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セカンド・ブラック  作者: 陽炎煙羅
一章 
12/14

和なきて、動き出す…2

 朝、8時30分。

 朝のホームルーム。


「ほら、つっきー起きて」

「ああ……。そういえば転校生がどうとか……」

 眠気まなこをさすりながら答える。


 見ると、隣の席で皐月が頬を膨らませていた。……おお、これはデジャヴだ。

 確か学校に行く前、十六夜も似たような表情をしていた。


「もう、つっきー、転校生が来るんだよ! こんな体験、今の時代じゃ私たちくらいしかできないんだよ! わくわくしようよ!」

 あー、お前は元気だなー。

 今日も平和で何よりだ。


「もおー。低テンションだなあ。……あ、先生来たよ」

 がらがら、と典型的な音を立ててドアが空き、いかつい顔の担任教師が教室に入ってきた。


 続く、水色。


 ……水色?


「あー。お前ら、今日からこの西部軍事学校の高等部に転校してくる……えーと、自己紹介を」


 そう、先生が隣に立つ少女に促した。

「青崎海土那(あまな)です。よろしくお願いします」

 そう言うと、水色の髪を持った少女はぺこりとお辞儀をする。


 蒼い……髪だと!?

「すごいねー、染めてるのかな」

「いや、地毛のようだぞ」

 まゆ毛やまつ毛も同じ色をしている。


 おそらくあの青色は……元からの物。


 まあ、珍しい事ではない。むしろ、その程度の“変化”で済んでいることの方が珍しい。


 竜の襲撃。

 それは生態系を大きく変化させた。

 なにも、それが動物たちに限ったことではない。


 無論、生き残った人間の中でも、核や兵器、竜の力の効果を色濃く残したものがいたのだ。

 影響。

 理由すらも分からない、変化。


 それでも、いい。よかった。

 なぜなら、責任は人類の天敵、“竜”にあるから。

 すべてをそれに当て、それを憎み、恨む。


「わからないことも多いですが、よろしくお願いします」

 クラスがざわめく。


 あちこちから、声が聞こえる。

 “変化”のこと。それを差し置いても、吊り目の少女はそこそこの美少女だった。


 少女が歩き、生徒たちの間を通って行く。


「…………」

 ……ん?


 今、確かにあの転校生、こっちをにらんだような……。


「……気のせいか」

「何がー?」

「いや……何でもない」


 なんだよな、ほんと。

 また、別の意味で災難の予感がするような……。

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