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とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第六章 迫り来る脅威「王都星天会議」編
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第117ページ 辺境の様子

体調も回復し、数日後。

ようやくお許しが出た俺は、ガイアへと一度戻り様子を見にいくことにした。

俺が回復したことも伝えなければならないしな。


というわけで、シュレルン家の面々に見送られながら俺は空間魔法でガイアへと戻ってきた。


---


「お!シュウじゃねぇか!戻って来たのか?」

「またすぐに出るがな」


今日中にはまた王都に行く予定なのでアステールはシュレルン家でお留守番だ。


今回も南門への転移だ。

そこには、またもやオプスがいた。

こいつは俺担当とかではないんだよな?


「ほい、確認完了だ」

「俺の出入りはいつもオプスな気がするな」

「そう言われるとそうだな!はっはっは!偶然は怖いぜ!」


別に俺の担当ではないということなのか…

謎だ。


「お疲れさん」

「ああ、お疲れ様」


俺は気にすることでもないか、と街へと入る。

最初に行くのは、冒険者ギルドだ。


---


「シュウさん!」

「久しぶりだな、レイラ」


前回アキホから帰って来た時にはレイラはちょうど休日だったので会わなかった。

かれこれ半年以上ぶりということになるかな。


「ご活躍は伺っていますよ!」

「やめてくれ…」


そんなキラキラとした笑顔で言われることじゃないんだ…

一体どういう風に伝わっているのか。


「また魔物襲撃があったそうだな?」

「はい…」


ここに来るまでに街の様子は見てきた。

被害はあまりないと聞いていたが、それでも街の所々には戦いの痕が見受けられた。


壊れた窓や、屋根。

怪我を負っている人も中にいる。


東よりはマシであるはずなのだが、それでも自分の知っている街がこういう状況になっているというのは、いい気分はしない。


「ギルド長はいるか?」

「お待ちください」


レイラがギルド長の部屋へと確認に行ってくれた。

その間に冒険者ギルド内を見る。


ギルド内にある酒場には、昼前だというのに既に酒を飲んでいる冒険者の姿が。

その中には顔見知りもいた。

何人かが手をあげて挨拶してきたりするのに返して、依頼掲示板を見る。


掲示板には、建物の修復などが多く。

襲撃していきた魔物の残党狩りというのもあった。


「お待たさせしました、シュウさん。こちらへどうぞ」


戻って来たレイラに案内され、もう馴染みとなったギルド長への部屋へと通される。

俺が中へと入るとレイラは一礼して戻っていく。


「帰って来たのか、シュウ」

「今日中には王都に戻る。今日は確認だけだ」

「ふっ、忙しいことだな」

「そうでもないさ。それで、襲撃の方はどうだったんだ?」

「ああ…」


いつも快濶としているグラハムの顔に、珍しく暗い表情が浮かんでおり、疲れが見える。

今回の襲撃でもグラハムは暴れたらしいので、その疲れもあるのだろうが、それ以上に机の上に積まれている書類の量が尋常ではない。

元々グラハムはそういった事務仕事が好きでない、と言っていたしその疲れもあるんだろう。


グラハムの話により、今回の襲撃が詳しくわかった。


今回の襲撃では、前回の襲撃のようにゴブリンが千人強ということはなかった。

その代わり、どこから集めてきたのかCランク以上の魔物が100体ほど。


数だけで見れば少ないが、今回は襲撃に対する備えも何もなく、辺境伯もギルバートもいなかったので、一時街は混乱に陥った。

グラハムとマインスがどうにか場を落ちつけさせ迎撃することでなんとかなったという感じであるそうだ。


「今回の件で、ドーンはその活躍をギルドに認められた。Sランクの試験を受けることになる」


と、これは少し嬉しそうにグラハムが言う。

ドーンはガイア出身の冒険者であり、グラハムとは冒険者時代から付き合いがあったそうだ。

弟か何かのように喜んでいるのだろう。


だが、そのドーンも重傷ではないのだが、怪我を負ったという。

見舞うほどのことではないというが、それだけの激戦だったのだろう。


「魔族はいたのか?」

「ああ。今回は隠す気もなかったようだ。だが、あまり強いやつはいなかったな。俺が軽く倒せるくらいだ」


その基準はどうだろうか?

グラハムクラスだと、A級くらいまでは軽く倒せるだろう。


俺はグラハムに情報の礼を言ってから、知り合いのところに顔を見せる。

マーザさんたち雄牛の角亭の面々も、武器屋の親父さん親子も、ファーシー達も怪我もなく元気であった。


最後に俺は辺境伯の下へと顔を出すことにした。

今は、辺境伯城により溜まっていた仕事と、新たに生まれてしまった仕事を片付けることに精を出しているらしい。

手伝えと言われる前に帰ることにしよう。


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