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7話 なんで、なんで?

 リネットの膝枕で目を覚ました。

 倒れた原因は検証の結果、無意識のテイムだろうと見当をつけた。

 ダオモとリネットの協力のもと慣れれば無意識のテイムはしないようになった。

 魔素の濃い環境もよかったのかもしれない。


 み~んな友達みたいな無差別なスキルでなくなって助かった。

 あとはこの魔眼が人に影響しなければ、影響しても制御できれば安心して過ごしていける。


 クーアンでは魔眼やテイムについて踏み込んだ資料は見つからなかった。

 家の一族は金があって公共施設にも力を入れているが、図書館は広く浅くの収集だった。

 突っ込んだ資料は、知りたい人が申請して初めて集めるっていう感じだ。


 家族に相談もしたが、一族でも発現したのは初だったらしく、これから資料を収集するそうだ。


 ☆ ☆ ☆


「なんで、なんで?信じらんない。今までのより美味しいよ!んっっふ~!!」


 リネットは悶えている。

 護衛の二人もバタバタしている。

 全員はしたない声も態度も隠せない。


「ああ、これは最上級品。もてなし用で賓客の滞在最終日に出すものな」


「まじ何度も食べてるけど、他では食べれないよな」


 ダオモもバケーションの最終日は最上級肉がでるのを知っているからしれっと食べに来ている。ご馳走だものね分かるよ。


 家族も恒例の反応に満足げな表情をしている。

 ご先祖様感謝感謝。


 クーアンでも最上級の熟成肉。

 どや顔で言ったが一族の努力の結晶なのは承知している。

 これ食べれるのはクーアンを出れば王宮の王族くらいだ。


「その反応が見たくて最終日に出してるんだよ」


「もう。いじわるね」


「まあ。最初に食べたらそれからが色褪せちゃうだろ?初日に出しても連日は出せないからな」


「そうね。ああ。初日も今までで一番美味しいと思ったけど、これは次元が違うわね」


「ムンガンカーの商会では初日のクラスも、このクラスの肉も売ってないし、外では王宮以外では食べらないからな」


「えっ王宮?」


「そう献上品。初日のじゃなくてこっちが王宮に献上されるクラスの肉」


「そうよね。これほどだもの」


 うっとりと味わってる姿は作り手側としては嬉しい。

 美形のリネットの悩ましい表情はいつにも増して魅力的なのは困るが。


 あっデレてる親父がお袋に抓られている。


 最上級品の提供記録にはリネットの生家バートラ子爵家の名前はなかったので、リネットが拡散してくれるはずだ。


 ☆ ☆ ☆


 バケーションも終わって学院に戻った。


 帰りもリネットは正装だったが、綺麗すぎて心臓によくない。

 飛空艇乗り場へリネットを出迎えに上がった一団にも驚いたが

 持たせた熟成肉の手土産(初日のクラス)はバートラ子爵家で大絶賛されたようだ。


 熟成肉は一族の努力の結晶で武器の一つ、素直に鼻が高い。

 リネット達の反応から想像すれば、きっと上顧客になってくれるに違いない。


 ☆ ☆ ☆


 教官は聞けば答えてくれるが、甘やかすような積極的な指導はない。

 

 学院生でテイムのスキルが発現したのは数年前でその時の記録を見せてもらうことができた。

 というか図書館に資料がしっかりとあった。

 『学院で発現したテイムの記録』や『スキルテイムに関する考察』なんてものもあった。

 シルバとの出会いに浮かれてろくに調べもしなかった俺が悪いんだ。


 また後手に回ったと独り言ちる。


 記録では俺の想像していたテイム像が書かれていた。


 知らなかったことは、やはりテイムした魔獣が倒されたらフィードバックがあること。

 魔獣との繋がりの深度によってフィードバックの強さも違ってくるらしい。

 深度が浅いとチクッと刺されるような感覚で深いと命にかかわるらしい。


 俺のは深度が深めだったのだろう。

 この資料を持って教官にフィードバックを行う。


 ☆ ☆ ☆


 きっかけはシルバだった。

 シルバが珍しく今まで関わっていなかった女子の所に行っているのに気が付いた。


(珍しいな)


 としか思っていなかったが、俺の肩に戻ったシルバがその子をよく見るようになった。

 俺とは接点がないパーティーの子。

 名前はなんだったか?

 う~ん。


「なぁダオモ。あの子ってだれだっけ?」


「ああぁだれだ?」


「あの緑髪のボブカット」


「リューシュか?なんだ行ってみるか?いけるんじゃね?」


 あっそうだったリューシュだ。


「いや行かねーよ」


 苦笑いする。


「なんかシルバが気にしてるみたいでさ、で名前覚えてなかったんだ」


「ひでーな。クラスの女の名前は憶えろよ」


 女はあんま興味なかったからな。

 でもシルバはなんだってリューシュに絡んでたんだ?


 俺もジィーっと見てみる。

 彼女は落ち着きなくソワソワしだした。


 なんだろな?さっぱりわからん。


 スパコーン


 後ろから引っ叩かれた。

 リネットが教本丸めて持っている。


「レオっ!あんたなに色目使ってるのよ!」

 

「えっ?い?い、いやシルバが・・・あれ?シルバさん?」


シルバはいつの間にかリネットの肩に移っている。


「シルバに誘われて来てみたらなによ!」


えっなにそれ冤罪?


「誘われた?」


「そうよ!」


 う~んシルバなにそれ!


「まあリネットそうプリプリすんなよ」


 ダオモ~!ナイス!


「いや、聞いてくれよ。シルバがリューシュと遊ぶようになって、なんでかなって思って見てたんだ」


 ホント『いや、』から始まるのは負けセリフだよね。


「はぁ?そうなのシルバ?」


 シルバは良くわかんねーよって感じでいるがリューシュを見てる。


「なんだろうね」


 また苦笑いをするしかなかった。


 ☆ ☆ ☆


 その後もリューシュと遊ぶようになったシルバ。


 やっぱ気になるからなんかあるのかな?って見てる。


 何日もするとリューシュの周りにモヤのようなものが見える。


 シルバが戯れるとモヤが縮んでいく。

 あのモヤはなんだろう?


「ダオモ、リネット。あのリューシュ見えるか?」


「えっ何?見えるでしょ」


「いつの間にゴースト種になったんだよ」


「いや悪い。モヤだよ。リューシュの周りにモヤが見えるんだ」


「ん?見えないけど?」


「また何かに目覚めたか?」


「そっか・・・そうかも、リューシュの周りにモヤが見えてさ。シルバが戯れてるとモヤが縮むんだ」 


「んでほとんどモヤが見えなくなるとシルバが遊び終わるんだよ。シルバが説明してくれたら話が早いんだけど。気になってな」


 なんか嫌な予感がする。


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