魔王は本の世界から来たそうです
「よーし今日は錬金術の有用性について話そうか」
まあ、こんな感じで始まった授業だったが、
いきなり女の子がドアを開けて
「あの…すみませんツル=ハサイと言う人はこのクラスに居ますか?」
少し間を空けて鶴は手を挙げた。そして
「俺だよ」
と言って微笑んだ
すると、教室に来た女の子が顔を真っ赤にして、さらに
教室のクラスメイトがそれを見て琴音も含めて顔を真っ赤にした
「で、どうしたんですか?」
「あ、ああそうでした…貴方は生徒会に興味はありませんか?」
「いや、入る気は更々ないよ。だって俺よりも優秀な人がこの学園には沢山居るんだからその人達に頼めば?」
鶴は興味がないと言うことが分かりやすいようにやる気の無いような格好をする
「いや、あの…学年首席は必ず生徒会に参加して貰わないと困るんです」
「いや…琴音の師事の事もあるし、俺が独自に作っている物もあるからな…」
「そ、そこを何とか!」
「じゃあ合間を見て顔を出せば良い?」
「それだけだとちょっと…あ!そうだ!ツルさんのお部屋を生徒会の余っている部屋に移しちゃいましょう!」
「…え?」
まあ、そんな訳でやってきました生徒会室……………
「まあ、もう遅いんだろうな」
「はい!もう手遅れです!」
授業はこの後少しだけ聞けたが、もう時すでに遅かった
時間は進み
昼のご飯でも食べようかと思って鶴は食堂に居た
「うーん…良い料理が無いな〜…」
鶴が歩いていると、約十五メートル離れている人が
鶴をつけている事に気付いた
「…外に出るか」
その人は外に出ても追って来た
人が少なくなりほぼその人と鶴だけの状態で
「貴方は誰ですか?」
すると女の子が出てきて
「私は生徒会会計係のリリス=バーウィンと言います。以後お見知り置きをツル=ハサイさん」
「会計係、ねえ…じゃあさ俺の役職は何なの?」
「えっと…確か会長だった気がしますね」
「え〜俺の勘違いだったら良いんだけど、会長?」
「はい」
「なんで?」
「え?だってさっき運ばれていた部屋は会長室の物置部屋でしたよね?」
「え、本気?」
「はい。マジです」
「ハァ〜〜」
鶴は諦めて教室に戻ろうとした時ーー
ドカァァァァン!!!!
「うおっと」
「きゃ!」
突然、王都が激しい揺れに見舞われた。そして、
『この学園に居る覇才 鶴に告げる。至急広場に来ることを要求。もう一度繰り返す。至急広場に来ることを要求
さもなくば王都を破壊する』
「ったくなんだよいきなり」
「え、え、大丈夫なんですか?!いまの!」
「まあ、行ってくるよ」
すると鶴は空を飛んで広場に向かった
鶴が上から見ていると、王都は騒然としていた
兵士は学園へ、民は王都の地下にあるシェルターのような所へ、商人は王都の外へ、生徒は全員校内へ、
しかし、ただ一人の男だけが残っていた。その男は頭からツノが生えていて、まるで魔王のイメージをそのまま現実に出したような格好だった
「ふははは!我は魔王デス=バサマだ!魔神ガースナー様に見出され本の中から生まれし最強の魔王だ!
汝が覇才 鶴か?」
「ああ、そうだが?」
「ならば!」
魔王はジャンプして俺に近づき、
ーざしゅ
魔王が斬りかかってきた
鶴は何もせずにただただ魔王の太刀筋を観ていた。
そう、ただ何もせずに観ていたのだ
「っ!?どういう事だ!?」
「こういうことだよ!」
鶴は光魔法を応用してあたかもそこにいるかのように見せる魔法を使ったのだ
「覇才流刀術中伝【不可視斬り】」
この技は簡単に言うと刀にはある一定の角度になると、地面が灰色の場合視えなくなる事がある。そのまま斬りかかる簡単な技に見えなくも無い、がかなり難しい
難易度的に言うと中の上並だ
「ぐはぁ!」
魔王は死にましたとさ
「はあ、うるせえ奴だったな…」
鶴は一人呟いた
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sideガースナー
ガースナーは怒っていた決して負けたことでは無い。
だが
(くそ、くそ!私が主犯と言う事が分かっちゃったじゃない!あのアホ魔王!)
同刻ガースナーは呟いた




