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第一話のことば

・鮎川尭史【登場人物】

 オタク。の前に主人公。18歳の大学一回生。

 イメージカラーは濃紺と金。イメージソングは藍坊主の「未知の道の道」。


 たぶん幕張とかそっちの方に住んでて、実家から都内の大学に通っている。

 総武線に乗っては毎日のようにオタクバラで下車している。うらやましい。

 TCGの経験はすでに十年以上。SNoWは黎明期から続けているベテラン。

 強さのほどは、この地点では明らかになっていない。でもきっと強い。


 後々になって示されることでもあるんだけど、彼はあまり両親の愛をしっかりと受けていない。

 じゃあ愛に飢えてるのかというとそういうことでもない。彼には(概ねTCGを通して得た)数多くの友人もいるし、仲の良い妹もいる。異性として気になる人だって何人かいる(いた)。


 そういうわけで、人柄としては朗らかでもないし、爽やかでもない。けれど人付き合いは割とそつなくこなす。TCGのスキルはもちろんのこと、デッキ構築やメタ調査から得た理論的思考や情報収集力までも、隣人の為に活かしたりする。なんだかんだいって人望がある方でもある。

 ただ、両親の不平等・不安定な愛ゆえに扁桃体が未熟なフシがある。突発的なストレスに対する耐性の低さが、ときどき露呈する。医者に掴みかかったりするのは、そうした面の表れだ。

 とはいえ冷静になれば地頭の良さで割と要領よくこなす、割とオーソドックスな主人公でもある。決して万能な「俺TUEE」タイプの男ではないけれど、イマドキ居そうな若者として見てもらいたい。



・オタク【その他】

 本作の登場人物はだいたいこれ。

 だいたいさあ、いい歳こいてカード箱買いしてるヤツをオタクと呼ばずなんと呼ぶ。てな感じで開き直っている。もちろん作者もオタクだよ。箱買いするもん。

 ここでいうオタクは尭史の定義に準じているので、一般的な用例のように、「アニメやゲームが好きな人」を指すわけではない。

 まあ、だからなんだって話だし。そもそも嫌いなオタクは本作には出てこないし。アニメ嫌いな人がTCGやることは無いと思うけど。



・SNoW【SNoW用語】

 本編でオタクたちが熱くなってるTCG。相当コアで本格的な作りになっているんだとか。

 SNoWというのは “Soul's Nation Of the Warlock” の略。製作会社による公式日本語訳は「創世導師の生魔霊群」。無論、とんでもない意訳がかかっている。

 ちなみに本編でSNoWとS.N.o.W.とで表記揺れが起きているが、特に意味はない。作者がズボラなだけである。


 その特徴はいくつかあるが、一例としては「やたら背景ストーリーを作り込んでいる」「賞金制大会アリ」「TCGとは関係なさそうな分野のファンを取り込むことに熱心」などがある。

 ゲームバランスの面では「バウンスの有用性が高い」「スーサイド戦法の有用性も高い」「ハンドアドバンテージがボードアドバンテージと同義になりうるルールが存在する」「レギュレーション分割あり」など。

 これ以上はネタバレになるので略。



・鮎川伊奈【登場人物】

 かわいいかわいい尭史の妹。絵を描くオタクだけどSNoWは詳しくない。

 生まれつき身体が弱く、だいぶ前から通院生活。一年ほど前からは入院生活になり、さらには余命宣告を受けることに。幸せになれ。


 大会が始まると一気に影が薄くなる子ということもあって、イメージは特にない。

 正直なところ、年齢さえ不明である。なんとなく幼そうではあるけど、意外と高校一年くらいなのかもしれない。

 お読みになった方一人一人の、最もテンション上がる年齢だと考えて頂ければ。



・聖染繕いの騎士団【SNoW用語】

 SNoWのナンバリング拡張パック、十六番目のやつ。

 15弾とともに、第1, 2弾の舞台となった「ティリオン大陸」における数十年後の戦いを描いている。

 主要人物は1, 2弾の人物の子どもたちが多い。

 ガンダム的にいえば、1, 2弾が「強いられてるんだ」編。15, 16弾が「スーパーパイロット」編である。「モウヤメヨウヨ」編はまだない。


 さて。作中で尭史が安く購入していたのは、16弾のカードが弱かったからではない(使い辛いカードは非常に多いが)。

 というのは、13, 14弾での商業的失敗に端を発する。


 この時期のパックはとある理由でコケており、ユーザーが一時的に減少した。

 開発部は離れたプレイヤーを戻す為、15, 16弾は最初期の続編とすることにした。

 初期プレイヤーの回顧心を煽り、復帰を狙ったのである。

 往年のゲームリメイクと同じ発想だと考えてもらえれば判りやすいだろうか。


 この戦略は大局的には成功した。

 だが、一部の国や地域ではプレイヤーが戻ることはなかった。

 苦悩の末、開発部は、そうした場所での商業展開を停止した。

 結果、その地域においては、15, 16弾は不良在庫と化してしまったのである。

 それも大量の。


 他方、SNoWの活発な地域においては、15, 16弾は根強い人気がある。

 そのため、数年がかりでそのことに気づいた者、あるいは不良在庫としてくすぶっているのを見つけた余所者が、これをネット通販に横流しすることがある。

 尭史が手に入れたのも、そうした経緯に依る。


 なので、第一話で尭史が開封しているボックスは、実は外国語版である。

 もちろんジェローナのテキストも日本語ではない。日本語版はとっくに売り切れている。

 付け加えるなら、「値崩れを起こしている」というのは「プレミアついた日本版に比べれば遙かに安い」という意味であって、たぶん定価より高い。


 さて。そんな「聖染繕いの騎士団」のキャッチコピーは、「騎士(Knights)( VS )騎士(Chevaliers)」。

 聖クィールや剣豪オルギンらが設立し、一時堕落した聖染騎士団と、聖染騎士団が奪った土地や神器の奪還を目論む神繕騎士団との、全面戦争が描かれている。

 テーマは他の「ティリオン」が舞台のものと同じく「騎士(道)」。また15弾に引き続き、「二つの勢力の対立」「白赤及び黒緑における色の役割の混同」。

 1弾に対する15弾のように、2弾から再録・リメイクされた関連カードも数多く収録されている。


 新規キーワード能力は布教。指定されたプログレに、神繕の種族を追加する。神繕陣営の専用能力である。また、騎士道も久しぶりの復活を遂げている。

 新規能力語は宣誓。タイムラグはあるものの、状況に応じた効果の使い分けが可能である。こちらは(第二期)聖染陣営専用。



・生地の薄い手袋【その他】

 だいたい想像がつくだろうが、手の脂がついたりしないようにするための処置である。

 高額なプレミアがついたパックを開封する際には、実際にこうした用具を使うことが多い。

 とはいえ普通にプレイする分には、あまり出番はない。もし作者が同じ立場なら、絶対こんな面倒なものは使わない。尭史のカード愛が伝わる道具。



・スリーブ【TCG用語】

 カードを保護するための、代表的な道具。フィルムのようなもの。

 ただの袋ではあるが、侮るなかれ。あるとないとでは傷への耐性がまるで違う。

 種類も豊富。シャッフルしやすい質感を研究されたものもあるし、アニメやゲームのキャラが描かれたものもある。スリーブ自体を保護するスリーブもあるし、スリーブを保護するスリーブを保護する……とかもあってわけがわからないよ。

 ま、ただの袋なんだけど。


 ちなみに三話の最後でスリーブの価値について軽く触れているが、実際大した値段ではない。

 最安レベルの無色透明なモノで一枚一円程度。

 アニメやゲームのプリントがされたものでも、60枚で千円しない。

 一部のプレミアついたものは除くけど。



・バカードゲーマー【その他】

 オタク以上のオタク。ガチオタク。



・流星映す剣聖、ジェローナ・メイル【SNoWカード】

 (※登場人物としてのジェローナは次回参照)


フォアフロント――人間 / 聖染騎士

 解放3(魔力カウンターを三つ取り除く)、あなたがコントロールするプログレを一体生贄に捧げる; 生け贄がもつ種族を一つ宣言する。宣言された種族をもつフィールド上のプログレをすべてゲームから追放する。

 解放8; BP7000以下かつHR4以下のプログレ一体を対象とする。ターン終了時まで、あなたはそのコントロールを得る。そのプログレをステディする。それは鋭敏を得る。この効果は自分のメインフェイズにしか使用できない。

 解放X+X; 魔力カウンターをX個、ライフゾーンに戻す。

LP30


 16弾のスーパーレア及び、第二期聖染騎士団を代表するフォアフロント。かのオルギン・メイルの愛娘が成長し、最終決戦へ向かわんとする姿である。三つの能力はすべて解放(魔力消費)型で、限定的除去、コントロール奪取、ライフゲイン。


 第一効果は種族指定の除去。追放なので復活を許さない。

 しかもFFの除去効果としては、魔力カウンターの消費が最少レベルである。

 その代わり生贄を要求する上、生贄と同じ種族のプログレしか除去できない。

 第二効果と同時に使えば種族の問題をやや緩和できるが、それだと合計11個の魔力が必要になる。二体除去したいだけであれば、他のFFを使った方が効率的だろう(もっともそれらの除去は破壊処理であり、追放処理ではないが)。

 そもそも多種族のデッキ相手だと同じ種族のプログレが二体以上並ぶことが少なく、腐りやすい(効果が出にくい)

 場合によっては決め手となりうる能力だが、どちらかというと「発動を匂わせることで相手のプログレの展開を抑止する」ことに強みがあるタイプ。


 第二効果は一時的なコントロール奪取。

 同様の器具魔法と同じように、一時的にプログレを排除して逆に利用するという使い方がよい。先述のように第一効果と組み合わせるのも良いだろう。ただしそれだと、どうしても魔力効率の悪さが目につく。そのため生贄に捧げる手段を用意できるとさらに強力。

 BP7000以下かつHR4以下というのはかなり範囲が広く、コスト4以下のプログレの大多数がこれに該当する。そうしたプログレを一切しないデッキは珍しいため、ほとんどの試合で一定の対価が得られる。


 第三効果はライフゲイン。

 回復特化のFFに比べると決して高い魔力効率ではない。だが他に二つの能力を持ち、かつLP30のFFとしては破格の性能である。高速ビートダウン相手にはとりあえずこの能力を使い続けるだけでも相当有利に戦えるだろう。


 第一・第二効果は中速ミッドレンジや低速の種族デッキ、第三効果は高速デッキと、相手に合わせて効果を使い分けられるのが強み。総じてコントロール向けの性能といえる。

 ただしいずれの能力も、それに特化したFFに劣ることは難点。また、多種族の低速デッキ、第二効果範囲外のプログレばかりが詰まったFmランプ(Ramp)、プログレのいないデッキ(ドロー・ゴーや一部のデッキ破壊アウトなど)、追放耐性のあるプログレを採用したクロック・パーミッションなどには有効な手立てがない。それ以外はともかく、ランプは使用者が多いため、少なくともサイドボードを使った対策を心掛けたい。

 このように弱点はハッキリしているが、しっかりとメタを読み、それらが居ない環境で使用すれば、大活躍することは請け合いである。

 またコントロール用FFとしてはカード・アドバンテージが得づらいため、難易度も高い。大会で好成績を残しているからといって闇雲に使用すると、泣きを見ることになる。


 初登場時には器用貧乏と称され、目立った活躍はしていなかった。せいぜいブロック構築において、アグロ対策を厚くした赤白青コントロールでまれに採用される程度に留まっていた。

 しかし、復活のティリオン・ブロックがローテーション落ちしてしばらく経ってから、評価が徐々に上昇。主な原因は多種族生物の増加、23, 24弾におけるコピー能力の強化、27, 29弾における生贄要求カードの多様化である。これらにより第一、第二効果の汎用性が高まり、29弾環境後半以降はエキスパート構築のメタに食い込むようになった。

 その後公式サイトで行われた「エキスパート・セレクション3 再録希望カード投票」においては堂々の一位を獲得し、再販売が決定。にも関わらず未だ高額で取引される、まさに大器晩成を体現した一枚といえる。

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