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とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第七章 秘められた真実「深淵の森再び」編
178/358

第152ページ その女の名は

昨日は中途半端な位置で投稿されていたようです。

大変申し訳ありませんが前話を加筆しておりますのでそちらからお読みください。

「深淵の森に人…?」


いや、人がいること自体は構わない。

俺達以外にも冒険者が入っている可能性はあったのだ。


問題はそこではない。


「地図に映っていないないだと?」


頭に映し出されている地図に、あそこに人がいるとは表示されていない。

こんなことは今まであり得なかった。

意識して表示を切っていれば別だが、現状俺は動物や虫を除外した生物全てを表示するように設定している。

一度確認の為に動物・虫の設定を入れていたのだが、今はいつも通りだ。


どちらにしろ人がいるのならば表示されないわけはない。

第一この距離まで近づかれていたのなら、俺とアステールが気付かないわけがないのだ。


「何者だ?!」


女を観察しながら、少し強めに言ってみる。

歳は20代後半から30代前半といったところ。

黒髪に超絶美人というわけではないが、整った顔立ち。

スタイルは良く、逆に言えばスタイルがわかるほどの軽装。

何も持っておらず、冒険者にも見えない。


「あら、女性に名前を聞くならまず自分が名乗るべきよ?」


いたずらっぽく笑う女。

だがその顔に邪気はなく、警戒している感じもない。

どこまでも余裕そうだ。


「…シュウ・クロバだ。こいつはアステール」

「クルゥ」

「ケイト・トゥーリです」


俺達が名乗ると、女はクスリと笑いフワリと浮かび上がる。


「なっ!?」


《オリジンスキル「魔法」を習得しました》

《全ての魔法系スキルが統合されます》

《条件を満たしていません。オリジンスキル「魔法」がロックされます》

《称号「深淵へ至りし者」を獲得しました》

《MP上限が破棄されました》

《ユニークスキル「万有力引(エナジードレイン)」が発動します》

《オリジンスキル「魔法」のロックが部分的に解除されます》

《称号「全…………エラーが発生しました》

《称号「逸脱者」を獲得しました》

《称号「神掛(かみかけ)」が変質します》

《称号「神……………………介入を開始》

《「??神の加護」を獲得しました》

《「創造神の加護」を獲得しました》

《「知と魔を司る神の加護」を獲得しました》

《「死と眠りを司る神の加護」を獲得しました》

《対象の身体を保護。修復。再生を開始》

《完了》

《種族判別ができません》

《称号「人を辞めし者」を獲得しました》


「ぐっあぁっ!?」


一斉に鳴り響いたアナウンス。

だがそれはいつもとは違い重く頭の中に響いた。


身体の中から湧き上がる力。

外から急激に取り込まれる力。

体中に激痛が走る。


「シュウさん!?」

「クル!?」


心配して叫ぶ声を聞きながらも、俺はそれに答える余裕がない。

一瞬<天足>がうまく使えなくなり、グラリと揺れる。

それを支えてくれたのは、穏やかに俺を包む風だった。


「…どうしたの?」


女が聞いてくる。

だが、俺はそれに答えられずただ見返すだけだ。


痛みは引いて行き、それどころか身体が軽く感じられる。


どうしたというのか。

自分でもわからない。


オリジンスキル?魔法?エラー?介入?人を辞めし者?

何やら不穏な単語も聞こえた気がする。

今すぐにステータスを確認したいが、ジッと見つめてくるこの女から目を逸らすのは得策ではない、と本能が訴えている。


「そう…あなたがそうなの」

「何の話しだ?」

「いいえ、まだあなたには早い話しよ。いずれわかるわ」


女は全てを見透かしたようにそう言うと、俺達のすぐそばまでやってくる。

これ程近づかれても地図には映っていない。

一体どういうことだ?

この女は何者なんだ?


「とりあえず私の家までいらっしゃいな。空の上でお話は素敵だけれどゆっくりとはできないものね」


まぁ私はできるけど、とニコリと笑う。

俺はケイトと顔を合わせ、ケイトが頷くのを確認してから女に頷きを返す。


女はそれに更にニコリと笑うと、そのまま踵を返した。

家までは空中を行くらしい。


俺達は黙ってそれについて行く。


「どう思う?」

「どうとおっしゃられましても…異常だとしか…」

「だよな」


ケイトにもこの女が異常だということはわかっているようだ。

先程から腰に差した短剣に手が伸びているのがその証拠である。

だが、逆に俺は斬鬼に手をかけていなかった。


抜いても勝負にならない気がするからだ。


圧倒的な力の差を感じる。

アレックスにも感じたが、彼のように畏怖を生じさせる何かがあるわけではない。


あくまでも自然。


しかしこの深淵の森にありながら、そして深淵の森の奥。俺とベンでさえ進もうとはしなかったAランク、Sランク以上の魔物が生息する場所に向かっていて尚、彼女はその自然さを崩さない。


彼女にとってはこれが通常だと。

これこそが日常だと。

そう言っているかのように。


「そう緊張しなくていいわよ。取って食べたりしないから」


振り向きながらそう言う彼女に、俺達は何も言えない。

そんな俺達をクスリと笑ってから、彼女はまた前へと進みだす。


しばらく進むと、森の一角に開けた場所が。

そこに不自然な程立派なウッドハウスが建てられているのが見えた。


「おいおい正気か?」


何度も言うがここは深淵の森。

間違っても人が定住しようなどと思うことは無い。

しかも既に高ランクの魔物たちが跋扈する所であり、ここら辺はあの闇の影響もなかったのか、赤く大きな光点がいくつも確認できる。

間違いなく一対一で相対したとしても手間取る魔物達だ。


「ようこそ私の家へ。改めて自己紹介するわ、私はイザベラ・フェンガリ。よろしくね」

「イザベラ・フェンガリ!?」


女の名前を聞いて驚きの声を上げるケイト。

信じられないというように目を見開いている。


「知っているのか?」

「…この世界に二人しかいないSSS(トリプル)ランク冒険者。『魔女』と呼ばれる人です」


女、イザベラはニヤリと笑って驚く俺達を見ていた。

黒葉周 17歳 男 

種族:???

冒険者ランク:A

HP:11200

MP:∞

魔法属性:全

<スキル>

格闘術、剣術、槍術、棒術、弓術、刀術、棍術

身体強化、完全回復

馬術、水中行動、天足、解体、覇気、看破、隠形、危機察知、魅了、罠解除、指揮、並列思考

耐魅了、耐誘惑、耐幻惑、恒温体

礼儀作法、料理、舞踊

<ユニークスキル>

天衣模倣マスターコピー完全なる完結ジ・エンド・オブ・パーフェクト全知眼オールアイ識図展開(オートマッピング)天の声(アナウンサー)竜の化身(ドラゴンフォース)万有力引(エナジードレイン)

<オリジンスキル>

魔法(new)

<称号>

「知を盗む者」、「異世界からの来訪者」、「武を極めし者」、「すべてを視る者」、「竜殺し」、「下克上」、「解体人」、「誘惑を乗り越えし者」、「美学に殉ず者」、「魔の源を納めし者」、「全能へと至る者」、「人馬一体」、「無比なる測量士」、「翼無き飛行者」、「竜の友」、「破壊神の敵」、「半竜」、「湯治場の守護者」、「妖精の友」、「底なしの動力源」、「戦闘狂(バトルジャンキー)」、「深淵へ至りし者」(new)、「逸脱者」(new)、「神…????」(change)、「人を辞めし者」(new)

<加護>

「??神の加護」(new)、「創造神の加護」(change)、「戦と武を司る神の加護」、「知と魔を司る神の加護」(change)、「生と娯楽を司る神の加護」、「死と眠りを司る神の加護」(new)、「大海と天候の神の加護」、「鍛冶と酒の神の加護」、「炎竜王の加護」、「妖精女王の加護」


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