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◇加奈の思い
加奈視点には◇をつけます。
私、長瀬加奈の一日は早い。
朝5時30に起床し、5キロのランニング、朝食を食べて私は学校の最寄り駅である我孫駅に張り込む。何故張り込むのかと言われたら答えてあげよう。誠一を尾行する!これが私の日常なのだが、問題がある。
まず、桐崎とか言う女がいつも隣にいるし、手を繋ぎながら登校する。しかも毎日である。
私だってそのポジションに居たい。
だって昔はほとんど手も握ってくれなかったし、扱いも知人以上友達未満なんだもん。
それよりあいつの方がお兄様とよほど家族っぽいから嫉妬してしまう。
いくらでもヤキモチを焼いてしまうし、夢にだって出てくる。
私はあの女が憎い、憎い。
けれども、少しありがたかったりもする。
誠一は少し、いやかなり臆病になってしまっている。そんな誠一を治してくれたのは義妹の加奈ではなくあの女になのだから、やっぱり嫉妬してしまう。
ブラコンは、オススメできるものではないと分かってる。あってはならないことなのかもしれないとも思ってる。
でも、この想いは音速で進行中だ。
もう誰にも止められない