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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ある兵器

作者: 聖さとる

敵国が開発したというある兵器のウワサを私の小隊でもよく耳にするようになった。

その兵器は戦局を変えるほどの力があるらしい。

しかし、その兵器は人を殺めない、むしろ人を助けるものであるとのウワサだった。

しかし一方で、その兵器に関わった者は無事ではすまない。その兵器の手にかかった者は廃人のようになってしまうとも聞く。

以前その兵器の破壊の任を受けていた同僚は敵から返された際、右腕と両足がなくなり黒髪は真っ白になり、言葉を発することが出来なくなってしまっていた。


同僚の任を継ぎ、兵器を密かに破壊するよう命じられた私は若干の仲間と共に出陣した。

潜入するまでは容易であったが、敵の数が多い。見つからずに兵器があるとされる部屋まで辿り着けるか、、、


「貴様ら何者だ!」


敵衛兵に見つかったようだ。とっさに拳銃を構え、敵の眉間を狙い引き金を引いた。が、弾は出ない。

動揺する私たち。その間に仲間の胸に敵が放ったボウガンの矢がささる。あれはもう助からない。一旦引くしかない。

迷路のような通路を何度も曲がり、敵をまいたつもりだったが地の利は向こうにある。数多くの敵が待ち受ける広間のような所にに追い詰められてしまった。

これまでか、、、

任務の失敗を悟った私は少しでも敵に被害を与えるべく、体に巻いていたダイナマイトに着火を試みた。

が、火がつかない。

投石器から放たれた石が四方八方から飛んでくる。

なすすべなく私は全身に石を受け、気を失った。



目を覚ますと、体は椅子に括り付けられ両手両足は縛られていた。全く身動きが取れない。

私と向かい合うように椅子が置いてあり、そこに中年の男が座っていた。男は私の意識が戻ったことに気がつくと、椅子の横にある机の上からペンチを取り出した。

拷問なんかで情報を敵に渡す訳にはいかない。

捕まるくらいなら自爆した方がマシだとダイナマイトを仕込んでいたのに、火薬が機能しなかった。そもそも火がつかないなんてことがあるのか。とすれば、

「お前らの兵器の正体は、、、火を無効化するものなんだな、、、」


「そう、兵器の影響範囲内では発火ができないのだ。お陰で銃火器は使用出来ないがね。しかし、特攻・自爆といったことはさせない。火を使えない人類など取るに足らない。さぁ始めようか。」


無力な者に対して人はとことん残虐である。


40時間以上激痛と悪意に晒された私はもう一言も発することができなくなっていた。

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