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星見雷那

『起きてますか、お兄様』


念話か、こんな早い時間からどうしたんだ?


『ああ、起きてるぞ。それでどうした?』


『えっと今日からお父様とお姉様で王都の方まで行く事になってしまいましたので今日から7日間そちらに行けないという事を伝えたかったのですが起こしてしまいましたか?』


『いや大丈夫だぞ。それでお母様は行かないのか?』


『今度は新しく出来た息子が心配だから行かないみたいです』


『そうか楽しんでこいよ』


『ええ、楽しんでまいります。もうすぐ出ますので念話切りますね』


ルナからの念話が切れた。


「フワァ〜、2度寝でもするか」


『お兄様、起きてる?』


今度はユエか


『どうした?』


『今日から7日間王都に行くからそっちに行けないから』


『ああ、ルナから聞いたぞ』


『そうなの、なら私からは何も無いわ。じゃあ、お土産期待しておいて。それとフリージストがそっちに残るみたいだから面倒よろしくね』


『ああ、分かった』


ユエからの念話が切れた。

今度こそ2度寝でもしよう。


「やあ、起きてるかい?」


「ああ、なんだ氷麗か。なら気にせず寝るから、おやすみ」


「いや待って寝ないでよ。それになんで僕の時だけ寝るのさ」


「妹が、わざわざ俺の為に話しかけてくれたのなら、眠気を無視してでも話すのなんて当然だろ」


「君ってシスコンって呼ばれない?」


「いや、呼ばれたことないぞ」


少なくとも現世では、前世ではたまに言われたけど


「そうなのか、では僕が読んでやろう、このシスコン野郎」


「次に読んだら〈第3の目(サードアイ)〉で心を読んでお前の秘密をユエに暴露するからな」


「冗談だよね?」


俺は満面の笑みで応答した。おそらくこれで伝わるだろう


「絶対に呼ばないからその眼使わないでよ」


「分かってくれたならいいが、読んだら本当にやるからな」


「分かったよ。それで本題なんだけど君1週間くらい飯食べられないかもよ」


「どういう事だ?」


かなり深刻な話だった。寝なくて良かったな


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「要するにだ、お母様の話を立ち聞きしていたらこの機会に飯を出さずに俺を殺してしまおうというものが聞こえたわけだな」


「そうそう、だから何か対策しないと餓死しちゃうよってこと」


1通り氷麗から話を聞くとだいたいこんな感じだったが、対策と言われても魔眼任せでやれば余裕なんだが、どうするか?


「そうだな、とりあえず飯抜きで少しの間耐えてみるか」


「なんで?魔眼使えば簡単筈なのに」


「もしかしたら飢餓状態にある事で魔眼が開眼するかもしてないから、せっかくだしこの状態を使ってみようと思ってな。まあ、開眼しなかったら〈精霊の眼〉と〈転移眼〉を使って食料を転移させるさ」


「まあ、そういう事なら別にいいけど。この事はユエには黙っておいてあげるよ」


「ありがとうな。あいつが聞いたら怒りそうだからな」


「怒りそうじゃなくて確実に怒るよ。彼女たちかなりのブラコンだから」


側から見るとそう思うのか、前世の妹が過度のブラコンだったから俺の感覚っておかしいんだよな。


「そういえばお前はユエと一緒に王都に行かなくていいのか?」


「行こうと思えば契約者の場所になら直ぐに行けるし、あっちに行ってもユエ達のお父さんがいるから出てこれないからこっちに残ったんだよ」


「そうだったのか、なら昨日の続きで聞きたいことがあるんだがいいか?」


「いいよ。うーんと聞いてくれたまえ」


「なら創星って付くスキルまたは称号ってどれくらいあるんだ?」


「5つだよ」


「その情報を教えて貰っていいか?」


「僕が知っている情報はあんまりないけどいいかい?」


「別にいいぞ」


「そうか、僕が知っているのは創星と付くスキルまたは称号を持っていたのは全員が転生者であるという事とこれらを使いこなせたのは魔王だけだという事だけだよ」


「氷麗、前に魔王の能力は名前しか知らないって言ってなかったか?」


「うん、僕が知ってるのは名前だけだよ。だけどねステラが死際に残した言葉があるんだよ。

それが『ああ、そうなのね。私は終ぞあの人と同じ高みに立つことは出来なかったのね。創星シリーズを持つ者としてあの境地に至りたかったものなのにね』とステラが残しているんだよ」


「だからこそ、魔王のみが創星シリーズを使いこなしていたと」


「そうだよ。でもなんでそんな事を聞いてくるの?」


「昨日、お前から話を聞いたあとからだと思うがステータスに変化ぎあってな、〈創星の???〉ってのがあったんだよ。だから聞いてみたんだ」


「???だったの?神眼ではなくて」


「ああ、多分神眼ではないと思う。今までで被りはいないんだろ」


「うん、被りはいないよ。魔王の持っていた〈創星の神眼〉、ステラの持っていた〈創星の魔女〉、そして500年前にいた十六夜明奈の持っていた〈創星の歌姫〉、200年前にいた神崎氷見湖の持っていた〈創星の巫女〉、100年前にいた星見雷那の持っていた〈創星の妖魔〉の5人だけだよ」


「神眼に魔女、そして歌姫と巫女それに妖魔か見事にバラバラだな」


「うん、僕が能力を知っているのは歌姫と巫女、妖魔だけでそれぞれの能力が

歌姫は歌を使って人の心を癒したり身体を強化したりすることが出来るスキルだよ

巫女は神々をその体に降ろすことが出来る称号だよ

妖魔だけは詳しく知ってるよ」


「なんで妖魔だけなんだ?500年前なら生きてるだろ」


「他の人たちは教えてくれなかったんだけど雷那ちゃんだけは教えてくれたんだよ」


「なんでだ?」


「人間じゃないからだって、まあ、その話をするならかなり長くなるけどいい?」


「別にいいぞ。どうせ暇だからな」


「なら話すとしよう。それならまず彼女の前世の話をしよう。

彼女の前世はとても悲惨なものだったんだよ。学校に行けば虐められる道を歩けばむしゃくしゃしている不良に殴られたり、そして家に帰れば本来心配してくれるはずの親なのに傷だらけで帰ってきた娘に追い打ちをかける。そんな環境で育った彼女の性格は歪んでいたよ。

多分僕達の転生前の世界は全部同じだと思うから聞くけど女子高校生による大量殺人事件を覚えてるかい?」


「ああ、覚えてるぞ。虐待、いじめを受けていた女子高校生が自分に今まで危害を加えた奴を殺してまわったってやつだろ」


「うん、それだよ。厳密に言うと危害を加えた奴だけじゃなくていじめを知りながら無視していた教師なんかも殺した様だけど。

それで本題に戻すとそれを行ったのは星見雷那彼女だよ。人生を諦めきった彼女は外国から銃を買ってその翌日に犯行を行った。悲惨な現場だったよ」


「なんでお前がそんなこと知ってるんだ?」


「そりゃあ、僕がその場にいたからだよ」


「氷麗ってその時に殺されたのか?」


「いや違うよこの世界とあっちではかなりの時差があるんだよ。だから僕は君の死ぬ6年前に死んでいる筈だよ」


「1年につきこっちでは100年か。だったらなんでお前はその現場が見れるんだよ?」


「そりゃああっちと行き来できるからだよ」


「行き来できるのか!?」


「君じゃあ無理だよ。精霊だからこそだよ。あと補足だけど時差は時としてバラバラだよ。偶にあっちに行ってみるとまだこっちでは3日しか経ってないのにあっちでは1年なんて時もあったからね。

それで本題からまた逸れたから戻すけど彼女は可能な限り殺し尽くして行ったんだよ。最初は両親、それから兄妹、次にクラスメイトという具合にそして警察が来るまでにクラスメイトと担任それから校長と教頭を殺して警察に捕まりそうな時に屋上に逃げて自らの頭を撃って自殺した」


「思ってたよりもかなりヘビーだな」


「まあ、その後は僕らと同じで特典を貰って転生した。ああ、そうだ君はどっちだった綺麗な女の人かそこそこ歳のいったジジイか?」


「ジジイだった」


「そうか、まあそれはいいとしてその特典で貰ったのが〈創星の妖魔〉頼み方は人間を辞めたいだったかな」


「そうか、それでその能力は?」


「ああ、まだ言ってなかったね。ステータスそのまんまでいうなら

〈創星の妖魔〉魔に魅入られし人外に与えられる称号、世界を創りし妖魔

こんな感じたよ」


「それだけか?能力の説明とかはないのか?」


「無いよ。だけど能力は理解できる。そう本人は言っていたよ」


「だからこそ使いこなすのが難しいのか、何が出来るのか感覚でしか分からないから」


「そうだよ。でも君なら出来ると僕は信じてるよ」


冗談なのか本心なのか分からないような言い方で言ってきやがって、まあ別にいいけど


「まあ、やれる事だけはやって見るさ」


「まあ、期待してるよ。あと彼女はまだ生きてるけど会いに行ったらだめだよ」


「なんでだ?」


「今の君の実力だと殺されるから」


「やっぱり強いのか」


「うん、かなり強いよ。魔王を除けば1番強いんじゃないかな」


「そんなにか、強くなったら会ってみたいな」


「殺されると分かっていて会いに行くの?」


「せっかくの異世界なんだぜ、なら楽しまなきゃ損だろ。それに殺されないくらい強くなればいいだけだ」


「そうだね、頑張ってよ。その時は彼女のところに案内するから」


強くならないとだな。今回は不慮の事故なんかで死なないように誰と戦っても負けないくらいに


「じゃあ、僕は久し振りに雷那に会ってくるよ。君の事を報告してくるよ」


「ああ、絶対強くなってお前に会いに行くって伝えておいてくれ」


「分かったよ」


氷麗はそう答えると外に出て行った。

さて魔眼の掌握を始めますか、まだ半分も掌握できてないしな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ルナたちが王都に出掛けてから3日が経った氷麗が言ったように飯は出されなかった。まあ、水抜きはやばいから自力で創ったけど食べ物は食べてないからそろそろ限界、かなりまじでやばい。そろそろ魔眼が開眼するならして欲しいんだけどな


《〈飢餓眼〉の開眼条件(極限の飢餓状態)が達成されました。これより開眼を始めます》


おお、やっときた。これで飯が食える。


《特殊指定条件(〈飢餓眼〉〈魔喰いの邪眼〉〈悪食の魔眼〉の同時所有)が達成されました。これより魔眼を統合し〈暴食王の邪神眼〉を開眼させます》


これはどういう事だ?

〈悪食の魔眼〉視界内に存在する物体を喰らい自身の活動に必要なエネルギーに変換する魔眼

〈飢餓眼〉視界内に存在する人間を含む生命体から自身の活動に必要なエネルギーを奪い取る魔眼

〈暴食王の邪神眼〉森羅万象全てからありとあらゆるものを喰らえる自分のものとする魔眼


今回出てきた魔眼の詳細です。

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