たずに着きました。
途中白竜タクシーとすれ違ったが、まだあんなところにいたんだな。あれでも馬車より速いんだろうけど、如何せん俺が速すぎるのか。
これでもソニックブームが出ないように気を使ってるのに。白竜、もっと頑張れよ。
白竜への激励?を済ませ、姿を消し空を飛んだまま本屋へ向かう。まあ一応俺はここにいないことになってるしね。透明化は本屋に着いてから解けばいいだろう。
本屋の場所は覚えている。元々本は読む方でそのうち行こうと思っていたからな。……"そのうち"って"行けたら行く"と同じくらい信用ないけど、今回は結構早めに実行出来て良かったな。
他の"そのうち"も早めに消化しよう、うん。
本屋に着き、人目に付かない場所で透明化を解除してから入店する。間違っても透明なまま店内には入らない。扉がひとりでに開くとかホラーだしね。1回やっちゃったことあるけど。
本屋は王都にあるだけあって2階建てで敷地面積も広く、本も1万冊以上はあるだろう。これだけ選択肢があると悩むな。
まあ適当に選ぼう。テキトーじゃなくて適当ね。つまりは必要な物のみを買うという事。
まずは料理本だ。
必要だよね。マオのレパートリーの足しにもなるだろうし、予め料理名とか知ってたらリクエストも出来る。それに飲食店でギャンブルまがいの注文をしなくて済む。
料理名からどんな料理か分からないのは意外と怖いのだよ。
肉料理と魚料理の料理本をそれぞれ買い物カゴに入れる。買い物カゴはスーパーで見掛けるサイズのピクニックバスケットだから、まだまだ入るな。
次は魔物図鑑だ。
これは冒険者として知っておかなければならない情報だ……という建前もあるが、男として色々な魔物を知りたいというのはなんら不思議ではないよね。カッコいい魔物とか見たいし。
広辞苑並の厚さの魔物図鑑をカゴに入れる。あ、カゴが一気に窮屈に。図鑑だけあってデカいからな、鈍器として扱えるレベルだし。
後頭部に食らったら意識持ってかれそう。
次は……なんかあるかな?
小説なんかは無いみたいだし、エロ本も見つからんしな。というか物語を書いている物が圧倒的に少ない。目に付いたのは"神書"と書かれた神話集くらいだ。
内容は大昔にいたらしい神々や勇者たちの伝説を纏めた物らしい。この世界の勇者は男と女の2人組なんだな。RPGでよく見る4人位のパーティーとかじゃなく、2人だけとは。
だからかこの勇者たちの物語のラストは、『魔王を封印して世界は平和になり、2人は夫婦として幸せに暮らしましたとさ。』とある。
夫婦喧嘩なんかした日には周りの被害が心配だな、この夫婦は。
少し面白そうだけど…買わなくてもいいか。俺の人生の方がよっぽど伝説と呼べる代物だし。現在進行形で。
会計を済ませ、ラパスへと帰る。長居は無用だ。
再び宿の窓から部屋の中へ入ると、マオは剣の手入れをしていた。油とか羊毛とかいつの間に買ったのか。いや、さっきお使いを頼んだときか。
そういえば剣も手入れが必要なのか。包丁だって研いだりするんだから当たり前といえば当たり前だが、剣なんてこっちに来てから扱ったから分からんかった。
「お帰りなさいませ、ご主人様。」
「ただいま。マオも読む?料理本とか魔物図鑑とか買ってきたけど。」
「では料理本は後で読ませていただきます。よければご主人様の物も手入れしましょうか?」
「ああうん、じゃあお願いしようかな。」
剣の手入れ用の道具もそのうちちゃんと買っておくか、そのうち。
それから俺は読書、マオは手入れをして過ごした。マオは剣の手入れを終えると、次は鎧などの革装備まで手入れをしだす。ちゃんと剣とは別の油使ってるし、メンテナンスが好きなのかな?
……いや、俺が無精なだけですねスミマセン。
時間になり食事が運ばれてきた。手入れした物はクローゼットに入れてあるし、油の匂いも気にならないので美味しく頂けた。流石にマオも考えているか。
食事が終わるとマオからシャワーを浴びさせる。
この宿はシャワー付き…というかシャワーしかないが、それだけでも充分だ。シャワーはホース無しのヘッドだけというコンパクトな便利グッズで、火と水の魔結晶を使うらしい。
温度調節に少し苦戦したが、使い勝手はいい。これは速やかに買っておかねば。そのうちとは言わない。
シャワーを浴びたあとは、1つのベッドでしっぽり……という事はなくお互いのベッドに入る。ヘタレではない。まだその時では無いだけだけだ。
いつその時が来るかは…神のみぞ知るではあるが、とりあえず今は1人で寝るとしよう。




