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とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第九章 荒れる海と幽霊船「曇天の港町」編
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第196ページ 建築終了

さて、一応外から見て七重塔はできあがった。

続いて中を整えるのだが、所謂七階建てであるというのに階段しかないというのは凄く面倒だ。


ということで既に同じ大きさで切り揃えられている板を用いて階段を作りながら俺はエレベーター的な物を作れないか考える。

塔の中心に立つ大きな柱の中を繰り抜き、人が5人は入れる程の木箱を作成。

客間や一階に作る予定であるし、それ程多くを招く予定もないのでこの程度でいいだろう。


滑車式のエレベーターだと人力で動かすことになってしまう。却下だ。

必然的に魔法を用いた物になる。

なんて便利なんだ。


魔法陣術の知識を得ている俺としてはこれを使わない手は無い。

大抵の魔法は陣によって再現できる。

エレベーターに使うのは「浮遊」と「降下」、「停止」の魔法陣だ。


これらの魔法陣を一つの魔石に一つずつ刻み、各階層のエレベーター前に取り付ける。

こうすることで魔石に魔力を流すと呼応した魔法陣が起動する仕組みだ。

対となる魔法陣をエレベーターとして使う木箱にも描いてやれば完了である。

本当に簡単な物なのだが、これでこのエレベーターは一種の魔道具と言える物になった。


《称号「魔工匠」を獲得しました》


そこまで考えて、俺は自分のテントに付いている空間拡張機能を思い出す。

あれを使えば、一部屋の面積をかなり確保できる筈だ。

俺は早速、必要だと思う部屋に空間拡張の魔法陣を刻んだ魔石を取りつける。


魔道具の質は魔石の質にも依ってくるが、俺は深淵の森に行った時に確保した分が多くある。

今まで使い道もなかったのだが、売るのを忘れていたのだ。

売らなくて正解だったな。


これで想定以上の広さを部屋に持たせることができた。

その為階層を多くし過ぎたような気になってきたが、まぁ今さらだ。


再度ゴーレムを作り出し、暇を持て余していたグラハムにも手伝ってもらって家具を置き始める。

ラッセン辺境伯も手伝うと言ったが流石にやらせられない。

指揮を執るのはウィリアムに任せ俺は地下室を作る作業へと移行する。


地下へ行くには、通常の階段とは別の階段を用いるようにする。

何かあった時の避難場所として、また地下には倉庫と転移魔法陣を設置する予定なのだ。

気軽に入られるようでは困る。


土魔法を用いて家の下をどんどん掘っていく。

掘り返された土は固めて、一時的にディメンションキーの中へ。

後で何かに使えるか捨てるか考えようと思う。


三室分くらいの広さとを確保し、石材と鋼材を用いて壁を作っていく。

「固定」の魔法陣を周囲に描いてこちらも完成である。


転移魔法陣を描くには少し時間がかかる為後回し。

飛べる先も今のところないし。


転移魔法陣で転移するには転移先にも同じ魔法陣が必要になる。

二つの魔法陣に魔力の登録をしなければならない為、一度行ったことがある場所だけだ。

時間がある時に深淵の森には描いて置きたいと思う。

あとは王都とアキホにいずれは置こうと思っているが、その場所もどうするか考えないといけない。


とりあえずは地下が完成したので倉庫スペースには空間収納の魔法陣だけを刻み、建材や日々使う物以外をディメンションキーから移し替える。

魔物の死骸やら討伐部位やらがかなり入っており自分で驚いた。

後で売りに行かねば。


地下から出ると、ゴーレムとグラハムがウィリアムの指示に従いながら家具を運んでいるところだった。

グラハムが片手で長椅子を一つずつ運んでいるのを見た時は思わず二度見してしまったが。


俺はそれに参加せず、部屋それぞれの内装を整えていく。

塗料を用いて壁を塗り替えたり、魔道具の灯りを取りつけたりだ。

この灯りは王都で購入してきた物で、同じ規格の物をまとめ買いしてきた。


一階は客間とホールを作り風呂を作る。

この風呂はお湯が出る魔道具を取りつけているのだが、ライオンの顔を模した壁飾りを作り、口から湯が出るようにしてみた。


二階にはウィリアムの部屋と厨房、更にウィリアムが望んだ仕立て用の工房を作る。

厨房には生ごみやらの処分用に「分解」の魔法陣が刻まれたごみ箱を置く。

これも王都の魔道具店で購入したものだ。


三階四階は何にでも使えるような無難な部屋をいくつか。


五階はジャックの階とした。

寝室だけ整えて、後は本人の希望を入れれるように手つかずだ。


六階は俺のプライベート階だ。

寝室と書斎を作っていく。

これは楽しい。本棚があまり埋まっていないのが残念だ。

もう二室分スペースが余ったのでとりあえず保留。


七階はアステールの階。

ここは区切ったりせず大広間的な中にアステールの寝床として枕を積み重ねた山を作っているスペースや水場を作った程度。

後は自由に外に飛び出せるようになっている。


更にその上、七階の天井裏には温泉を設置した。

アキホで貰ったあの湯筒を固定した木風呂だ。

屋根の一部を開閉式にして、露天風呂としても使えるようになっており、俺が最も拘ったと言える。


これでとりあえず俺の家は完成だ。

あとは「結界」の魔法陣を刻んだ魔石を家の周りに置き、その強度を確認してみるとかだな。

よし、家具運ぶの手伝うか。

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