プロローグ
・この小説は元々小説として書いておりませんでした。ですから、表現の乏しさ等はご容赦下さい(笑)。
・この物語そのものの批評(駄目だし含む)若しくは、この物語をビジュアル(マンガ等)にしていただけるココロの広い方がいらっしゃったらぜひご意見、ご感想をいただければと思います。
プロローグ
「き、貴様・・・。謀ったな。」
男は不敵な笑みを浮かべた拳銃の男を睨みつけながらそういった。
「フッ、誠に残念な限りです皇帝陛下。陛下はもう少し聡明な方だと思っておりましたのに。」
黒いスーツを身にまとったオルブライは拳銃をゆっくりと懐から取り出す。
後に宇宙移民約十億の民を治め、人類史上最大の連邦王朝。ザルターク朝の建国神話はこの様な悲劇的な展開から幕を開ける。今からおよそ千年昔、人類は自らが生み出した遺伝子操作により創られた優勢人類。『ネオロイド種』との戦乱に破れ、地球の大半をネオロイドに奪われてしまった。遺伝子操作技術により、スポーツマン、軍人タイプなどの運動神経の高い人間、科学者タイプのIQが高い人間を自由自在に生み出す事のできるネオロイドは元々の人類を『原種』と呼び、保護を受けてはいたが、生存権等の社会的権利は完全にネオロイドに掌握されていた。
「貴様も・・・ネオロイド種であったか・・・。」
「いいえ、私はれっきとした原種ですよ。しかし、この任務を果たした私は、ネオロイド同様の権利が保障されますがね。」
「・・・わが息子・・・。セフィロスが私の無念を果たしてくれるであろう。」
「残念ですが陛下。セフィロス皇子には今回の謀反の罪をかぶって頂きます。本来なら死罪といった所ですが、ネオロイド達が兼ねてから建造している月面の原種収容所に要って頂きます。」
「原種収容所?まさか・・・あの噂は本当だったのか?」
「ええ、ネオロイド種は原種を地球外へ追放するつもりです。これからは原種に変わって彼等が地球その物を遺伝子操作により生態系を支配するのです。私としたことが・・・喋り過ぎてしまったようですね。」
オルブライは懐に一度しまっていた拳銃を取り出し、再び銃口を皇帝に向ける。
「良いか!オルブライ!たとえネオロイド種でも人間は神にはなれん。この世に神が存在する限り、必ずや天罰が下るであろう。」
「神?そんなものは弱くてもろい原種の生み出した迷信だ!」
「人類が神の存在を忘れぬ限り、神もまた永遠にいき続けるのだ。」
「だまれ!」
二人の居るザルターク宮殿で一発の銃声が鳴り響いた。
原種である人類はネオロイド種を自ら生み出してしまった事に過ちを憶え、世界各地で人類再生を目的とした抵抗活動を必死に続けて来た。その活動の代表者であり、人類最後の国家元首。皇帝ルイーザ・ザルターク十二世は、ネオロイド種のスパイとして潜入していた宰相。オルブライ・シュナイゼルの謀反により殺害されるのである。
歴史家は後に、この謀反で地球上の人類が刻んだ歴史の終焉であると語っている。
人類が地球で再び歴史の一歩を刻んでゆくには、それから千年の歳月を有した。ザルタークの『地球帰還計画』が発表されるまで・・・。