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とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第七章 秘められた真実「深淵の森再び」編
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第159ページ 魔神の意思

『わずらわしい子蠅共め』


戦場に響く声。

それは黒白の王の声でありながら全く違う暗い声音。

だが俺はその温度に聞き覚えがあった。


「魔神か」

『如何にも』


その声は、海底で遭遇した魔神の欠片が発していた声と近似していた。

迷宮核と融合した魔神の欠片に宿る魔神の意思が表面化してきたということか。

…ややこしいな。


迷宮核(ダンジョンコア)を取り込み勢力を増やしていたというのに、貴様のお陰で台無しだ』

「俺の?」

『貴様がラストガーディアンを刺激したことで迷宮核(ダンジョンコア)が暴走しおった。我の力を使い、迷宮内の魔物を取り込んでいきラストガーディアンに取り憑いた。その執念はすごいものであったぞ』


本来の迷宮核(ダンジョンコア)に意思は存在しないそうだ。

それが魔神の欠片が融合したことで意思が生まれた。


「…俺のせいだと?」

『そうだ。少し代わってみようか』

「…」


俺と黒白の王とのやり取りに他の皆は無言を貫く。

どうやら任せるということらしい。


『赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サナイ赦サ………と、こんな感じだな』

「今のが迷宮核(ダンジョンコア)の意思だと?凄まじい恨まれようだが俺が何かしたか?」

『貴様がラストガーディアンをここから出すと約束してしまった。こいつは私の力、そしてラストガーディアンの力で更なる高みへと昇るつもりだったのさ』

「ふーん」


それは悪いことをしたかもしれない。

確かに黒白の王と先に契約をしていたのは迷宮核だ。

後から来てパートナーを取られるようなものかもしれない。


しかし


「知ったことか」

『何?』

「俺は俺のやりたいようにするだけだ」


黒白の王は自由を望んでいた。

俺はあいつを自由にしたいと思った。

それだけの話だ。


「それに、破壊神様よ。俺はお前に言った筈だ。全てのお前は俺が斬ると」

『くくくっ、貴様にある称号はそれ故か。しかし、その我は我であって我ではない。この状態になり我の意識は分裂してしまったからな。他人と同じであるよ。だが面白い。貴様は何者だ?』

「俺はただの冒険者だよ」


斬鬼をしまい、取り出すのは竜殺しの神刀。

天羽々斬が俺の意思をくみ取りその刀身を伸ばす。


『これほどの力を持つのにか。竜の力ばかりでなく、神の力までも操るとは。既に人とは言えまい?』

「そうかもしれんな。だが、関係ない。俺は俺だ」


竜の力にも、神の力にも取り込まれたりはしない。

俺は俺として俺の道を行く。


《称号「奔放不羈」を獲得しました》


『面白い。実に面白い』


《称号「破壊神の興味」を獲得しました》


『面白いぞ、冒険者。なれば我を斬ってみよ。ラストガーディアンごとな』

「俺に指図するな。俺が斬るのはお前と、狂った迷宮核だけだ」


魔神の言うことなど聞かない。

方法は絶対に在る筈だ。


話は終わりとばかりに神刀を構える。

そんな俺の雰囲気を察してか他のみんなも戦闘態勢を取った。


エリュトロスの口から火が漏れ、アステールが翼を大きく動かす。

クロの身体が薄く光始め、ケイトが矢をつがえた。


『やってみるがよい!』


黒白の王はそんな俺達を見ながら一つ柏手を打つ。

まるで神に祈るかのように。

魔神がそんなことをするとは不思議なこともあるものだ。


俺達に特に影響はなく、一体何のつもりであったのか。

そう思っていた矢先。


《スキル「封印術」を習得しました》

《スキル「封印術」がオリジンスキル「魔法」へと統合されます》


封印術だと?

その時俺の脳裏に前にここに来た時のことが、正確に言えばその時戦った魔族の男の声が思い起こされた。


『魔法さえ使えたら貴様たちなんぞに!』


「まさかっ!?」


俺は魔法を発動しようとするが、どうも自分の中の魔力にうまく意思が伝わらないような感覚がある。

こんな感覚は初めてであり、もちろん魔法も発動できない。


「魔法を封じられたのかっ」

『くくくっ、この技はラストガーディアンの技であるがな』


黒白の王の背後に、魔法陣が展開される。

こちらは使えないというのに自身は使用できるらしい。


『さて、来るがよい。魔法を使えぬ貴様がどうやって我を、黒白の王を倒すというのか。見物であるな』


面白くてたまらない、というように口の端を釣り上げる黒白の王。

その顔は見るに堪えない程の嫌悪感をもたらした。


「そんな顔をするな」

『なんだと?』

「そんな顔をするな、と言っている」


あいつはそんな人をあざ笑うような顔をする奴ではない。


「俺の友人を返してもらう!」


言葉と同時に空中を蹴る。

竜の翼でなく、スキル<天足>によるものだ。

脚力に任せ、俺は黒白の王へと一瞬で肉薄した。


「さぁ、第三ラウンドだ!」


神刀を振るう。

黒葉周 17歳 男 

種族:???

冒険者ランク:A

HP:11200

MP:∞

魔法属性:全

<スキル>

格闘術、剣術、槍術、棒術、弓術、刀術、棍術

身体強化、完全回復

馬術、水中行動、天足、解体、覇気、看破、隠形、危機察知、魅了、罠解除、指揮、並列思考

耐魅了、耐誘惑、耐幻惑、恒温体

礼儀作法、料理、舞踊

<ユニークスキル>

天衣模倣マスターコピー完全なる完結ジ・エンド・オブ・パーフェクト全知眼オールアイ識図展開(オートマッピング)天の声(アナウンサー)竜の化身(ドラゴンフォース)万有力引(エナジードレイン)

<オリジンスキル>

魔法(+封印術)

<称号>

「知を盗む者」、「異世界からの来訪者」、「武を極めし者」、「すべてを視る者」、「竜殺し」、「下克上」、「解体人」、「誘惑を乗り越えし者」、「美学に殉ず者」、「魔の源を納めし者」、「全能へと至る者」、「人馬一体」、「無比なる測量士」、「翼無き飛行者」、「竜の友」、「破壊神の敵」、「半竜」、「湯治場の守護者」、「妖精の友」、「底なしの動力源」、「戦闘狂(バトルジャンキー)」、「深淵へ至りし者」、「逸脱者」、「神…????」、「人を辞めし者」、「奔放不羈」(new)

<加護>

「??神の加護」、「創造神の加護」、「破壊神の興味」(new)、「戦と武を司る神の加護」、「知と魔を司る神の加護」、「生と娯楽を司る神の加護」、「死と眠りを司る神の加護」、「大海と天候の神の加護」、「鍛冶と酒の神の加護」、「炎竜王の加護」、「妖精女王の加護」


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