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2/10

part2

更新遅いです。ごめんなさい。

「とりあえず、パーティーを組まないとどうしようもないな」

辺りは静かで、周りに物音はしない。

あ、あれ? 死神って、足あったっけ? 浮いてたら、足音も何もないから、もしかして……

そ~っと影から覗いてみる。

「おわっ!?」

「きゃっ!?」

覗いてみたところ、少女が出てきた。

「ご、ごめん。大丈夫か?」

改めて見ると、何とも言えぬほど可愛い少女だった。髪は茶髪に染めているのに落ち着いている。

「こ、こちらこそ。ごめんなさい」

プレイヤーネーム……七姫ななき星歌せいかか。

このゲームでは、プレイヤーの頭上に名前が出るようになっていた。

「えっと――」

「ひっ!? ごめんなさいごめんなさい、許してください!」

普通に会話しようとしただけなのに、怖がられてしまった。

「な、なんで怖がるのかな?」

達也たつやは、おそるおそる聞いてみた。

「えっと。だってここにいる人はみんな犯罪を起こした人でしょ?」

小さい声で聞き取りにくかったが、納得した。

「い、いや~。その考えには至らなかったな。あ、あはは……」

やばい。そういやそうだった。このゲームは犯罪者だけが集まっているゲームだった。

自分がパーティーを組んで戦うなどバカげたことを考えていたことに乾いた笑い声しか出なかった。

「……でも、君は何かいい人そうに見えるなぁ」

「そうかな?」

「うん」

「…………」

「…………」

やばい。さっきと違う意味でやばい!

そんなに女子と話したことのない達也にとって、何をネタに話せばいいかなんてわかるはずもなかった。

不良ふりょうは遠ざけられる存在だ。教師たちも生徒たちも怖がって近づくのを避けてくる。

別に不良になりたくてなったわけじゃない。裏道うらみちを歩いてたら、声をかけられて、喧嘩けんかしたのを見られただけだ。そういった悪いうわさ拡散力かくさんりょくが強い。一躍いちやく、俺は不良に。当然女子との会話もなくなる。だから、こういうシチュエーションは苦手になったってわけだ。

「そ、そうだ。君のことについて教えてくれないか?」

何言ってんだ。ナンパしてるみたいになるだろ!

「……うん」

躊躇ためらいながらも彼女はゆっくり口を開いた。



このひとは、なんかいい人そうだなぁ

星歌は迷っていた。簡単に信用してもいいのか……と。

「……別に……わけじゃない…………」

さっきから、なんかぶつぶついってるし……。

「そ、そうだ。君のことについて教えてくれないか?」

何を唐突に……もしかして、何か心配してくれてるのかな?

「……うん」

一応信用してみようかな……。仲間は多いほうが良いし。

星歌はゆっくり話し始めた。

「私の罪は、万引きです」

「えっ!」

彼は口を開け、驚きの顔で私を見ている。どうしたんだろ? 私の後ろに何かいるのかな?

振り返ってみる。……何もいない。だけどまだ表情を変えていない。何が原因なんだろう?

「あ、あのさ……」

「はい?」

「君は、万引きしたって認めてるの?」

「……あ」

なるほど、そういうことか。この人は、あっさり犯罪を認めたことに驚いてたんだ。

「違います違います! 客観的に見たらそうなると思って……」

「あぁ。なんだ、続けて続けて」

「本当はこうなんですよ」

星歌は話を進めた。



いや~。びっくりした。俺の誤解でよかった。

「それでですね。私は覚えがないんですけど、カバンの中にパンとペットボトルのジュースが入ってたんです」

……あれ? 二重人格? 

「それで、店員さんに話したら、店の奥に連れて行かれて監視カメラを見てもらったら……」

「見てもらったら?」

「商品が、勝手にカバンの中に入っていくんですよ。信じられませんよね……」

彼女は少し寂しげに笑っている。

俺のときと似ている。この人も誰かにハメられたか。

「いや、信んじるよ」

「ホントっ!?」

今度は、ひまわりが咲いたように笑顔になった。うん。やっぱり笑顔の方がいいな。

「なんか似ているんだ。俺のときと……」

それを聞いた彼女は神妙な面持ちになった。

「君の話を詳しく聞かせてくれない?」

「う、うん……。それで、勝手に入ってくところを見ても、店員さんには、私が、それを手でとってカバンに入れているようにしか見えてないみたいで……。それで、親を呼ばれたんだ。……ごめん。私ここからの記憶がないんだ。気絶しちゃったみたいで……」

詳しいことは、まだわからないか。とりあえず、この件は後々、調べていくか。

「あ、あのさ! あなたのこと教えてくれない?」

口調がさっきよりも親しげになっているような気がするけど、心をちょっとくらいは開いてくれたのかな?

「いいよ。俺が犯した罪は殺人ってことになっていると思う」

彼女は一瞬顔をこわばらせたが続ける。

「俺は、子供を銀行強盗から守ろうとして、強盗に蹴りを入れたんだ。そうしたらATMにぶつかったんだ」

そう、ここまではいいんだ……。

「そのあと、ATMがl浮いて(・・・)強盗の方に落ちてきたんだ。それで強盗は死んだ」

「……えっと、ごめん。よくわからない点があったんだけど。浮いたってどういう意味?」

そう、そこなんだ……。何にも持ち上げられていないATMが浮いてしまったんだ。俺の見間違えじゃなければだけど。

「一瞬じゃなくて、誰もそのATMのそばにいなかったのに、ATMはその場に浮いてたんだ。まるで、人が持ち上げたみたいに」

「――それって私の万引きに似てるよね?」

「うん。だから、俺より詳しく知っているかもしれないと思って聞いたんだ」

彼女からは、もう聞きだすのは無理かな。とりあえず、一人じゃ危険だ。どうにか一緒にきてくれな――

「あ、あのさっ! 私も一緒に行ってもいい?」

「……」

ラッキー! 会話能力が低いから、助かった!

「や、やっぱりダメだよね……」

「あ、違う違う! ちょうど、危なそうだから一緒に来てくれないかって思ってたとこだったんだ。よかった」

「ほんとにいいんですか?」

「いいよ。よろしく、星歌ちゃん」

「よ、よろしく。あれ? なんで名前知ってるの?」

あれ? まだ気づいてなかったのか。

「頭の上」

自分の頭の上を指差しながら、星歌の目を達也の頭の上に持ってこさせた。

「羽島……達也さん?」

「そう。このゲーム、頭上に名前が出るみたいなんだ。それと、さん付けはやめてほしいな。俺、十六歳だし」

「私と同じだね。じゃあ、達也くんでいい?」

やっぱり同じくらいの年だったか。それと、その不意打ちの覗き込みながらの笑顔は、女子と接する能力の低い俺には心臓に悪い!

顔立ちがいいせいで、周りにキラキラと星が飛んでるように見えた達也は、恥ずかしくなり顔を逸らした。

「そ、それでもいい。俺の方は、星歌ちゃんって呼んでたけどいいかな?」

「うん!それでいいよ!」

眩しい笑顔をここ数年向けてこられなかった達也にとって、精神を揺さぶられる瞬間だった


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