堕天使
――あたし天使なの。
貴方を幸せにしてあげるわ。
彼女はそう微笑んだ。
ぼくは彼女にすがった。
彼女がぼくのそばに
いてくれるようになってから
ぼくの成績は伸び、
部活でも優勝を飾り、
バイトでも大金が手に入るようになった。
だけどぼくのまわりから
人間がどんどん消えていった。
ぼくは寂しくなった。
だから彼女に言ったんだ。
――まわりにひとがいなくて
とても寂しい。
こんなんじゃ幸せじゃない。
その言葉を聞いて振り返った彼女は
口元を血で真っ赤に染めていた。
彼女の足下には
人間の残骸らしきものが
たくさん転がっていた。
彼女は言った。
――なに言ってるの? 寂しい?
そんなの知らないわ。
あのね、教えてあげる。
自分にとっていいようにするにはね、イラナイマワリノヤツヲハイジョスレバイイノヨ。――
彼女は笑った。
ぼくは彼女が天使などではなかったことをこのとき知った。
――サミシイナラヤツラノトコロヘツレテイッテヤルワ。
ぼくがその後どうなったかは
ぼくさえも知らない。
あらら( ̄^ ̄)
いつになったら
あたしは素直な明るい小説を
書けるようになるのでしょう。
この子もまぁまぁ
気に入ったのでよし、です。←
堕天使――。
悪魔と違って仮にも『天使』で
あることこそが
一番残酷で、一番皮肉ですね。
よかったら
感想やご指摘等よろしくです。*