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love oblivion


ギターを始めたのはいつ頃だったか、

そんなに遅くはなかった。


たしか中学三年の初めに、

お年玉で六万かけて一式を揃えた。


周りでやってた奴が多かったってのもあるが、

slipknotみたいになりたいって思ったのが最初だ。


ヘビメタやデスメタ、ハードロックが私は好きで、その中でもギターが一番カッコイイと思った。

ズンズンと曲線を沿り、盛り上げから最後まで常に主役なそんな目立つ楽器。


それと同じくらいベースも好きだった。

ベースの存在がなければ曲に重圧は生まれない、

だからこそやりたいとは思っていた。

しかし…どちらも買うお金はなかった。


買ったのはYAMAHAのストラトギター、

今も弾いている愛ギターだ。


最初ネックを握った時、

嗅いだことのない、

ギター弦の香りが背筋をなぞった。


やっと出来るんだと、

感慨深くて泣きそうにもなった。


ギターを買うまで、

ずっとエアギターや適当な金棒を使って弾く振りをして自分を慰めていたからこそ、

本物がこの手にある実感が感動を読んだ。


ギターを触って初めて思ったのは、

”どうやったら早弾きできるかな“だった。

一番弾きたいと思っていたのはslipnotのcuster

ヘドバンを誘発するおっかない曲だ。


だが私はギターTABを見て、弾いて、

現実を知った。


音が違うのだ。

なんとなく弾くことは分かったのだが…

だが、私のアンプであるSmithはどう摘んでも、

あの歪んだ音にしてくれないのだ。

(チューニングも違った)


まだ始めたばかりでエフェクターを知らない私は自分が下手だから違うんだと思います、

とにかくギター初心者の動画を見漁った。

(萩原悠のギター教室という

Youtubeチャンネルがおすすめです)


そしてギター初心者用の基礎知識だけを頭に軽く入れて、

私はずっとピッキングばかりしている。


コード弾きも楽しいが、やはり指と指を高速で入れ替えていくあの感覚が堪らない。


正直早弾きやピッキングハーモニクス、

タッピングは今でも出来ないが、

今のままでも楽しくはギターを弾けている。


そして現在の私のギターライフに辿りついた。

沢山の曲を弾いたが、忘れてしまうので、

いつも弾けるのはその時にやっている曲だけという鶏ギタリストだが、

わたしは本当にギターを楽しんでいる。


だが、ただ一つ、難点があった。


それは、見せ場がないということ。


見せれるような腕はしていないが、

一人で田舎で閉じ篭ってやるには、

あまりにも明るすぎる。


まるで、自分の短所を写すブルーライトみたいに、ギターはひたすらに光って、

私に焦燥感を与える。


ライブや何かは、やれるものならやってみたいが、金も人もない私には現状不可能だ。


今出来るのは一人で弾いて、

ネットに上げるくらいだ。

それも友達だけが見れるツールで。


弾くことが精一杯で、

音に殺させれそうになり、

私にはまだ早かったのかとは、

少しだけ思ったこともある。


だが、


“楽しい”とそう思えるだけで、

やって良かったという気持ちが上回った。


そして五ヶ月前、

メタルゾーンというエフェクターを買った。


いつもはメタルの音を出すために、

Smithのアンプで何とか響かせれないかと、

試行錯誤したものだったが、

その考えは、あの小さな機械に打ち消された。


シールドを指した瞬間、

とてもつもない音圧が私のギターから溢れた。

こんな音は聞いた事がなかった。


少し触るだけで、

倍音が何かの演奏の様に響き、

更には体の中に入ってゆく様なディストーションが、私のギターを今までとは別物にした。


この時の感想はこうだ。


“ヤバかった”


薄っぺらいが、この言葉はメタルゾーンを使ったものにしか分からない。


画して私は、遂にメタルを弾くことを、

音に許されたのだ。


これでやっと、

弾きたいものを弾きたい様に弾ける、

そう思ったんだ。


しかし、また壁が現れる。

それはさっきも語った、

ピッキングハーモニクスだ。


あれはいつまで経っても出来やしない。

ライトタッピングやゆっくりとした早弾きなら少しずつ習得できたが、

あれだけはいくらやっても分からない。


だからといって捨てたり、

弱いチョーキングに逃げたりは出来なかった。


ナチュラルハーモニクスの原理とはまた別物だし、そもそもあれを演奏中に出来るとは到底思わない。


今も出来そうにないが、

いずれやれる様になってやる。


私がギターを初めてもう三年近く経つが、

未だに上手いと呼べる演奏は出来ないし、

まだ人に見せれるレベルじゃない。


ミスも多くて、焦ってリズムが崩れ、

見るに耐えないことばっかりだ。


だが辞める事は絶対にない。


なぜなら、


ギター下手だろうが上手だろうが、

旋律に乗って、思いどうりに出来た時、

感じたことのない高揚感と快感に包まれ、

人は、楽器に恋するんだ。


そして、わたしはその一人なんだ。



少しでもこれで楽器に興味が生まれた人がいれば幸いです。

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