恋する乙女
読んでいただきありがとうございます
「智久さん、助けてくれてありがとうございました!」
「俺は!?」
太一がなにか叫んでるがここはスルー
「こんなところで何してたんだ?」
「実は、道に迷っちゃって……」
「じゃあ僕が案内してあげよう、マイスイートハニー!」
「案内して頂けますか?智久さん?」
隣で心がバラバラになった太一が倒れていた
可憐を一通り案内した俺は、授業が始まるため、教室へと戻ってきていた
太一の姿がないけども
「はい。今日はここまで!皆さん気を付けて帰ってくださいね♡」
俺達の担任である飯塚マチ先生は年齢は永遠の18という、謎の多い人である
噂によると、独身なんだとか
「例によって柚月くんは居残りで〜す♡」
知ってた
いつも通り居残りだったのだが、帰ろうとすると門の前に可憐の姿があった
「なんだ、まだ帰ってなかったのか?」
「ええ!智久さんの事を待っていました」
「わざわざ待ってくれなくても良かったのに」
「いえ、気づいちゃったんです、私」
「何に?」
「私、智久さんに恋をしたようです!」
その後、家までの帰り道は妙な空気感だったが家に戻り姉もいるため、とりあえずその妙な空気感は無くなった
「母さん達、いつまで旅行してるの?」
「さあね、でもあの人たち新婚みたいに仲いいから当分帰ってこないと思うわよ?」
俺と紅羽姉さんを産んでいる以上、すこぶる若い訳では無いのだが……
「もし、ご両親が帰ってきたら私どうすればいいでしょうか?」
可憐が首をかしげている尋ねてきた
「まぁ、事情を話せば大丈夫だろ。俺と二人だったらともかく紅羽姉さんもいる訳だし」
そして俺達は夕食を済ませ、テレビを見ている時だった
「台風18号は北へと向かっている模様です」
天気予報のお姉さんがカメラに向かって明日からの天気を説明している
明日からは、大荒れになりそうなんだそうだ
その日の夜、かれんは眠れずにいた
寝ようとしても、智久の顔が浮かんできて思うように寝付けない
彼女は正真正銘の「恋」をしたのだった
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