設定は双子なの！
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ホームルームが終わった瞬間、俺は猛スピードで可憐の手を引き、階段を登りまくって屋上まできていた
「どういうつもりだ！？」
「どうもこうも、転校してきただけですよ？」
「だから、どうして転校なんてしてきた！」
「私の記憶を……見つけるためです」
彼女の真剣な目を見て俺は言葉を失った
「とにかく、面倒事だけはゴメンだからな」
「あっ、でも私の設定は智久さんの双子の妹ですよ？」
「なんだとぉぉぉ！？ホントかおい！」
なんてこった……
そうこうしているうちに授業開始の鐘が鳴り出した
「もう授業が始まる。行くぞ」
「はい！」
「お前にあんなに可愛い妹がいたとはなぁ〜」
「あ、あぁ。まぁな」
昼休み、俺の前の席の少しチャラそうな男、柊木太一が羨ましそうに言ってくる
なんなら変わってやりたいくらいだ
「学校中でも噂になってるぜ！突然転校してきた超絶美少女ってな！」
この学校はこういう噂に敏感なのだ
「そう言えば、あいつどこいったんだ？」
「あいつって可憐ちゃん？」
教室を見回してみても可憐の姿がなかった
「俺、ちょっと探してくるわ！」
「おいっ、まてよ！」
嫌な予感がしたため、俺は急いで可憐を探し始めた
「ねぇ、今日の放課後、一緒に遊ばない？」
「俺たちと一緒に楽しいことしようぜ？」
校舎と体育館の間の連絡通路で可憐は学校でも有名なチンピラに絡まれていた
「結構です」
「まぁ、そう言うなって」
チンピラの一人がかれんの手を引く
「行かないって言ってるじゃないですか！話してください。」
「おいお前ら、何してんだよ！」
「智久さんっ！」
「てめぇがこいつの双子の兄の柚月智久か？」
「あぁ、それがどうした」
「邪魔だから引っ込んでろってことだよ」
チンピラの一人が殴りかかってきた
やばい、避けられないっ……
「トゥー！」
背後からやってきた太一が綺麗にチンピラの足を刈る
そしてもうひとりのチンピラも綺麗に転ばせた
「正義のヒーロー、柊木太一、参上！」
幼稚園児の様なセリフを言っているが見事にチンピラを追い払うことに成功した
「そういえばお前、空手の有段者だったな」
「そう言えばってなんだよ！」
とにもかくにも、可憐は無事だった
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