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セカンド・ブラック  作者: 陽炎煙羅
一章 
13/14

和なきて、動き出す…3

 放課後。


 何故だろうか。

 なんでなのだろうか。


 誰か理由を教えてくれ。


 なんで、どうして俺は今、あの蒼い転校生に詰め寄られているんだ!?


――――――――――――――――――――。

 始まり……と言えるのか。


 昼休憩の間に席を離れ、功と共に訓練棟でだべっていたのだが。

 昼休憩が終わって、軍事訓練の方に行こうと思っていたのだが、その際に机の中にあった、一枚の手紙。


『青崎海土那です。若槻燈也さん。お暇がございましたら、今日の放課後、学習棟の屋上に来ていただけませんか?』


 ……うーむ。

 何だこれは。ラブレターの類には、見えない。

 とすると、何か……俺をにらんでいた事と関係があるのだろうか。


「なーに、つっきー。その紙」

「……いや、何でもない」

「ふーん……。何かあったら言ってね。何だか今のつっきー、トラブルの匂いがするよぉ~」

 幸先悪い事言うなよ。

 お前はエスパーか。


――――――――――――――――――――。


 とまあ、回想終了。

 つまり、俺は今、蒼い髪の転校生に呼び出され、屋上にいるのだが。


 今、一言。

 「なぜだ」と叫びたい。


「若槻燈也さん。あなた、竜を知ってるよね?」

 開口一番、青崎はこう言った。


 竜を……知っている?


 どういうことだろうか。


「どういう意味だ? 転校生」

「……意味が分からない? なら言うよ。あなたは、最近竜と接触したよね。それも、かなり至近距離で」


 …………。

 わからんな。全く意味が分からない。

「……ああ、そうか。“竜”に直接・・会った訳じゃないのか。……いや、気付いてないのかな?」


「どういうことだ? 竜ってのは……あれだろ? 襲撃者、人類の天敵の……」

「そう。あなたは気を付けた方がいいよ。知らないうちに、あなたは竜と深く接触している」

 ……どういうことだ?


 竜といったって、あの竜だろ?

 巨大な体躯。牙、角、爪。

 出会ったら、街はパニックだ。


 なのに、俺がその竜と深くかかわっている?


 意味が分からない。こいつの頭がどうかしてるのか?


「分からなくても仕方ないわよ。まあ、それだけ関わっても死んでないってことは、多分竜はあなたに敵意を抱いているわけじゃないようね。でも、気をつけるに越したことはないわ」

「さっきから何を言ってるんだ? お前は。俺は竜に会ったことも直接出会ったことも無い。世迷言はよしてくれ。迷惑だ!」


 俺はそう言い放ち、屋上を後にした。


 だがやはり、俺はよく後悔するタチらしい。

 その言葉をよく聞いておけばよかったと、俺は、すぐに後悔することになるのだった……。

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