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とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第四章 指名調査依頼「竜の棲む火山島」編
82/358

第69ページ プロローグ

四章開始です。

『匣…開いた…』


月が輝く夜。

ある場所で明滅する影。


『魔神…復活…』


影は揺れて、やがて消える。

同時に、大地が揺れた。


---


『なんだ?』


その大きな影は、自らの縄張りの端に生まれた気配を怪訝に思う。

この場所には、自分とその眷属しかおらず、人が来ることなど滅多になく、来たとしても眷属が追い払う。


過去にこの地に足を踏み入れたのは二人だけ。

遠い過去。

自らにとっても脅威となる存在を、その身と引き換えるように封じてくれた初代勇者と、その友であるという一人の男。


そう言えばあの男は、ここからほど近い地の領主となったと聞いた。

人間の社会のことなどまるで気にはしないが、自らが住む火山にも関わりがある地。


とうに死んでいるであろう一人の男を思い、その存在は珍しく表情に翳を差す。

あの男たちは、気のいい者たちであった。


自分たちは人に関わることはない。

人は自分たちを恐れ、あるいは敬い、この地に近づくことはないし、近づいてくる者は大抵、自分たちを倒して名を上げようだとか、素材となる物を入手しようとする身の程知らずの愚か者ばかり。

取るに足らない者たちだ。


もはや、あのような男たちは現れないだろうとこの存在は一抹の寂しさを思いながら、しかし、自分がそんな思いを持っていることを否定するように首を振る。


その時だった。

自分の住処である火山島全域が震えた。

それはこの千年の間で感じたことのない歪なものだった。


現在この火山は自分の支配下にあり、噴火も休火も思うままである。

噴火の兆候ではなく、島全体が揺れている。


その発信源は、先ほど何らかの気配を感じた場所だった。

そう言えばあそこは、さっき考えていた古き友が作りしこの島唯一の建造物があった場所ではなかったか。


自分の眷属である一匹に目を向けると、その一匹は心得たというように首を振り、発信源へと飛んでいく。


わずか数分で戻ってきた一匹は驚きの報告をした。

曰く、建造物が割れ、中から何かが出現している、と。

四章は短めになるかな?という感じです。

ここで一つ謝罪があるのですが、二章エピローグにて触れたことを三章先でやると質問などで答えていたのですが、もう少し後になりそうです。

必ず致しますのでお待ちください。

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