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1話 聖者は追放されました

「ラグナ。お前やっぱ無理だわ」

「え?」


 俺、ラグナはパーティリーダーであり【勇者】のイラに酒場でそう言われた。

 イラとは幼馴染だった。


 というよりここにいるメンバーは全員が幼馴染だった。

 賢者のマリーと剣聖のメア、勇者のイラ、それから聖者の俺だった。


 初めてだった、付き合いは長いはずなのにこんなにもこいつの言うことが理解できないのは。


「無理って?」

「分からないか?なら言ってやるお前はクビだ」


 俺がクビ?

 どういうことだ?俺は今クビにされたのか?


「今までご苦労、もう来なくていいぞ。永遠に、な」

「いや待ってくれ」


 考えろ。ここで追放されてみろ?

 俺はどうなる?


「何で俺が追放されるんだ?」

「分からないのか?【踊り子】」


 踊り子というのはイラが俺を揶揄(やゆ)する時に使うものだ。

 俺が魔法を使う時に軽く舞う必要がある事もあるのだがそれを見て俺を踊り子と呼んでいるのだ。


「待ってくれあれは!」

「何だ?また女神様がそうしろって言うのか?」


 何度も言ってきたことだったため何を言いたいのか分かっていたらしい。


「そうなんだよ!あれは女神様が!」


 俺がそう言うと


「ははははは!!!あーはっはっはっ!!!!お前ほんと面白いな。でもな」


 立ち上がると俺の胸に人差し指を突き立ててくるイラ。


「面白さでモンスターなんて倒せないんだよ?理解したか?今まで言わなかったけど頭おかしいよなお前」


 そう言うと俺から離れると別の席に座っていた人物を連れてきた。

 女の子だった。


「あのな?男の踊りなんて見てもつまんねぇんだよ。お前の踊りに金出すくらいなら女の踊りに金出す」


 そう言って少女の肩に手を回すイラ。


「残念でしたね。ラグナさん。貴方は終わったんですよ」


 俺は少女の名を知らないのに彼女は知っていた。

 どうやらこの話をする前から俺の追放は決まっていた、か。


「これから踊って俺のやる気出させてくれよなー」

「は、はい!頑張ります。拾ってくださった恩忘れません!」


 とても嬉しそうな顔をしている。

 何を言っても無駄か。


『そうですね。このおバカさんたちには何を言っても伝わらないでしょう』


 俺にしか見えない女神が宙ぶらりんになって俺の目の前に現れた。


『あなたの幸せ別のルートで掴みましょう』


 女神様はそう言ってくれた。

 ならば、そうだな。


 俺はもうこいつらと共にある必要も無いだろう。

 そう思い立ち上がるが。


「イラ、やっぱり考え直さない?ラグナだって今まで頑張ってきた仲間じゃない。ここで追放するなんて可哀想だよ」


 俺と同時くらいに立ち上がった【賢者】のマリーがいた。

 彼女は俺とイラの幼馴染。


「あのなぁ?マリー?」


 一応俺の追放を反対してくれているらしいマリーの名を嫌味ったらしく呼ぶイラ。

 こいつは考えを改めるつもりはなさそうだし今更何を言っても無駄か。


「こいつが今まで俺たちに何をしてくれた?踊って皿回ししてワンワン鳴いて犬の真似して遊んでただけだぞ?しかもそれを女神様とやらがやれと言ってるとか言ってる奴だぞ?そんな胡散臭い穀潰し野郎を何時までも飼えるほど余裕がある訳じゃない」

「本当かもしれないじゃない」


 俺だって信じて貰えるとは思っていないが。マリーは一応信じてくれているみたいだ。


「マリー、その言葉だけで嬉しいよ」


 そう言ってマリーの頭に手を置いて俺はこの酒場をあとにすることにする。

 これ以上無意味にマリーの立場を落とすようなマネはしたくない。


 それなら俺がこのまま1人で消えた方が万倍ましだろう。


「ラグナ」


 俺が立ち上がって1人で外に出ようとしたその時


「ご苦労だったな今まで。最後の晩餐だ。ここの代金は俺が出しておいてやる、せいぜい野垂れ死んでくれ」


 そりゃどうも。

 今度こそ扉に足を向ける。

 そして


「世話になったなイラ」


 一応今まで一緒にやってきた仲間だ。

 俺はそう言っておく。

 世話になった、と。


「ラグナ………」

「マリーほっとけ」

「そうだよ。ほっとこうよ。イラの言う通りラグナは遊んでるだけだったんだから当然だよ」


 これはもう1人の幼馴染の剣聖と呼ばれる程の腕前を持つ剣士のメア。

 一応マリーは最後まで俺のことを心配してくれているらしいな。


 だがしかし


「世話になったな」


 もう一度そう言って俺は酒場を後にすることにした。



『おいいいいいいいっす!!!!女神アルスカちゃんですぅぅぅぅぅ!!!!』


 バカみたいなテンションで改めて自己紹介してくる女神様。

 彼女は俺が物心着く前から俺のそばに居た。


 理由は分からない。

 しかし彼女は俺に力を貸してくれている。


『本日は高難易度ダンジョン攻略当日ですけども!パーティを、追放されてしまいました』


 言われなくても分かってる。

 そう思いながら歩き出す。


『これからどうするつもりですか』

「田舎に帰るつもりだ」

『田舎にですか?』


 頷く。


「幸い最低限の金はある。後はのんびり魔物でも間引いて食っていこうかと考えてる」


 田舎の方ならば腕利きの冒険者が少なくそういう存在は需要があると聞いたことがある。

 それなら俺でもやれるかもしれないということだ。


『分かりました。それが貴方が選んだ道だと言うのなら私は否定しませんよ。あなたのしたいことをしてください』


 そう言ってニッコリ微笑んでくれるアルスカ。

 さて許可も貰えたことだし行くか。


 本当は田舎に戻るのは魔王を討伐してからにしたかったが仕方がないな。

 ここに残っても勇者パーティの【紫電の槍】を追放された俺に仕事があるとは思えなかった。

 結局ステータスもあまり伸びなかったしなぁ。

 できれば上限突破しておきたかったが。無理だろう。


━━━━━━━━

【名前】ラグナ

【ジョブ】聖者

【レベル】100

【攻撃力】9999

【体力】9999

【防御力】9999

【素早さ】9999

【魔力】9999


【固有スキル】

・女神の加護EX

貴方は女神の騎士。折れない心を持ち、祈れば祈るほど貴方には夢幻の加護を与えられ、ステータスを上昇させることが出来る。


・女神の寵愛EX

貴方は女神に愛された。本来であれば聖者のバフは一時的なものだが女神の愛により貴方のバフは永続的に齎される。



【汎用スキル】

・剣の心得Lv58

・槍の心得Lv52

・弓の心得Lv59

・杖の心得Lv88

・盾の心得Lv98

・魔力リジェネLv100

・体力リジェネLv59

・鑑識眼Lv13

・火属性強化Lv89

・水属性強化Lv90

・雷属性強化Lv85

・氷属性強化Lv90

・龍属性強化Lv91

・毒属性強化Lv92

・闇属性強化Lv88

・光属性強化Lv90

・無属性強化Lv86

・アイテム強化Lv85

・竜騎士の心得Lv90

・聖騎士の心得Lv80

・暗黒騎士の心得Lv90

・剣士の心得Lv85

・勇者の心得Lv88

・賢者の心得Lv90

・忍者の心得Lv92

・黒魔道士の心得Lv90

・白魔道士の心得Lv92

・赤魔道士の心得Lv88

・青魔道士の心得Lv87

・狩人の心得Lv85

・モンクの心得Lv90

・魔法剣士の心得Lv88

・魔道戦士の心得Lv90

・魔道騎士の心得Lv90

・空賊の心得Lv89

・盗賊の心得Lv88

・召喚士の心得Lv90

・風水師の心得Lv88

・侍の心得Lv92

・ナイトの心得Lv89

・踊り子の心得Lv90

・テイマーの心得Lv78

・聖者の心得Lv100

・剣聖の心得Lv83

・カリスマLv80

・アイテムポーチLv100


etc

━━━━━━━━


ここまでお読みくださってありがとうございます。

面白い、面白そうと思っていただけたならブックマークなどして頂けると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] やり過ぎてて好き
[一言] 女神様syamu_gameみたいなノリで挨拶してんのな
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