【すげどう杯参加作品】 読書ならぬ、読作者のすすめ
小説を読む時、あなたは何を考えながら読んでいますか?
無心で作品に没頭派? それとも小説のテーマを考えながら派?
ちなみに、自分はどちらでもありません。
『読作者』派です。
それは何かを問われたら、私が見ているのは、作品の背後。 文章の背後に写る、『作者』と言う人間を読んでいます。
作者が、どのような価値観を持ち、今の生活環境や、心理状況、どういった理由で作品を投稿して居るのか?
自分は、其処を読み抜くことを考えながら読んでいます。
私は、それを、読書ならぬ『読作者』と名付けました。
『読作者』、其処に有るのは、フィクションではなく紛れも無い現実な物語、嘘くさいチート小説じゃないリアリティが有ります。
青春物も真っ青な友情物語、縁側で黄金の人生を振り返り黄昏る人生物語、野望を胸に手段を選ばず成り上がろうとする成り上がり物、深窓の令嬢が外の世界に憧れる話、――そして、互いに足を引き合う、昼ドラも真っ青な人間ドラマまで。
――こんなリアリティ100%の物語、面白くない訳が有りません。
前置きが長くなりましたが、その『読作者』、やり方は至極簡単。
その人の作品を、ざ~っと目を通し、割烹や書いたコメントや感想を丹念に読み返すだけ。
たった、それだけです。
――ふざけるな、と、色々言われそうですが、自分がやるのは、其れだけ。
昔から、『文章は人なり』とはよく言ったものです。
文章の内容や構成から感想、投稿時間……など等から、数多くの情報を得ることが出来ます。
投稿一つにしても、その方の性格をよく表してきます。
丁寧な人は、予約投稿で定時に投稿し、ちゃらんぽらんな人はそのように投稿しますから。
――格闘コンボをほぼ落した事無い、と、豪語される作家の方は、確かにその様な几帳面な投稿方法でしたし。
そして、その方の返信パターン……――つまり、生活リズムからどんな職業の方かも、ある程度推測できます。
リーマンなら、日中は返す事は出来ませんが、主婦や学生、無職なら時間は関係なく出来ますので。
そうして、丹念にあつめた情報の欠片を、まるでジクゾーパズルのように繋ぎ合わせ、作者と言う人間を読み解いて行きます。
そして、集まった情報の集合。
それが、自分が読み解きたい作者と言う情報です。
様々な情報から、作者を探ってゆく……――ある意味、推理ゲームのような物、それが『読作者』です。
――答え合わせは、その方の今後の行動のパターンで正解かどうか合わせるしか無いのですけどね。
自分が導き出した答えが、その方が表面に見せている作家像とは、かけ離れ要るかもしれません。
でも、それは其れで良いのです。
其処に有るのは、紛れも無い『作者の本心』ですから。
作者本人も気が付いて居ない、いや、気が付いて居るけど見ないフリをしている、心の真実ですので。
『作者の本心』
それは、幾ら隠そうと、その行動の端々から本心が零れ落ちていきます。
行動の欠片、それらを繋ぎ合わせた物が、自分が読みたい、作者の本当の姿。
それを読み解き、その背後にあるドラマに思いをはせる、それが『読作者』。
下手な小説より、お勧めです。