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明日はまだ見ぬ空模様  作者: 東陸士
二章 『不朽の都』
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第四十六話 『日輪の円卓』

「アイダさん、先ほどの……ゼラさんとは、どういうご関係なのですか……?」

ああ、とアイダは生返事をした。

「学園時代の同級生だよ。あいつは座学がいつも一番で、あたしらはいつも、その頭脳を先生代わりにして、難儀な課題とかを誤魔化してたってワケ」

わあ、とアリシアは目を耀(かがや)かせた。

「辰術を学ぶための王立学園……聞いたことがあります。私も行ってみたいなあ」

その言葉を聞いたアイダは、分かってないな、と苦笑を浮かべた。

「やめとけやめとけ。カビの生えかけた古臭い講堂で、歳だけくった退屈な教授の講義なんて聞いたって…ってアリシアは、そういうのが好きなんだったか」

退屈なのが好きな訳じゃ、と小さく言ったものの、アリシアはそれでも、興味を隠せないようだった。

「アイダさんは何を専攻されたんですか?辰術にも色々ありますよね……」

言わなかったっけ、とアイダは空とぼけた。

「火だよ、火。手っ取り早くて効果抜群、だからな。まあ、尤も……」

アイダは何か言いかけたが、その時ふとすれ違った”巡賛会(ルーゴス)”会員の顔を見て、珍しくも押し黙ってしまった。

「……?どうかされましたか、アイダさん?」

アリシアが不思議そうに、彼女の顔を上目遣いに覗き込んだ。

「いや、ちょっとね。それより、医務局の次はどこに行くと思う、アリシア」

「え?……そうですね……」

アリシアがはぐらかされて考え込んでいる内にも、二人は”明日見の宮(エル・ザンド)”の廊下をずんずん歩いて行く。

「月の女神の加護の、”慈愛”の側面を切り取って……と、ゼラさんはおっしゃっていました。だから……分かった!」

「ふぅん。さすがに頭が回るね、アリシア。言ってみて」

少女は僅か、期待に目を耀かせて、己の導き出した答えを述べた。

「確か、”巡賛会”にはこういう名前の、大魔女への対処を一手に引き受ける、自立した部署があると、メルバーユ様から聞いたことがあります。……恐らく、なのですが……”日輪の円卓”じゃあないですか……?」

今度二人が辿り着いた扉のプレートには果たして、”日輪の円卓”という文字が、克明に刻まれていた。


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