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罠迷宮

「これで、やっとリベンジができるな」


「うん、今度こそは負けない」


俺たちの前にはあの時のように100体を超える魔物がいる。それらは平均でCかDランクはあるだろう。


「ああ、今回の俺たちには魔法があるからな」


「うん、それにあの時よりもかなり強くなった」


「ああ、じゃあ、行くぞ。超重力(ネオグラヴィティー)


「うん、全付与(フルエンチェント)


俺が唱えた魔法によって魔物の3分の2近くが重力に押し潰される。そして、美月は自身のステータス全てに付与を掛ける。その後美月は駆け出していく。どの魔物も対応できないくらいの速さで駆け出した美月を止められる者はおらず、全ての魔物が一太刀で死に絶えていく。もちろんその中には防御の硬いものもいるが、関係無く斬り伏せられる。


「終わった」


「そうだな、時間は3分か、いい感じだな」


「うん、それにしても紅夜の重力魔法は便利だね」


「美月の付与魔法だって、なかなかにべんりだぞ」


「うん、そうだけどやっぱり重力剣(グラヴィティソード)は使い勝手がいい」


重力剣とは、剣そのものの重さを重くする魔法なのだが、そのうえ、自身が持っている時は普通の重さしかないという摩訶不思議な魔法なのである。まあ、俺たちは魔法だからってことで気にしてないけどな。


「じゃあ、そろそろ奥の方に行くか」


「うん、そろそろ大丈夫だと思う」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「階段のところまでやってきたんだが、今日はどこまで行く?」


「とりあえず、様子見で2.3層進めればいいな」


「そうだな。とりあえずそれくらいを目安に行ってみるか」


「うん」


俺たちは階段を降り2階層まで降りていく。降り切ったところで横から矢が飛んでくる。


「危ない」


美月が咄嗟に剣を振るい矢を斬り落とす。


「美月、助かった。ありがとう」


「うん、でもいきなりこんな罠があるってことはここってもしかして」


「ああ、前にヨーゼフから聞いた罠迷宮(トラップダンジョン)だな」


「それなら、慎重に行かないと、多分ここの罠は殆どが致死性のものだと思うから」


「そうだな。とりあえず〈魔眼〉を使って周りの魔力を用いた罠の警戒を頼む。俺は、物理トラップの警戒をするから」


「分かった」


俺は、〈精霊の眼〉を美月は、〈魔眼〉を発動させる。


「これで、多分なんとかなるね」


「ああ、でも気を引き締めていくぞ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あの時あんなことを考えていた俺たちを殴りたい。あれから、2日経った今でも2層すらクリアできないのだ。

あの階層を2階層と呼んでいるのは遺跡を探索していると見つけた転移陣の影響だ。この転移陣はここを1階層とした時に10.20.30.40.50.階層と前日に行った階層に転移出来るというものだ。もちろん一度行かないと使えないが。


「難しすぎ」


「そうだな。あんなトラップ避けられねえよ」


「うん、四方八方から矢が飛んできたり、突然壁が動き出したり。挙げたらきりがない」


「それに毎日構想が変わるオマケ付きだしな」


「うん、でもまた行くんでしょ」


「当たり前だな」


次こそはクリアしてやる。罠迷宮は恐らく後10階層まで続いていると思う。なら早めにここをクリアしないと面倒だ。


「その為にももう寝るぞ」


「うん、おやすみ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝起きた俺たちは早速、罠迷宮に挑んでいる。


「美月、四方八方から矢が飛んでくる罠がきたぞ!!」


「うん、私は上の矢を担当するから他のをよろしく」


「分かった」


上にある矢だけに魔法が掛からないように


「超重力」


すると、上にある一部の矢には魔法がかかっていない。まずまずだな。


「残りは任せて」


美月は、刀に全体攻撃の付与を身体には身体強化の付与を掛けている。おお、前までは1種類の付与しか出来なかったのに進歩したのか。

美月の剣の一振りで矢は吹き飛ぶ。


「美月、2種類以上の付与できるようになったんだな」


「うん、今さっきやってみたら出来た」


「そうか、まず一つの難関をクリアしたんだ。この勢いでいくぞ」


「うん」


美月に付与をかけてもらい駆け出す。


その後も、今までのが嘘だったかのように簡単にクリアでき、2階層突破に成功したのだ。


「次は、3階層だな」


「うん、とりあえず最初みたいな罠を警戒しつつ入るってことでいい?」


「ああ、じゃあ行くぞ」


俺たちが3階層へ続く階段を降り始めた時、馴染み深い声が聞こえた。


《スキル〈並列思考(マルチタスク)〉を会得しました》


〈並列思考〉か、この迷宮にはぴったりなスキルだな。


「紅夜、なんか新しいスキルが手に入った」


「美月もか、俺も〈並列思考〉ってスキルが手に入ったぞ」


「私も同じやつ」


「そうか、これがあるとこの迷宮の攻略が少し楽になると思うぞ」


「うん、なら使ってみる」


〈並列思考〉を使うと2つの事を同時に考える事ができるようだ。恐らく使い続けるとより多くの事を考えられるようになるのだろう。


「じゃあ、行くか」


「うん」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それから苦労するだろうと思ってたが、予想以上に簡単ですぐに5階層まで辿り着くことができた。


「この階段を降りたら5階層だ。行くぞ」


「うん、とりあえず、最初から罠がないかだけ気をつける」


「そうだな」


俺たちは階段を降り5階層へと向かった。5階層に辿り着いた瞬間足元が光る。


「美月、転移陣だ。もしかしたら分断されるかもしれないから気をつけろ!!」


そこまで言ったとき景色が変わった。いつもの転移と同じ感覚だな。って事はどこかに飛ばされたって訳か。美月は居ないから別のところだろう。

俺が考えを纏めていると前から突然魔物が転移されてきた。


「なんだ、この程度の量で俺を殺す気か?無駄だから諦めろ。俺はここから抜け出すのに忙しいんだ」


俺がそういったが魔物は俺に襲いかかってきた。


「仕方ないか、二重超重力ドウブルネオグラヴィティー


〈並列思考〉を使い超重力を二重でかける。超重力がどの位重力を増加させるかは分からないがどの位にしろ元々Dランク以下なら絶対に潰れるのだ。それを二乗したらBランク以上でしか耐えられないだろう。ゆえに、魔法を発動させた瞬間魔物の体が音を立てて潰れた。


「おお、これ絶対外で使うのやめよう。グロすぎて吐く」


迷宮内の魔物は魔石以外残らないが外では残るのだ。体が潰れている状態の魔物なんてグロ映像でしかない。


「はー、魔石回収したら美月と合流しないとな」


魔石を回収し、前方にあった扉を開けると、そこには転移陣があった。


「ここしかないから、乗ってみるか」


その転移陣に乗るとまた、景色が変わる。


「紅夜、戻ってきた」


「待ったのか?」


「うんうん、1.2分くらい」


「そんなに早くあの魔物を狩ったのか?」


「うん、紅夜が転移陣に気をつけろって、言ってくれたから転移する前に〈隠形魔法〉を使って姿を消して全体攻撃の付与を付けた抜刀術で一撃で倒した」


「なかなかにエグいな」


魔物達は気づく間も無く後ろからバッサリだもんな。


「相手は魔物だから。盗賊とかだったら少し慈悲をかけるかもしれない」


「かもしれないなのか」


まあ、いいか。それにしても周りを見ると転移陣がいろんなところにある。これなら、すぐにクリアできそうだな。


「美月、駆け抜けるぞ。〈魔眼〉を発動させておけ」


「うん、転移陣は〈魔眼〉で見抜けるから楽」


「そうだな。行くぞ」


俺たちは迷宮を駆けていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一時間もたたないうちにもう、10階層までついてしまった。この扉はボス部屋か?まあ、いざとなったら美月を、下げて終焉魔法を使えばいいか


「美月、次はボス部屋みたいだぞ」


「うん、分かった」


それだけ言って、俺たちはボス部屋に挑む。さて、どんな魔物が出てくるかな?

俺たちはボス部屋の扉を開けるといきなり咆哮が飛んでくる。


「初っ端から【亜龍】かよ。次以降のボスはどんなのが出てくるんだ」


「でも、今の私達ならなんとかなると思う」


「そうだな。とりあえずあいつ落とすか」


「うん」


そう言って俺が二重超重力を美月は射程の付与を二重で掛ける。俺が重力魔法でバランスを崩させてから美月が羽を切るという作戦だ。その作戦は案外うまくいきすぐに【亜龍】は地面に落ちる。その後、二重超重力の効果で身体が潰れた。


「えっ!これで終わり!!」


「そう見たい。呆気なかった」


「というか、ここまで行くと可哀想だな」


二重超重力が強すぎるのか俺のステータスが可笑しいのかは分からないが、はたまた【亜龍】が弱いのか。まあ、どれでもいいか。


「じゃあ、魔石回収するか」


「うん、ってあれ?何かあるよ」


「本当だ、なんだあれ」


よくある宝箱みたいなものが落ちている。これ開けるべきか開けないべきか?


「どうしたの?早く開けないの?」


「いや、この宝箱がトラップなんじゃないかと思ってな」


「それなら、大丈夫だと思う。お爺ちゃんから前聞いて擬態宝箱(ミミック)ってのがいるのは知ってるけどランクD以下の魔物だから多分出てこないと思う」


「いや、あまりにも【亜龍】が呆気なかったから何かあるんじゃないかと思ってな」


まあ、無さそうだし開けてみるか

宝箱を開けてみるとそこには


「なんかの素材か?これは」


「そう見たい、でも私も紅夜も使わないから地上に戻ったら売るしか使い道がないよ」


「そうだな。まあ、無限倉庫に空きはあるし入れておくか」


無限倉庫の中に【亜龍】の魔石と何かの素材を入れる。


「これからまた進むか?」


「いや、そろそろ」


そこまで言ったところで俺たちは転移させられる。


「ああ、もう夜か」


この迷宮では夜になると自動で1階層に戻されるようになっている。そのせいで何度かもう少しってところで戻された。


「あれ、でも何時もと転移先が違うな」


「うん、多分10階層までクリアしたから何かあるんじゃないかな」


恐らくそうだろう。転移された先は遺跡の中、日本語て書かれていた石碑があったところだ。

少し時間が経った時石碑に新しい文字が浮かんできた。


「紅夜!石碑に文字が浮かんできてる!」


「わかってる。今から読むよ


『とりあえず10階層までのクリアおめでとう。罠迷宮は2階層のところは苦労しただろうけどそこをクリアすると自動的に〈並列思考〉を取得できるようにしてあったからそこからは楽だっただろう。それと、10階層で手に入った素材はグリフォンの素材だから売ったりしないように』


こんな感じだな」


今回はそんなに量もなくすぐに読み終わった

皆様のお陰で総合評価100ポイント、PV10000を越えられました。ありがとうございます。

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