表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第十一章 最も危険なピクニック「目的地は魔王城」編
308/358

第263ページ vsウルデルコ

ギリギリですが今日はなんとか更新できてよかったです。

昨日はできずすみませんでした。

ガキンッと音を立て、神刀とウルデルコの手刀が激突する。

解合を使っていないとはいえ神刀の切れ味は業物にも勝る。

その神刀と、魔力で強化しているとはいえ素手で打ち合えるとは、まったく化物め。


「ほう?その刀…」

「知っているのか?」

「知らぬが、尋常ではない力だな。思わず震えてしまうよ」

「それはどうもっ!」


天羽々斬を大きく振り払い、向こうが距離を開けるのと同時に俺も後方へと下がる。


「ふはっ」


思わずといったようにウルデルコが笑う。

ウルデルコからは、断続的に肉が焼けるような音がしている。

吸血鬼に太陽は、それが始祖だとしても有効なようだ。

だが、その身を一瞬で燃やし尽くされたりはしないのか。


「はは、太陽にやられぬのが不思議か?」

「正直に言えばその通りだ。教えてくれるのか?」

「考えてみたまえ!」


空を蹴り踏み込んでくるウルデルコに対し、俺は魔法を放つ。


「光線照射!」


俺の背後で十の光りが輝き、光線を放つ。

光魔法は吸血鬼に対し有効な攻撃手段の一つだ。


「ふはは!効かん!」


ウルデルコは放たれた光線の最初の一本を片手で受け止め弾き、残りのものは身体に当たろうが構わず突き進んでくる。

ダメージを受けている様子はない。


《スキル「闇纏(あんてん)」を習得しました》


「まさか、光りが届いていないのか!?」

「その通りだ!」


強引に光りの弾幕を抜けてきたウルデルコの身体、その周りに極薄ではあるが闇が展開されていることがわかる。

その闇によって、光りは奴の身体に届く前に方向を捻じ曲げられてしまうようだ。

それでも全ての光りを反射することはできていない為、少しずつダメージは入っているはずなのだが、それだけで削りきるのは不可能に近いだろう。

同時に闇は身体の強化と硬化もすることができるスキルのようだ。


突き出された手刀を天羽々斬で弾き、飛んできた蹴りを大きく跳躍する事で回避する。


光魔法の利点がほとんどなくなったため、「火鳥乱舞!」と叫んで火の鳥を舞い踊らせる。

ウルデルコはニヤリと笑い、素手で火の鳥をかき消し始めた。


「出し惜しみしている余裕はないな」


まずは普段滅多にやらない相手の鑑定。


―・―・―・―・―・―


ウルデルコ・ギスターブ 1006歳 男

種族:吸血鬼

HP:10900666

MP:9478000

魔法属性:闇、氷

<スキル>

格闘術、剣術、槍術

闇属性魔法、氷属性魔法、無属性魔法

身体強化、魔力制御、完全回復、闇纏

覇気、浸透撃

耐光、耐睡眠、恒温体、貫心

吸血、飛翔、魅了、変化(へんげ)、心眼、不死

<ユニークスキル>

鮮血の月夜(ディープブラッド)

<称号>

「始祖吸血鬼」、「吸血鬼の王」、「災禍」、「人族の天敵」、「魔族の天敵」、「国崩し」、「美学に殉ず者」、「竜殺し」、「巨人殺し」、「魔物の天敵」、「恐怖の権化」、「夜の王」、「戦闘狂(バトルジャンキー)」、「頂点捕食者」、「群れを率いる者」、「不死者」

<加護>

「破壊神の加護」


―・―・―・―・―・―


本当に…化物め。

なんだそのHP量は。

それにスキルに<不死>があるんだが…

どうやって倒せばいいんだ?


スキルの説明を見れば、<不死>は別に死なないということではないらしく、HPが0になると日に一度だけHP満タンの状態で復活するということらしいが、つまり一千万越えのHPを二度削りきらないといけないということだ。

今のところ明確にダメージを与える方法もわからないこの男に対して。


「とにかく試してみるしかないか…」


魔法属性的に考えて、闇魔法と氷魔法は効きが悪いと考えられる。

吸血鬼の属性としてもそれは正しいと<全知>が教えてくれ、弱点としていくつか挙げられるが、そのうち最も有効だと思われた太陽光は闇纏に阻まれる。

光魔法は、実際には全てが太陽光という訳ではない為、更に効きが悪くなっていると考えられる。


火魔法も、並大抵ではダメージが通らないようだ。

次々に蹂躙されていく火の鳥が今まさにそれを証明している。


「雷刃!」


火の鳥も残り少なくなり、効果が認められないと分かった時点で、火の鳥を攻撃ではなく目隠しとして活用。

雷の刃を降らせる。

狙い違わずウルデルコに雷撃は当たり、同時に爆発させた火の鳥と合わさり煙が生まれる。


「ウイングアロー、アイスランス!」


そこへ全方位からの風の矢を放ち、ダメ押しとばかりに氷の槍も付け加える。

ワームを串刺しにした技だが、どうにも手ごたえが感じられない。


そして案の定、煙が晴れた時そこにウルデルコの姿はなかった。


「どこへ!?」


マップを確認しても、赤の光点は確認できない。

そう思った瞬間、俺の後ろにいきなり光点が生まれる。


「なっ!?」


振り向きながら手をクロスし、頭を防御。

そこへ、地竜にでも撥ねられたかのような衝撃が訪れ、俺の意識を奪いにかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ