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とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第二章 友との出会い「深淵の森」編
31/358

第26ページ 初迷宮

キリが悪くなってしまうので短めです。

すみません。



「これは…」

「いやー…」

「…」


洞窟に入った俺たちは絡みつくような魔力によって若干の煩わしさを感じながらも進んでいた。

入口が見えなくなるほどに進んだとき、空気中の魔力とは別の魔力を感じ、更にトマスの危機察知に反応があった。


進んでみるとそこにいたのは体が腐敗しながら虚ろな目をし、さまよい続ける死体。

いわゆるゾンビだ。

10体くらいだろうか。


「テレビで見たことはあるが、実際見ると洒落にならん気持ち悪さだな」

「だよねー…ああ、斬りたくないなー…」

「…アンデット系の魔物には火と光属性の魔法が効果抜群ですよ」


ベンとトマスの視線が俺に集中する。

拒否するつもりはない。


「よし、焼き払おう」


火炎放射機をイメージし魔力を炎へと変換する。

まるで俺の手から放出されたような炎はゾンビたちに直撃し、断末魔なのかよくわからない呻き声をたてながらその身を焦がし、やがて動かなくなった。


「想像による魔法の発動か…」

「ん?お前もできるだろう?」

「確かにできるけど、できるようになったのは最近だよ。僕はちゃんと師匠に教えてもらったり学校に通ったりしてたもん」


君ほど規格外じゃないよ、と言われている気がしてどうにも納得がいかない。


俺たちはその後幾度もゾンビの群れに遭遇したが、その都度焼失させた。

どうやら俺の魔力はMP回復速度上昇の効果により、一瞬で使い切ったりしない限りは切れないというますますチートじみてきているようだ。


そしてどれくらい進んだかわからなくなった頃、下へと続く階段を発見した。


「やっぱり迷宮と見て間違いないね。問題は何層まで続いているかってことだけど…」

「わからんな。だが、ある程度進んでみなければ魔族の痕跡も発見できないだろうな」

「だね」


俺たちは警戒しながら階段を降りていく。

降りた先は洞窟とはもう呼べず、完全によくある迷宮といった石造りの迷路。


「随分雰囲気が変わったな」

「うん、でも…出てくる魔物は一緒みたいだね」


ベチャベチャという形容しがたい足音が聞こえてくる。

ベンの言うとおり、ゾンビ共がまだいるんだろう。

いったいどこからこれだけの死体を調達してきているのか。


「完全にホラーだな」

「この迷宮がアンデッドを主とした迷宮なら厄介だね」


アンデッド系モンスターに対し物理的なダメージは効きにくい。

つまり、俺の魔法かベンの精霊魔法、トマスの風魔法による攻撃となるのだが、迷宮内では自然発生する精霊は少なくわずかな地精とサラを筆頭とした風精の力くらいしか借りれないらしい。


サラにしてもここのように空気に別の魔力が多く含まれていると扱いずらいようで、地上ほどの力は発揮できない。

トマスの風魔法はそもそものレベルが低いために頼りにならないというほぼ俺任せの状態となってしまっている。


まぁいざとなったら空間魔法で地上に飛べるそうなのでそんなに困ってはいないのだが。


第二層と言うべきなのか、現状ゾンビ以外の魔物は現れていない。

迷路のように分岐がいくつかあったりもしたが、罠や部屋も今のところない。

右手法により順調に進んでいると思っていいだろう。


そんなことを考えながら進んでいると、視界にふよふよと浮く白い影が現れた。


―・―・―・―・―・―


[レイス]ランクD

死亡した人間の思念が抜け出して作られたという魔物。

物理攻撃は一切効かず、魔法も光属性しか効果がない。

攻撃能力は持たないが、触れたものに状態異常を引き起こさせることがある。


―・―・―・―・―・―


「厄介だな」

「うん。あれが単体ならいいけど他の魔物と一緒に来られたらめんどくさいね」


ゾンビのように知能がない魔物ならいいだろう。

しかし、まずレイスと当たらせてからなど考えられる知能を持つ魔物と来た場合…

いくつかパターンを考えておくべきだろう。


とはいえもちろん今は単体でいるので俺の魔法で瞬殺しサクサク進む。

その後も迷宮を問題なく進んでいき10層へと続く階段に到達した。


ここまでにでてきた魔物は

ゾンビ、レイス、スケルトン、ゾンビドック、スケルトン各種。

それほど強敵ではないが、下に降りるほど一度にくる数が増えていった。

ゾンビの大群とか勘弁して欲しい。


「5層にガーディアンがいなかったことを考えると多分次の階層にはいると思う。気をつけて」

「了解」


ガーディアンとはいわゆるボスのことで、5や10の倍数の階層に出現することが多いらしい。


危機察知には反応がない。

だが、感じ取れる魔力からそこにいるのが今までの相手より遥かに強いことはわかる。


「どうやら10層目はボス部屋だけみたいだね」

「なるほど、そういう仕様か」

「一概には言えませんが、そういった仕様の迷宮は総階層が多い場合がほとんどですからそう考えると嫌ですね」


今発見されている迷宮で一番階層の多いのは「耐久の迷宮」と呼ばれる千層あるやつ。

でてくる魔物はそんなに強くないのにとにかく攻略に時間がかかり、なおかつ何故か千層目のラストガーディアンだけが異常に強いらしい。

行きたくないような行きたいようなわからない迷宮だ。


なお、迷宮には迷宮核というものが最下層にあり、それを守るのがラストガーディアン。

この迷宮核を壊せばその迷宮は消滅するが、迷宮の魔物は外に出てくることはなく、迷宮から出土するアイテムは貴重であるため、ラストガーディアンを倒したとしても迷宮核を破壊することはあまりないそうだ。


「お?」

「どうやらこの迷宮の最初のボスはあれみたいだね」


部屋の中央。

そこには剣を構えた騎士の姿。

そして、その背後にスケルトンの一軍。


「シュウ、あれは?」

「スケルトン・ジェネラルだな」


―・―・―・―・―・―


[スケルトン・ジェネラル]ランクB

スケルトンを率いる将軍。

その正体は、一軍を率いながら戦場に散った、将軍の魂が鎧に宿ったもの。

生前のスキルを有しており、個体により強さに差がある。


―・―・―・―・―・―


「将軍様だってよ」

「どうする?」

「周りの雑魚共は俺とサラでやるよ。あいつ任せていいか?」

「いいけど…いいの?」

「数が多いからな。範囲攻撃できる方がいいだろう?」

「確かに。じゃあ…」

「行こうかっ!」

この迷宮はかなりの難易度ではあるのですがまぁメンバーがメンバーなので半分超えるくらいまではさっさと進んでいきます。

全部行くかは私にもわかりません。(笑)

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