開眼
おっす、俺はナイト・リベリアだぜ。あ、なんだ昨日よりもかなりテンションが高いなだって、そりゃあそうだろ。やっと魔眼が開眼するんだぜ。これでテンション上がらないほうがおかしい。
「ナイト、今日は誕生日会をやるのだから早めに勉強を終わらしておきなさい」
「はい、分かりましたお母様」
今さっきのが何気に初登場な母だ。名前は……えっと……忘れた。仕方ないだろ、滅多に合わない上に貴族の位についてるから異様に名前が長いんだよ。ん、俺たちの名前はなんで普通なんだだと、それは俺たちは厳密にはまだ貴族ではないからだ。なんか継承権とかそんなのがあってその家を継ぐやつしか貴族ではないらしい。とは言っても上級貴族だと継承権を持った奴と血の繋がりのある兄妹には中級貴族になれるようだが。
あと俺が母親をお母様と呼んでるのは前にママって呼んだら頬を叩かれたからだ。最初の頃なんか母親とは会うたびに叱られてたからな。今はあんまり叱られなくなったからまあ、進歩した方だな。まあ、そうは言っても母親は別に俺の事を考えて叱っているわけじゃないから叱られてもあんまり直そうと思えないけどずっと直さずにいたら飯を抜かれたから最近はいう事を聞いている。
それとまだ登場してきていない父親は滅多に家にいない。仕事とかなんかで家を開けることが多い。妹が生まれてからはよく母親に扱き使われている。まあ、父親はなんだかんだでいい人ではあるんだけどヘタレと言うかなんと言うか情けないな。まあ、別にいいんだけど、愚痴る相手が居ないからって息子相手に愚痴るのはさすがにやめて欲しい。多い時だと週に4日、内容はほとんどが母親の事だから賛同できるんだけどな。ああ、そうだ父親に前に魔眼の事どう思うか聞いてみたら別に嫌ってはいないらしい。というか、どちらかといえば好感を持っていると言っていた。理由は前に魔眼使いに命を助けられたからだとか言っていた。そう言われた後それとなく俺自身の魔眼の事をぼかして伝えた。まあ、ヘタレだから直接守ってくれたりはしないと思うが間接的に少しだけでも何かしてもらえるかもと思って一応伝えておいた。
「よし、勉強も終わったし遊ぶか?ルナ」
「うん、早く遊ぼう。お兄様」
「ああ、分かったから少し落ち着け」
「そんなにゆっくりしていたら遊ぶ時間が無くなってしまいます。もしかしたら今日がお兄様と遊べる最後の日になるかもしれないのですから」
そうなのだ。あの魔眼嫌いの母親の事だ、俺が魔眼を開眼させたとなったら虐待コースに入るだろうから自由にこの家を動き回れるのも最後になる可能性が高い。
「そうだな今日はうーんと遊ぶか」
「はい、お兄様」
ルナは満面の笑みで頷いてきた。
「じゃあ、ルナ今日は何をする?」
「魔弾の打ち合いがやりたいです」
「ルナはそれ好きだよな」
「はい、これをやると魔力が上がるのが感じられますから。そして魔力を上げてお兄様と同じ位に強くなるんです」
そう、俺はルナにある程度殆どの事を話している。話していない内容は前世の記憶があることと転生の事だけだ。
「無茶しなくてもいいんだぞ」
「無茶なんてしてません。私はお兄様と同じ所に早く立ちたいのです」
「そうか、なら始めるか」
「はい、それでは行きますよ、お兄様」
そういうとルナは魔弾を撃ってきた。まあ、魔弾といっても唯の純粋魔力を弾の形にして撃っているだけだから殺傷能力は無い。本来純粋魔力を操る事は出来ないが、魔力操作スキルを応用して撃っている。最初はルナには出来なかったが一緒に特訓する内にスキルがルナに追加された。それでも最近は成長してきて複雑な形の実践に向かない鮮やかで見栄えのある弾幕も晴れるようになってきた。簡単なイメージなら弾幕ゲームをイメージしてくれればいいだろう。
「ルナ、狙いが甘いぞ。もっと相手の行動を予測して攻撃するんだ」
「はい、お兄様」
すこし助言すると弾道が良くなった。
「この調子だ」
それから10分ほど撃ち続けてると
「お兄様、そろそろ魔力が尽きそうです」
「そうか、ならいったん休憩するか?」
「いえ、続けたいです。なので魔力操作で魔力を送って頂けませんか?」
「ルナがそう言うならいいぞ」
魔力操作を使いルナに魔力を送っていく。
「もう大丈夫です」
「そうかなら再開するか」
ルナと遊んでいると陽が沈んできて
「そろそろ終わりだな」
「まだ、遊べます!」
「ルナ、絶対に俺は収容所から脱獄するから今は諦めてくれ」
「でも」
「6年後、魔法学校に絶対に行くからそれまでの辛抱だ」
「うぅ、分かりました。我慢します、お兄様」
「うん、じゃあリビングに行こうか」
「ちょっと待ってくださいお兄様」
「なんだ」
そう言われルナの方向に振り返るとルナが抱きついてきた。
「どうしたんだ、ルナ」
「これは私の我が儘です。次にお兄様と遊べるのは6年後になってしまいそうなので1番近くで感じていたいのです。駄目でしたか?」
「別にいいぞ。妹の我が儘の1つや2つ位聞いてやる」
「じゃあ、もう1ついいですか?」
「別にいいぞ」
「抱きしめ返してください」
そう言われ俺はルナの体を抱きしめた。
「絶対にお前の所に戻ってくるからな」
「はい、待ってます、お兄様」
それからしばらくして気恥ずかしくなり
「そ、それじゃあリビングに向かおうか」
「そうですね、お兄様」
少し早足でリビングの方に向かっていった。
「お母様、ただ今参りました」
「いつもより早いですね。まあ、あなたの誕生日会なのですから主役が早く来るのは当然ですわね」
「お母様、お父様は何処にいらっしゃるのですか?」
「そろそろ戻ってくるわ」
「そうですか」
それからしばらくすると父親が帰ってきた。
「ただいま」
父親が帰ってきてから1時間程してから誕生日会の準備が終わった。準備が終わった頃に父親が話しかけてきた。
「魔眼はいつ開眼させるんだ?」
「誕生日会終了と同時に」
「そうか、俺はいまさらお前が隠している色々な事を聞く気は無いが、ルナには全部話しておけよ。あいつはお前の事が本当に好きだから」
「殆ど話したよ」
「殆どということは話していない事もあるのか。まあ、お前のタイミングで話してやれよ。あと最近この結婚失敗だったかなと思ってきている父さんからの助言だ。女の言葉に騙されるな、女は目を見て判断するんだぞ」
「前半部分は考えておく、後半部分は深く心に刻んておく」
「あと、お前に1つ言っておく。隣の国、周りからは帝国と呼ばれてる国では重婚と兄妹婚が認められているぞ。だから脱獄した後は帝国に逃げる事をお勧めする」
「なんで最後にそんな事言ってくるんだよ!!」
「俺はお前が決めた相手なら反対する気は無いからな」
「いやまだ俺は6歳だぞ。そんな相手に何言ってんだよ!」
「あと真面目な話脱獄した後の身分証とかが発行しやすいからってのもあるから脱獄した後は帝国に行け」
「無視するなよ。てか脱獄する事知ってたんだな」
「まあ、親だしな。それに親らしい事してやれなかったからな。あと収容所に俺の知り合いがいるから手引きして貰え。これが俺のできる最大限の事だ」
「ああ、わかったよ親父。まあ、あと1年はこの家にいるだろうしそれからも絶対に生き残って見せるからよ。そして絶対に親孝行してやる。覚悟しておけよ」
「はは、それじゃあ長生きしないとな」
「じゃあ、俺はクソババアに呼ばれているから行くな」
「いや待て、さり気なく母親をクソババア扱いはやめなさい」
「いいんだよ、あれはクソババアで」
「はあー、本人の前で言うなよ」
「分かってるよ」
それから母親と一緒に最後の準備を終え席に着く
「それではナイトの6歳の誕生日を祝って乾杯」
「「「乾杯」」」
「あのお母様ユエは何処にいるのですか?」
「あの子はまだ勉強中です。頑張ってもらわなきゃいけないのですから」
なんやかんやで誕生日会も進み終わりが近づいてきた。そろそろ頃合いかな。ステータスを開き魔眼開眼のプロセスを踏んでいく。
『ファーストステップクリア、続いてセカンドステップクリア、サードステップクリア、3段階のプロセスをクリアしたため、魔眼を開眼します』
脳内に機械音が響いた。
そして頭に痛みが走った後、眼に痛みが走った。やがて視界が今までと違うものになりだんだんと収まり元の視界に戻った。そして母親のほうを向くと母親が
「やはりお前が魔眼持ちかこの化物が」
「お母様」
「私の事を呼ばないでくれますか、化物風情が。誕生日会は終了ですね。そこのメイド、この化物を地下の牢に入れておきなさい」
「はいわかりました、奥様」
俺はメイドに引きづられている。なにこのメイド力強すぎでしょ。まあ、落ち着き過ぎていると疑われるかもしれないから助けの目線を2人に一応送っておく。
父親は目をそらす。ルナは俺の眼を見て周りに母親がいない事を確かめてから小さくこう呟いた。
「綺麗」
んなんで魔眼が綺麗なんだ。気になるな。
「あの、メイドさん、鏡ってある?」
「はい、ここに」
鏡を見ると俺の眼は生前の地球人だった頃のような黒い眼をしていた。うわ、なんでだこれ。まあ、後でステータスを見れば済む話か。
「もう結構でしょうか?」
「はい、ありがとう」
「ではひきづるのも疲れるので歩いて頂けますか?」
「うん、分かった」
そしてメイドについて行き俺は牢に入った。
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メイドが居なくなってから現状把握を始めた。なんで俺の眼は真っ黒なのか。多分魔眼のせいだと思うから、見てみるか
「ステータスオープン」
これが主人公と妹のステータスです。
名前:ナイト・リベリア
ステータス
level:1
HP:3000/3000
MP:5000000/5000000
STR:200
DEF:100
MAT:20000
MDF:10000
DEX:50
AGI:100
INT:50000
LUK:50
Critcal:50
スキル
〈灼熱の魔眼〉眼に映る全ての物体を燃やし尽くす魔眼、この魔眼によって燃やされたものは同程度以上の氷の魔眼または魔法以外によって消されることは無い
〈凍結の魔眼〉眼に映る全ての物体を凍り尽くす魔眼、この魔眼によって凍らされたものは同程度以外の炎の魔眼または魔法以外によって溶かされることは無い
〈轟雷の魔眼〉視界内に雷を生み出しその雷を操る魔眼
〈烈風の魔眼〉視界内に風を生み出しその風を操る魔眼
〈石化の魔眼〉眼に映る全ての物体を石へと変える魔眼、この魔眼によって石へと変えられた物は同程度以上の復元または時の魔眼または魔法以外によって治ることは無い
〈白炎眼〉眼に映る全ての非物体を焼き尽くす魔眼、この魔眼によって焼かれた非物体は元に戻ることは無い
〈黒炎眼〉眼に映る全ての物を焼き尽くす魔眼、この魔眼の効果は1ランク下の魔眼によって消去可能
〈復元眼〉眼に映る物を復元する魔眼、復元出来るものは魔眼のランクに比例する
〈反転眼〉眼に映る全ての物を反転させる魔眼、この魔眼によって反転させられた物は同じ反転眼によってしか元に戻らない
〈複合眼〉複数の魔眼の効果を複合させる魔眼、しかし属性が逆にある魔眼を複合させる事はこの魔眼では不可能
〈乖離眼〉眼に映る範囲内ならばありとあらゆるものを乖離する魔眼、この魔眼の効果を解除しない限り解除された物は元に戻ることは無い
〈模倣眼〉みたスキルを模倣する魔眼、しかしどれほどLVの高いスキルをみてもLV1の状態でスキルに加わる、成長スピードは元々の使用者の成長スピードに比例する
…………etc
魔眼:見る.視る.観ることに特化した魔眼、ゆえにこの魔眼には名前はない
?????:条件が達成されていません
?????:条件が達成されていません
?????:条件が達成されていません
?????:条件が達成されていません
???:条件が達成されていません
???:条件が達成されていません
???:条件が達成されていません
???:条件が達成されていません
…………etc
〈隠蔽〉神様お手製のスキル、どんな透視能力も無効に出来る。
〈魔力操作〉魔力そのものを操作できるスキル、その使い方は様々で扱い方や応用方法などはINTに依存
称号
〈魔神の加護〉魔神:テウフェル・イービラから加護を与えられる事で与えられる。
称号初期状態のHP.MP.MAT.MDF.INTを向上させる。
〈転生せし者〉前世の記憶を持ちながら生まれ変わった者に与えられる称号
INTを大幅に向上させる。
〈魔眼の王〉解放条件を達していません、条件を達成してください。
名前:ルナ・リベリア
ステータス
level:1
HP:500/500
MP:1000/1000
STR:400
DEF:200
MAT:1000
MDF:800
DEX:100
AGI:100
INT:60
LUK:50
Critcal:70
スキル
〈火魔法LV2〉火を操る魔法、火を生み出す事などが出来るが一度に扱える量は使用者のLVに依存、最大LVは5それからは使用者の意思によって進化する
〈風魔法LV2〉風を操る魔法、一度に操る事の出来る量は使用者のLVに依存、最大LVは5それからは使用者の意思によって進化する
〈魔力操作〉魔力そのものを操作できるスキル、その使い方は様々で扱い方や応用方法などはINTに依存
称号
〈命を分けし者〉双子に与えられる称号、もう片割れと共に唱える魔法は双子の合計と同じLVの魔法が行使できる
HPはヒットポイント、MPは魔力量、STRは物理的攻撃力、DEFは物理的防御力、MATは魔法的攻撃力、MDFは魔法的防御力、DEX命中率、AGI素早さ、INT知力、LUK運、Critcal急所命中率って感じです。