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7話 聖者の勘違いの原因とログボガチャ

 俺はあのままわけも分からず駆け出して気付けばここに来ていた。


「して、私の元に逃げ帰ってきた、と?」

「あぁ。究極雷帝竜(アルティメットサンダードラゴン)を5秒で倒せないことを相談できるのは貴方だけだ」


 俺に究極雷帝竜(アルティメットサンダードラゴン)を倒せないことは男として恥ずかしいことだと教えてくれた存在が目の前にいる。


 黒色の髪に右目は金色で左目は黒色。

 オッドアイの少女だ。


「大賢者シーア、頼む!この俺に究極雷帝竜(アルティメットサンダードラゴン)の倒し方を伝授してくれ。どうしても1日かかってしまう!」

「ふっ………お主もまだまだよな」


 そう言って笑う大賢者シーア。

 俺の憧れの人だ。


 彼女は強い。とてつもなく強い。俺なんかが一生かけても辿り着けない境地にいるのだ。


「わ、分かっておるのか?ラグナよ」

「何故足を震わせているんだ?大賢者」

「すまん。私はこの肉体にまだ慣れていないのだ」


 師匠の体は借り物だとそう言っていたな。

 究極雷帝竜(アルティメットサンダードラゴン)の5秒倒しをしていたのは前世での話しであり今世では少女の肉体なため厳しいとそう言っていた。


 しかし男なら誰でも出来ると言ってくれたのはこの人だ。

 俺はその言葉を胸にどんな過酷な訓練も耐えてきた。

 すべては恥ずかしくないために。


「故にな。組織に付け狙われていることを考えると身が震えるのだ」

「なるほど。だが師匠安心して欲しい。俺は究極雷帝竜(アルティメットサンダードラゴン)を討伐出来るようになった。へっぽこ君だろうけれど前よりは師匠を守れるようになったと思う」

「た、倒せたのか?!究極雷帝竜(アルティメットサンダードラゴン)を?!」


 叫ぶシーア。


「あぁ。5秒は無理だから恥ずかしいけど」

「あ、そうなんだ。………ぁれ、ほんとに信じてたんだ………討伐できるだけでもおかしいのに………」


 急によそよそしくなりだした大賢者。

 それにしても後半の言葉は聞きづらかったが何て言ったんだろう?


「どうしたんだ?さっきから」

「え、あの、その、だな。貴様には次なる試練を与えてもいいかもしれないと思ってな」

「次なる試練?まだ究極雷帝竜(アルティメットサンダードラゴン)を5秒で倒せてない」

「あー、もうそれはいいよ」

「いいの?!」


 5秒で倒せてないからまだ恥ずかしいんだがいいのか?

 でも師匠がそう言うなら。


「げふん」


 咳払いひとつしてからシーアが俺に目を向けようとした。しかし


「どわっ!」


 立ち上がろうとしてその辺に置いていたものを踏み付けてふらついたその拍子に


「わっ!」


 転けた。

 その時。


「いった~」

「あれ?師匠?両目が黒?」

「はっ!これはだな。この小娘の人格が表にだな!」


 わたわたして手で辺りを触ったりしまくる師匠。

 そのすぐ後に何かを見つけたような顔をして後ろを向いた。

 そうしてスグあと


「どうだ」

「いつものに戻ってる」

「ふはははは。久しぶりに油断してしまったが私が本気を出せば小娘の意思などねじ伏せることが出来るのだ。このカラコンの力があればな」

「からこん?」

「カラーコンタクトという魔法じゃ」

「へーそんなのがあるんだな」


 やはり師匠は凄い人なんだ!


「そんなことより私はお前に試練を与えるぞラグナ」


 そう言ってビシッと人差し指を俺に向けてくる。


「お前悔しくは無いのか?!イラの奴にあれだけ言われて追放されたことが!」

「俺が弱いから仕方ないだろ」

「優しいなお前。そんなものでは組織のいい犬になるだけだ」

「組織はもしかして俺を狙ってるのか?」

「あぁ。私と関わってしまった。それが運の尽きだったな。組織はお前を狙っている」

「まじか」


 それは大変だな。


「どうにか出来ないか?」

「方法は一つだけある」

「どんな?」

「それはじゃな。勇者をぶっ倒すのじゃ」

「勇者を?」

「お前が勇者より強いことをアピールする事が出来れば組織も簡単にはお前に手が出せない」

「なるほど」


 だがイラをどうやって倒そう?


「ということで次なるターゲットは勇者だ」


 そう言うと師匠は後ろを向いた。


「師匠?」

「私の指示はこれまでじゃ。師匠たるもの弟子の世話を最後まで見ている訳にも行かない。後は自分で考えて自分で成し遂げるのだ」

「分かった!」



『ダンシング女神ちゃ〜んなんです〜。今日も1日ご苦労さまなんです〜。ご褒美にログボガチャ引かせてあげますよ〜』


 家に帰るなり女神様が踊り始めた。


『ダンシング女神ちゃ〜んなんです〜』

「ダンシング女神ちゃ〜ん」


 俺も真似をすることにした。

 最近ログインボーナスを貰うのを忘れていたな。


『ログインボーナスで〜す。レアガチャ引いてくださーい』

「おりゃっ!」


 差し出された女神様ボックスに手を突っ込んで引いてみた。


『残念賞ですねー魔力リジェネですか』

「強くもないし弱くもないなー。そもそも俺もうこのスキルカード使えないしなぁ」


 そう言いながらスキルカードをアイテムポーチにしまった。


━━━━━━━━

【名前】ラグナ

【ジョブ】聖者

【レベル】100

【攻撃力】9999

【体力】9999

【防御力】9999

【素早さ】9999

【魔力】9999


【固有スキル】

・女神の加護EX

貴方は女神の騎士。祈れば祈るほど貴方には夢幻の加護を与えられ、ステータスを上昇させることが出来る。


・女神の寵愛EX

貴方は女神に愛された。本来であれば聖者のバフは一時的なものだが女神の愛により貴方のバフは永続的に齎される。


【汎用スキル】

・剣の心得Lv58

・槍の心得Lv52

・弓の心得Lv59

・杖の心得Lv88

・盾の心得Lv98

・魔力リジェネLv100

・体力リジェネLv59

・鑑識眼Lv13

・火属性強化Lv89

・水属性強化Lv90

・雷属性強化Lv85

・氷属性強化Lv90

・龍属性強化Lv91

・毒属性強化Lv92

・闇属性強化Lv88

・光属性強化Lv90

・無属性強化Lv86

・アイテム強化Lv85

・竜騎士の心得Lv90

・聖騎士の心得Lv80

・暗黒騎士の心得Lv90

・剣士の心得Lv85

・勇者の心得Lv88

・賢者の心得Lv90

・忍者の心得Lv92

・黒魔道士の心得Lv90

・白魔道士の心得Lv92

・赤魔道士の心得Lv88

・青魔道士の心得Lv87

・狩人の心得Lv85

・モンクの心得Lv90

・魔法剣士の心得Lv88

・魔道戦士の心得Lv90

・魔道騎士の心得Lv90

・空賊の心得Lv89

・盗賊の心得Lv88

・召喚士の心得Lv90

・風水師の心得Lv88

・侍の心得Lv92

・ナイトの心得Lv89

・踊り子の心得Lv90

・テイマーの心得Lv78

・聖者の心得Lv100

・剣聖の心得Lv83

・カリスマLv80

・アイテムポーチLv100


etc


━━━━━━━━


 スキルカードとは任意の対象にそのカードに書かれたスキルを継承することの出来るカード。


 とてもレアなアイテムらしいが、俺だけは1日1回女神様とダンシングしてたら引けるガチャで手に入るものなのでイマイチ実感が湧かない。


 それにしても何故こんなガチャを引けるようになったんだっけ?

 あれだな俺は幼少期から女神様だけを信仰しててその時に現れたのがアルスカで、それで俺が余りにも弱すぎるからということで可哀想だなってことで引けるようになったんだった。


「はぁ外れだなぁ。寝るか」

『えー?GS4やらないんですかー?FFF7RRやらないんですかぁ?ユヒィちゃんまじ可愛いんですけど』

「仕方ないにゃあ」


 そう言って俺は女神様の隣に座る。


『ふっふっふー負けませんよー?』


 こうして俺と女神様の長い夜が始まるのであった。


 それからスローライフが始まった、明日からは何をしよう。

 と、そう思っていたがスローライフが始まらないことを俺はこの時知らなかった。 

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― 新着の感想 ―
[良い点] ちうにししょーシーアちゃゴホンゴホン……大賢者シーアさま素晴らしいです!!
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