表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法?いや、超能力なんです。(小休憩中)  作者: ぢそべ某
第2章!
19/45

#19 買い物?パート2

異世界生活も1週間程経ちましたが、

とうとうボッチ脱却ですね。


家に帰ると誰かがいる…

ちょっとした事ですが嬉しいものです。


そんなちょっとした幸せを

主人公にも味わってほしい。

 


「───それでは、またのご利用をお待ちしております。」









 ジールの言葉を背にマオと奴隷商をあとにする。マオは先程のぺらぺらの服を着ているだけの手ぶらで、荷物の類いはないらしい。



「…とりあえずマオの服とか必要な物を買ってから昼ご飯にしようか。」


「はい…えっと、危害を加えられないように"命令"をしなくてもよろしいのですか?」



 ああ、そういえば命令は絶対なんだっけか。しかしわざわざそれを言う辺り、なかなか真面目というか馬鹿正直というか。



「……まあ必要ないかな、別に襲われても困らないし。」



「そ、そうですか…」



 う~ん、まだ少し怯えられてる感じがするが、これが普通の反応か。知らない奴に買われて不安になるのも分かる。



 さて、マオの服を買うとは言ったものの…店を知らないから地図とにらめっこだな。……1番近いのはここを右か──




 千里眼がなくて少し手間取ったが、無事店に着いた。



「───じゃあ好きな服を3、4着選んで。それと外套、靴、靴下と下着もね。」


「……失礼ですが店を間違っていませんか?他にもっと安い店があったかと思いましたが。」



 うん、途中であったな。でも店頭に並んでいた服が地味なものばかりだったし、なによりあまり安くさいのは却下だ。


「いや、この店でいい。値段は気にせずじっくり選んでくれ。」



「はあ…かしこまりました。」



 まだ腑に落ちない、って顔をしながらも服を選び始めた。奴隷だからって可愛い女の子に安い服を着せるわけにはいかないよな。



 それにいまいち奴隷の扱いの基準が分からない。今の感じだとまだまだ腑に落ちない顔を見ることになりそうだ。…まあこういうのは周りを気にせずに勝手にやっちゃえばいいよな。


 "うちはうち!よそはよそ!"ってヤツだ。







「───ご主人様、選び終わりました。」



 ご主人様!?女子に呼ばれたい呼び方ランキング第1位を遂に体験することが出来たな。ちなみに2位は"おにぃちゃん"だ。



「お、おう……じゃあ会計を済ませて次の店に行こうか。」


 会計を済ませ、マオには買った服に着替えてもらい店を出る。うん、よく似合っている。女性服の事はよく分からないが、ガウチョパンツらしきものに上着がチュニック?の全体的にゆったりとした服装だ。



 他に買った物も似たようなのだったし、こういう服がトレンドらしい。まああまり種類がないというのもあるだろうがな。





 次に買うのは装備品だ。仮にも戦闘奴隷だし本人も役に立てる、役に立ちたいと言っていた以上、必要だよな。



 1人でいるのも寂しくなってきたし、戦力的には1人でも充分だけど、コアの回収を任せたり役割を与えればいいだろう。




 再び地図を見ながら武器屋、防具屋が立ち並ぶ一角へと着いた。


 近くにギルドの本部があるからか、武器屋防具屋といっても取り扱ってる物など店舗によって違う。飛び道具専門店とか、オーダーメイドのみの杖の販売店などさまざまだ。



 まずは武器屋に入る。


「マオの戦闘スタイルは?」



「私は片手剣…ダガーナイフなどと盾を装備して戦います。」



「そうか。じゃあそれと皮の鎧、靴を買わなきゃな。俺とお揃いだけど別にいいよな。」



「あの…でしたらご主人様が今使っているものを私にお下げして、ご主人様は他の新しい物をお買いにならないんですか?」



「マオがいいなら…いやでもサイズが合わないだろ?」



「いえ…オーダーメイドの防具はともかく、市販品には魔法が掛かっているので使用者の体格に合わせてサイズが変わるんです。余程体格が違わない限りは使い回せます。」



 へぇ~普通に使ってたけどそんな機能が付いてたのか、どうりで着心地がいいわけだ。魔法は奥が深いな。


「じゃあそっちは俺のお下がりでいいから、片手剣と盾があればいいんだな。」


「はい、お願いします。」



 てことで鉄製のダガーナイフを購入して、次は防具屋だな。



 マオの盾を選ぶ前に、俺の新しい鎧と靴を探す。まあ今着てるのが皮だから、次は革かな。皮と違ってちゃんとワックスで硬化処理してあるから、強度もそこそこありそうだ。



 ……ならマオに着せた方がいいよな、よく考えたら。まるまる革装備で2人分買っておくか。一応色の種類があるから選ばせないとな。



「マオ、やっぱり革の鎧にするから色選んで。俺は黒色にするから。」



「はい……では藍色で。」



 あれ?なんだか諦めたような顔されたけど気のせいかな。



「うん。じゃああとは盾だけど、使いやすいのを自由に選んで。俺は使わないからよく分からないんだ。」



 一口に盾といっても種類があるしな。形は丸とか四角、材質も木の盾に皮を貼ってたり鉄製だったり色々だ。



 マオは気になった物を1つずつ手に取り、軽く振ったりしながら慎重に選んでいく。そうやって少しして、丸形の鉄盾を持ってきた。サイズは40cmくらいかな。



 会計を終え店を出たところで、そろそろ昼時な事に気が付いた。次の買い物の前に昼ご飯だな。




 テキトーに歩きながら、美味しそうな店を探す。やっぱりマオもいることだし、魚料理の美味い店一択だろう。



 と、魚のマークが書かれた看板が目に入る。看板に書くくらいだ、期待してもいいよな。



「じゃあ昼ご飯はこの店にしようか。」


「あの…私がお食事にご一緒してもよろしいのでしょうか?私ならもっと安い店で食べてきますが。」



 いやいや、わざわざ別の店で食べさせるほど俺は酷い奴じゃないぞ。



「勿論いいに決まってるでしょ。ほら、早く入って。」



 店内は昼時で混んでいたが、ちょうど席が空いたところですぐに座れた。さて、何を注文するか。相変わらず言葉は読めるけど、どんな料理かは予想がつかないからな。



「マオはどれにする?俺は店員さんに聞いておすすめを頼むつもりだけど。」



「選ぶなんてとんでもない、ご主人様に決めていただいて結構です。」



「いや、マオの好みとかもあるだろうし…」


「嫌いな食べ物はありません!」



「ああ、うん、分かった。」




 仕方ないからマオもおすすめでいいか。


 注文するときにマオが驚いたような不思議な顔をしていたが、好きな料理だったのかな?


 少しして運ばれてきたのはムニエルと蒸し焼きだった。うん、美味!マオも美味しそうに頬張ってくれて俺も胸がいっぱいだな。





 食事を済ませ、次の店に向かう。次に買うのは寝具、ベッドだ。流石に1人なら浮かんでいれば良かったが、マオもいるし買わないとな。



 品質を求めるならやはり大きい店ってことで、再び王都の中心街まで足を運ぶ。


 とりあえず地図を見て1番大きい店にしておけばハズレはない…はずだ。




 少し歩いてお目当ての店に着く。ベッドは2つか、それとも1つか。



 1つでもいいだろうが、一緒のベッドで寝てしまうと歯止めが利かなくなる気がする。それでもいいかも知れないが、多少は健全でありたい。今更な気もするが。



 やはりここは2つにしておこう。お金はあるのだし、迷ったら買ってしまえばいいのだ。…ここ数日で金銭感覚が麻痺してきたな。



 ひとつはキングサイズ、もうひとつはセミダブル位のベッドを購入し、自宅への配送を頼む。鍵を預ける訳にはいかないので、庭にでも置いてもらおう。



 流石にこの時はマオの表情を見れなかった。どう思われているんだろうな。





 次に買うのは食器と調理道具だな。



 少し歩いて店に入り、予備も含めてコップや数種類の皿、スプーンにナイフ、フォークなど4組ずつ買っていく。それに包丁も切る物によって種類があるので3本と、他に鍋やフライパンなども買う。


 それとコンロ用の魔結晶だ。実は我が家のコンロは魔結晶を燃料にした魔具の一種で、何個か必要らしい。



 俺の発火能力を使ってもいいが、毎回キッチンに立つのはな……発火能力は制御が難しいから肉眼の範囲でないと使えないのが不便だ。



 ちなみに魔結晶は使用目的によって色が違って、火関係はオレンジ色。大きめの魔結晶1個で通常1週間位持つらしいから、5個ほど買っておくか。料理によっては消費も多くなるだろうし、余裕は必要だよな。


 1個銀貨4枚ってのが痛いけど。今のお財布事情がなければ節約してたとこだ。



 さて買った物は全てバッグに入ったのだが……容量の限界も近いだろう。



 まあこのあと寄るのはもう1件だけだし大丈夫だろうが、やはりもう少し容量があった方がいいな。冷蔵庫代わりとしても使いたいし、今度新しい物を買って、今使っているのはマオに使ってもらうとするか。




 店をあとにしてしばらく歩いた所で、店に着いた。着いたのは風呂道具を売る店だ。買うのは手桶に手拭い、バスタオル、それと石鹸だな。当然ながらシャンプーもリンスもないから石鹸で髪も体も洗うらしい。



 でも石鹸で髪洗うと禿げるとか言うよな。確かアルカリ性の石鹸だと頭皮や髪との相性が悪くてダメージになるんだっけか。それに皮脂が余計に落ちて乾燥もするんだよな。



 リンスでアフターケアも出来ないし、あまり頻繁に洗わないようにするか。超能力者だからって必ずしも禿げないとは明言出来ないしな。



 それと給湯用の魔結晶もだ。給湯にも魔具が活躍するようで、火と水の魔結晶を燃料に使うことでお湯を作り出せるらしい。



 流石に湯船に入れるほどの水を井戸から持って来るのもな。周りの邪魔にもなるし、そもそもこれなら飲み水すら井戸を使わないで済む。



 キッチンの水道用も含め水と火の魔結晶を買っておく。湯船の容量的に水の魔結晶は多めに買わないとな。1個で2週間分の飲み水を確保出来るらしいから、単純計算で40L程度だろう。



 おっと、忘れちゃいけないのが照明用の魔結晶だ。


 照明魔具は簡素なシャンデリアとかランプとかがそのまま家に置かれていたっけか。照明まで魔具とか文明発達し過ぎだろ、まあ蝋燭なんて使い慣れてないから火事とか怖いし、便利なら活用すべきだろうが。



 



 しかし考えてみると水道光熱費が意外と馬鹿にならない。これらの魔結晶も1個で銀貨4枚だし、それこそ毎日風呂に入っていたら財布がスッカラカンになるぞ。



 こりゃあ風呂の頻度を減らすとか、発火能力で追い焚きとか考えなきゃな。




 さて……やっと買い物が終わった。もうすることもないので、我が家に帰るとするか。マオも歩き疲れたことだろうしな。








「──────さ、ここが今日からマオの暮らす家だ。」



「随分と大きいご自宅ですね。他に同居されている方は何人いらっしゃるんですか?」


「?俺とマオだけだよ。ああ、ベッド届いてるから中に運んで組み立てようか。マオも好きな部屋使っていいから。」



「……はい、かしこまりました。」




 超能力が使えれば楽なんだけど、仕方ないから自力だ。まあ頑張ろ!超能力がなくても体力には自信があるからな。






 ……すみません、調子乗ってました!


 こういう時は超能力の有り難みを痛感するね、うん。結局2階まで運ぶ気力が失せて、1階に置いといた。マオの分は組み立てたけど、俺の分はあとでだな。



 それからバッグの中身を整理すべく買った物を取り出し、マオにも手伝ってもらって食器棚や洋服ダンスなどにしまっていく。



 量が量だけに時間がかかったが、なんとか終わらせて時計を見ると晩ごはんの時間に差し掛かっていた。



「そろそろご飯にしようか。マオには明日から作ってもらうとして、今日は買った物があるからそれを食べよう。」


「はい、明日からはしっかり頑張ります!」



 うん、明日からマオの手料理が食べられるかと思うとテンション上がっちゃうね。



 テーブルに腰かけバッグからサンドイッチと紅茶?の入った皮袋を取り出し、食事を始める。



「「…………」」



 ────いや~食卓を沈黙が覆っているね。だって何を話したらいいか分からないもん!クラスメイト相手ならテキトーに昨日のテレビ番組とかの話題で場を繋げるけど、これからも一緒に過ごすならテキトーは不味い。



 超能力がバレないように人付き合いも最低限にしていたから、そのツケが回ってきたな。



 …ご趣味は?いや、これだとお見合いだ。かといって共通の話題もない。



「…あのご主人様、質問してもよろしいですか?」



「───!ああ、何でも聞いてくれ。」



「ご主人は冒険者との事でしたが、ランクはどうなっているのですか?家や奴隷を買うくらいですからシルバーかもしくはゴールドでは?」



「いや、まだブロンズだよ。だから心配しなくても難しい依頼にいきなり挑戦!……なんてしないから、安心して。」



「なるほどブロンズでしたか────ブロンズでこの羽振り、やはり……」


「ん?なにか言った?」



「いえ、なんでもありません。ご馳走さまでした、ではお風呂の準備をしてきます。」



「ああ、お願いね。そのまま入っていいから。」


「え、いやでも一番風呂はご主人様が入るべきでは?それに私は商館では3日に1回濡れた布で体を拭くだけでしたので、お湯を汚してしまいます。」



「いやいや、それなら尚更早く入ってきなさい!」


「は、はい……では頂きます。」






 やれやれ、遠慮しなくなるのはいつになることやら。しかしあの質問…ブロンズで今の羽振りはやはり変か。まあ冒険者としての収入以外の部分がおかしいことになってるからな。



 ……うん、明日からはちゃんと依頼を請けてランク上げを目標に頑張りますかな。毎日コツコツ依頼をこなしていればそのうち上がれるだろう、多分。



 ついでに明日行った時に目安も聞いておこう。ランクの種類が3種類しかないから1つ上がるのにも時間がかかるのだろうしな。




 ───明日といえば、今度はどんな超能力が増えるかな?



 増える超能力は規則性も俺の希望も無視する。


 なぜなら父親の持っている瞬間移動は渇望しながらもまだ手に入っていないからだ。母親の持つ発火能力が発現した時は次は瞬間移動か!なんて思ったが、それから半年後に増えた超能力は瞬間移動にかすりもしていないクソ能力だった。



 今度こそは瞬間移動が手に入るか。てか入れよ。




 そうやって色々な思惑を抱きながらソファに寝転がっていると、マオが風呂から上がりバスタオル姿で出てきた。濡れた髪と火照った体が凄く色っぽいな。



「ご主人、お風呂頂きました。」



「う、うん分かった。じゃあ明日はギルドで依頼受けるから、しっかり体を休めておいてね、おやすみ。」



「……はい、おやすみなさいませ。」





 いやーもし今性欲の抑えが利いていない状態だったら確実に襲ってたね。いくら性奴隷としても利用出来るよ、だなんていっても初日にするのはなんか焦ってる気がして駄目だよな。



 ……あとに回したところで今度はタイミング掴めない気がしないでもないけど。仕方無いよね、こちとらDTだからね。しかも恋愛経験0のピュアボーイだからね。



 まあそのうち……雰囲気が良くなったら……だな。──アレ?性奴隷ってそんなもんだっけ?



 考えるのが面倒になってきた……いやほら、マオの本来の目的はメイドさんだし。性奴隷とかイレギュラーな訳だから、気にしない方がいいよね。



 ……と、いうわけで超能力者だからと言って簡単には解決しない問題は置いといて!久方ぶりの湯船に浸かるとしますか。一週間近く入ってなかったから格別だろう。風呂は命の洗濯だ。



 さっぱりすれば少し硬めのソファでもぐっすり眠れるよね。まあ明日になったらベッド組み立てるから今日だけの辛抱だ。




次回、マオの過去編。


マオが奴隷になってから、

今話までの流れをマオ視点でお送りします。


少し手こずりそうですが、

頑張ります。



それと報告です。


これまでは4~5日おきの更新でしたが、

2月末くらいまで忙しくなりそうなので

週1の更新になると思います、すみません。


いやほんと、面倒事が重なってまして…

仕事とか仕事とか仕事とか。


3月からは本気だします。


では1週間後、お会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ