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とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第一章 初めての異世界「辺境の街」編
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第8ページ 服屋、雑貨屋、薬屋

次に俺が来たのは服屋だった。

いつまでも地球の学生服姿はまずいと今更ながらに思ったからだ。


「いらっしゃいませ!」


店には若い女性の店員がいて何人かが買い物をしている。

俺は戦闘もできるよう動きやすいものと下着を何枚か買うことにする。


「お兄さん…その服はどこの服ですか!?」


手にとった服をカウンターまで持っていくと、店員のお姉さんが何やら目をキラキラさせながらこちらを見てくる。


「俺の故郷の服だ」

「故郷の!今まで見たことのないデザインです!ちょっと見せてもらっていいですか!?」


俺は今買った服に着替え、制服を渡してやると何やら興奮した様子。少し怖い。


「お兄さん!これ売ってくれませんか!?」

「はぁ?」

「あ、す、すみません!私服のことになるとどうしても感情が抑えきれなくて…私こう見えて王都で服飾の勉強をしていたりしてたのですけど、この服のデザインは見たことないんです!それに生地も不思議ですし…研究したいんですが、ダメですか?」


少し上目遣いで見上げてくる。

本人に自覚はなさそうだがこれで断るのはまず無理だろう。

だが、ただで渡すのもどうかと思うので買取という形でいいかと言うと


「ぜひ!」


と被せ気味で返ってきてさっき払った料金がまるまる返ってきた。

さすがに多くはないかというとこれは貴重な品であるからいいのだそうだ。

本人がいいならいいかと、浮いたお金で大きめの外套も買い俺は満足して店をでた。


---


次は雑貨屋だ。

荷物が多くなってきたのでカバンが欲しい。

いくらでも収納可能なマジックバッグなんてあれば理想的なんだが。


「いらっしゃい」


店員は30代くらいの男性。

カバンはあるかと聞くとその場所に案内してくれた。

ちなみにアイテムバッグはなんて聞くと


「そんな高級な品、うちでは扱えませんよ」


とやや苦笑しながら言われた。

どこかにはあるらしい。

いつかは是非欲しいものだ。


手頃なカバンとポーチを見つけ他になにかあるかと見ているとなんとカメラがあった。


「なぁこれは」

「ああカメラだね!うちで1番のオススメ商品だよ!」


やはりカメラらしい。

それなりの大きさではあるのだが俺は写真撮るのも嫌いではないしこの世界でまだ見ぬ風景を記録するのも悪くないと思いカメラも買うことにする。


「毎度!現像はうちでもできるからね!」


カメラはけっこうな値段がした。

生活必需品を買って店をでる。


---


最後は薬屋だ。

武具屋と薬屋には紹介状があったため、俺はその店を訪ねる。


「いらっしゃいませ。本日は何をお買い求めですか?」


店に入ると初老の男性店員が声をかけてきた。


「昨日から冒険者になったんだがここを紹介されて見に来たんだ」

「それはそれは、ありがとうございます。失礼ですがギルドの紹介でございますか?」

「いや、辺境伯だ。ほら」


俺が紹介状を渡すと男は少しだけ驚いてすぐに元の優しげな読めない笑顔に戻った。


「いやはや・・・異世界人とはまた珍しい。でしたらお客様、商品のご説明をいたしましょう。申し遅れましたが私、ドランと申します」

「シュウだ。よろしく頼む」


ドランは店にある商品で俺に関係してきそうなものを説明してくれた。中にはポーションやマナポーションなんてものもある。


「それでですね。実は私、錬金術師なんでございます」

「…ほう?」


錬金術師ね。地球なら胡散臭いと思うんだろうが、こちらにはいるのだろうな。


「普段は薬品の研究などしております。何かご用命があれば是非いらしてください」

「ああその時は頼む」


粗方いりそうなものは買って店をでる。

荷物が多くなってしまったので一度宿に帰ることにして、午後からはギルドで依頼を受けてみることにしよう。


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