表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある冒険者の漫遊記  作者: 安芸紅葉
第五章 王都までの道中「花の谷と妖精郷」編
106/358

第88ページ 戻りて後の一騒動

それからは、地球の話をして過ごした。

ティア女王は、悲しそうな顔を取り繕うように、俺の話を笑顔で聞いていた。


時間は過ぎ、気づけば朝だという。

アステールは家に入らず、妖精たちと遊んでいたはずが、俺が外に出てみると一緒になって寝ていた。


アステールをベッドのようにして寝ている妖精たちを見ると、なんだか微笑ましくて、女王と顔を合わせて笑ってしまう。


「妖精は、疑うという心を持ちません。人によって狩られていた時期もありました。しかし、どうにかこの世界を創り、逃げ込んだのです」


話す女王は、また何かを憂う表情をしていた。

まるで、それが自分の責任であるかのように語る。


「ここでは笑って暮らせますが、だからこそ人にはここの存在を秘匿せねばなりません。しかし、妖精とは人と共に生きるモノです。私たちは、本来ならば自然に棲み、家に住み、人と共に在るモノなのです。ここでの暮らしは所詮、仮初の幸せでしかないのですよ」

「…」


ここに来たとき、妖精たちはそれはもう楽しそうにしていた。

それは人と会うのが久しぶりであったからなのか。


妖精と共に生きる筈が、人が関わり方を誤ったせいで追いやられてしまった。

その悲しみはいかほどであったのか。

想像もつかない。


「俺でよければまた来るよ」


そう言うと、女王はそれはもう幸せそうに微笑んだ。


「是非いらしてください。貴方の旅路に、幸あれ」


《「妖精女王の加護」を獲得しました》

《称号「妖精の友」を獲得しました》


---


目を開けると、朝日が眩しい。

池は静かに動かず。

花々を風が揺らしている。

二人の子どもの姿はなく、人の気配もしない。


まるでさっきまでのことは夢であったかのように思えるが、胸に輝くペンダントが現実であったと伝えてくる。


女王の話では、妖精郷への入口はここだけというわけではなく、自然に囲まれた池や湖からならばだいたいは行けるらしい。

このペンダントは、その通行証も兼ねているそうだ。


「綺麗な場所だったなアステール」

「クルゥ」


眠そうに欠伸をするアステールを撫でながら呟く。

綺麗な場所で…綺麗な人だった。

口に出しては言えないが。


「戻るかアステール」

「クル」


俺たちは、宿屋へと戻る。

もう朝なのであまり寝れないが、昼には出発すると言っていたから少しは寝ておきたいところだ。


---


ベッドに戻り、一眠りすると何やら外が騒がしくなっていた。

またトラブルか、とヤレヤレと思いながら部屋を出る。


俺の部屋は、一応護衛ということなのでラッセン辺境伯の隣の部屋だ。

俺とギルバートで挟むようにして辺境伯は休んでいる。


隣の部屋をノックし、名乗る。

入れの声が来てから部屋に入ると、ギルバートとフランチャー子爵がいた。


「ちょうど呼びに行こうと思っていたところだ」

「何かあったので?」

「それがな…」

「私から説明致します…」


フランチャー子爵によると、今朝方早くのことだが、何者かがビークイーンの巣に攻撃をしたそうだ。

まだ解析が済んでいないが、何らかの魔法薬によるもので、幸い巣に目立った被害は出なかったが、蜂達の何匹かが身体を痙攣させた。

命に別状はないようだが、当分は安静にしておく必要がある。


ビークイーンはこのことを怒り、フランチャー子爵に犯人を差し出せと要求。

子爵はこれを受け、現在調査中であるということだ。


「それで?」

「それで…シュウ様に調査を依頼したく…」


なるほどね。

俺はチラリとラッセン辺境伯を見る。


現在俺は、辺境伯の依頼を受けている身だ。

どうするかは辺境伯が決めることだろう。


その視線を受け、辺境伯は少し考えたあと頷いた。


「わかりました。お引き受けいたします」

「ありがとうございます!」


報酬は蜂蜜がいいな。と思いながら、俺は差し出された子爵の手を握る。


黒葉周 17歳 男

冒険者ランク:A

HP:11100

MP:12000

魔法属性:全

<スキル>

格闘術、剣術、槍術、棒術、弓術、刀術、棍術

基本六魔法、氷属性魔法、空間属性魔法、無属性魔法、神聖魔法、暗黒魔法、魔法陣術、召喚術

馬術、身体強化、魔力制御、完全回復、天足、覇気、解体、看破、隠形、危機察知、魅了、罠解除、指揮

耐魅了、耐誘惑、耐幻惑

礼儀作法、料理、舞踊

<ユニークスキル>

天衣模倣マスターコピー完全なる完結ジ・エンド・オブ・パーフェクト全知眼オールアイ識図展開(オートマッピング)竜の化身(ドラゴンフォース)

<称号>

「知を盗む者」、「異世界からの来訪者」、「武を極めし者」、「すべてを視る者」、「竜殺し」、「下克上」、「解体人」、「誘惑を乗り越えし者」、「美学に殉ず者」、「魔の源を納めし者」、「全能へと至る者」、「人馬一体」、「無比なる測量士」、「翼無き飛行者」、「竜の友」、「神掛かみかけ」、「破壊神の敵」、「半竜」、「湯治場の守護者」、「妖精の友」(new)

<加護>

「創造神の期待」、「戦と武を司る神の加護」、「知と魔を司る神の期待」、「生と娯楽を司る神の加護」、「鍛冶と酒の神の加護」、「炎竜王の加護」、「大海と天候の神の加護」、「妖精女王の加護」(new)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ