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魔法?いや、超能力なんです。(小休憩中)  作者: ぢそべ某
第1章!
2/45

#2 街?

 

 ───現在に至る。



 いや、了承はしたけど、もう少し心の準備とかあるだろ?それをいきなりはアカン。思わず関西弁になる程度には動揺してる。



 はぁ………よし、受け止めた。まあ来たもんは仕方ないのだ。家族や友人への別れの挨拶とか出来なかったけど、それも仕方ないのだ。



 いやでもほんと、元の世界では俺がいなくなったことはどうなっているんだろう?一応創造者?がしでかした事だから、俺の存在ごと消されているんだろうか?



 まあそうでなきゃ困るけどな。うちの両親は俺が言うのもなんだが親バカだ。俺がいなくなったと分かれば、それこそ泣きながら地球を2、3周して探すだろう。



 流石にそれを考えると俺も目が潤む。…だからもう考えないことにしよう。もうどうせ元の世界には戻れない、この世界に骨を埋めるのだ。



 それなら楽しんだ方がいいよな!俺の眼前にはゲームのようなファンタジーが待ち受けている、そう考えるとテンションも上がるというものだ。







 さてとりあえず、近くの街に行くか。といっても辺りを見渡しても荒野、雑草や潅木などが生い茂る閑散とした風景しか目に入らない。



 アイツもせめて街が視界に入るような場所に送ってくれればいいものを。日の高さ的に俺が元の世界から消えた夕方くらいか。ここから歩いて街を探したら確実に街にたどり着く前に日が暮れる。



 こんな荒野だ、コンビニがあるわけでもないので途中で体力も尽きるだろう。まったく、俺じゃなきゃ最初からゲームオーバーだ。



 ────一番近いところで、ここから北西200km位に大きい街があるな。200kmというと東京-静岡くらいか?寝ずに歩いても1日じゃ着かない。



 まあ俺は歩かないけどな。──地面を蹴ると体が宙へと浮かぶ。そのまま街までひとっ飛びだ、15分もあれば着くだろう。魔法があるなら空を飛んでも不思議じゃないよな?





 …おっと、そういえば説明がまだだったが、俺は普通の人間ではない。俗物的に言うなら"超能力者"、というやつだ。



 父は瞬間移動、母は発火能力を保持する超能力者で、俺も生まれたときから当たり前のように超能力を使える。ただ両親と違うのが、俺は複数の能力を持っているということだ。



 例えばさっき街を探したのは"千里眼"の超能力である。これなら日本に居ながらにしてリオのカーニバルも見ることが出来る。…地球は青かった、も自宅で済ませた。



 そして今まさに街へと向かっているのは、"浮遊"の超能力だ。翼はないが空を自由に飛ぶことが出来、その速度は音速も越えることが出来る。



 まあ普通に生身のまま音速で飛んだら服は弾け飛ぶし息も出来ないだろうが、そこは超能力者、"サイコキネシス"の超能力を駆使して周囲にバリアを張るので快適な空の旅を楽しむことが出来る。



 他にもまだまだ超能力を持っているが、それはまた今度紹介しよう。とまあ只でさえ異端な超能力者の両親から生まれたのが、更に異端な俺というわけだ。



 確かに元の世界には不釣り合いだっただろう。一応超能力は隠すようにはしているが、あるものは使いたくなるのが人情、そして、使わなければいけない場合も確かに存在したからな。




 …と、そんなことを考えていたら街へと着いた。流石に町中に降りるのは行儀が悪い?気がするので、少し離れた所に降りてから街に入る。




 東京ディズ○ーリゾート位の大きな街だ。3m位の塀に囲まれ、遠くの丘に城が見えることから城下町といえばいいのか。名前は…ラパスか。文字は勿論日本語でも英語でもないが、何故か理解できた。



 そんな超能力は持っていなかったが…まあ困ることでもないからいいか。どうせアイツがそういう事が出来るようにしたんだろう、仮にも創造者なんだからな。




 街の中へ進んでいくとレンガや木材で出来た建物が立ち並び、すれ違う人は肌や髪、瞳の色の違う人だらけだ。俺は普通の黒髪に薄茶色の瞳だが、すれ違うのは青い髪やら赤い瞳、焦げ茶色の肌など。



 それで鎧や民族衣装のような奇抜な服装で、たまにネコミミやイヌミミの亜人?獣人?がいるので、まるでこれからパレードでも始まるのかと思ってしまう。



 おっと、周りをキョロキョロとまるでおのぼりさんだな。



 それよりもするべき事がある。この世界で生活をするために仕事を探さなければ。アイツがド◯ゴン◯エストとか言うくらいだ、魔物もいることだしそういう駆除の仕事とかあるだろ。




 ………お、あった。街の中央に3階建ての大きな赤い建物が視える。"冒険者ギルド"か、建物の中を視ると屈強な男達がひしめきあい、依頼書と書かれた紙を手に受付へと並んでいる。



 依頼書には駆除やら採集の依頼が書かれているので間違いないだろう。






 広い街なので人混みを20分程歩いて冒険者ギルドへと到着する。受付が6つあり、その内の1つに[登録・更新の方はこちらへ]と書かれているのでそちらへ向かう。



 登録しないと依頼を受けられないらしいからな。心配だったが登録料は無料だった。月々の更新には更新料がかかるらしいが、先の事だし今は置いておこう。



 というか月とかちゃんとあるんだな、受付奥の木製のカレンダーを見ると1月が60日で6ヶ月で1年らしい。月と月の間には次の月への準備日があり、祝日的な意味合いらしい。ギルドも定休日だ。



 時計もちゃんとあるようでカレンダーの上に付いている。流石にサイズは掛け時計にしては大きめだが、流石に文明レベルを考えるとそれ以上は望めないだろう。



 日の高さから多少は予想していたが、時間は俺の腕時計とほとんど差異がない。腕時計が無駄にならずにすんで良かったな。



 登録は受付で書類に名前と年齢を記入し、そこに血判を押すだけで済んだ。まあ記入といってもこの世界の文字は読めても書けないので、受付のおばさんに代筆してもらった。



 丁寧な事に文字を書けるか記入前に聞かれたのでお願いしたが、どうやらこの世界の教育水準は低いらしい。


 義務教育が9年ある日本と比べるのもどうかと思うが、それでも俺位の年齢で文字が書けないことに疑問を抱かれないとはな。



 まあ日常のコミュニケーションが取れるなら文字を無理に覚える必要もないのか。現代でも西洋人が日本語、中国語を覚える時に漢字に苦戦して、読み書きは出来ないけど話せるよ、みたいな人もいるしな。



 といっても観光でたまにしか訪れない外人ならともかく、俺はこれからこの文字と付き合っていかなくちゃならない訳だから、時間を見付けて勉強しなきゃな。まあ幸い読めるんだからすぐ覚えるだろう。



 書類を持って奥に行っていたおばさんが帰ってくると、名刺を一回り大きくしたような薄茶色の金属板を渡される。左の角には赤い水晶玉が埋め込まれ、名前が"ユウト・ジョウガサキ"と彫られている。



どうやらこれが会員証"ギルドカード"のようだ。身分証明書としても使用出来るらしいので、無くさないようにしないとな。








 さて、登録も済んだことだし早速依頼書を見てみるか。


【千里眼】使用時は「見る」ではなく「視る」と区別します。

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