第4話
「お、おはよう……ございます……」
ご飯だー! コーヒーだー!!
……と喜びたい所だけど……どうしてもきまずい
ねぇロイ? どうして目を合わせようとしないの……?
「ヒメちゃん!! どうしたの! その格好!!」
――――レン
「あ……キャメロンさんにして頂いたんです」
「可愛いねぇ♪ イヤ元から可愛かったけど可愛さUPじゃーん?」
朝からなんなんだコイツは。
はぁ……
「……そんなことありませんよー」
笑ってみたけど私……ちゃんと笑えてるかな……?
持とうとしていたフォークとナイフをカチャン……と戻す。
なんか……もう自分が何考えてんのかも分かんないよ
「ヒメちゃん? 食欲ないのー?」
レンが本気で不安そうに聞く。
「……え? あ、そんなことないですよー? めちゃくちゃ食欲ありますって!!」
「だって……さっきから手つけてないんじゃない?」
そういえば……手つけてないかも……
「……大丈夫? 気分悪い?」
「あっいえ全然気分は―――」
気分が悪い、とかそんなんじゃない。
私は――――
私は……?
「ばーか。そんなんじゃねーよ」
「……ルっルカ!」
「ねぇ姫?」
またニヤついた顔で言うルカ。悔しいけど……多分当たってる。
バレてないって思ってたのにな
「……来いよ」
「……ヤだ」
アンタと二人っきりになるなんて先が知れてる。
「来いって」
「……だからッ嫌だってば!」
そう叫ぶとルカは少し顔を歪め、思いっきり引っ張った。
――――私の腕を。
「――――――きゃ」
「――え……ヒメっ!」
遠のいていくレンとキャメロンさんの声も虚しく扉は閉まった。
――バタン――
……なんの為に私を連れてくの
ルカは無言で前だけを向いて、でもちゃんと私の腕を握って真っすぐ歩く。
その手は何かを守る様に何かを隠す様に。
そして急に止まった。
「……? ルカ、何……」
「ロイが居たから」
「……え」
「ロイが居たからあんな表情してたの?」
「……あんな表情ってなによ……」
……なんでこんなこと一々聞くの?
……なんでそんなに私の事見てんのよ
「そんな事聞かなくても自分が一番気づいてるでしょ?」
「ルっルカに関係ないじゃん!!」
なんなの……昨日からずっとロイ、ロイって訳分かんない事ばっか言って
「関係あるよ」
「……関係ない……」
「……じゃあ好きって言ったら?」
……え
好き? 誰が? 誰を……
「――――姫の事をずっと見てきたんだ。何年も前から」
何年、も前から……?
「ずっとずっと見てきた。……けど今まで我慢してきた。ここに連れてくる事を。
……でも“あのこと”があってから俺は決意したんだ」
……決意。
“あのこと”……
「貴女をここに連れてきて俺のものにする事を」
……俺のもの?
色々な疑問の中でハッキリと聞こえた言葉。
“オレノモノ”
「なのになんでそんなに嫌うの?」
ルカは手を伸ばして哀しげに私を見つめる。
「……いっ……や」
「ずっと想ってきたんだよ? ……ロイには嘘をついてしまったけれど貴女を手に入れる為なら罪悪感なんて感じなかった」
「……っ」
「姫は俺だけのものなんだ」
「――――っ! ふ、ふざけないでっ……!」
私はものじゃない。
「なんで? ふざけてないよ俺は姫だけを想ってきたんだから」
そう言ってルカは私の腰に腕をまわす。
「な、によ……」
またあんなことされるわけ……?
ルカは天使の様に微笑みながら
「……コレ♪」
そう言って一枚の紙切れを見せた。
え??
「……って、しょ、招待状……?」
丁寧な文字で“招待状”確かにそう書いてある。
「……ん。コレ有名なパーティーなんだけど招待されてんだよ俺! 誰か一人連れてくる様に言われたから姫! 一緒にいこう?」
「……べ、別にいいけど……それだけ?」
「何? もしかして期待してた?」
ルカはニヤっと笑って私の耳元で甘く囁く。
「……っ! そんな訳ないじゃない!!」
「ふーん?」
まだニヤついてる……
本当ルカって分かんない……
「分かんない? じゃあもっと知ってよ」
……また心読んだのね……
……なら
「Please tell me you.」
真面目な口調で言った言葉。
その言葉と口調にルカは一瞬目を見開いたけれど
……初めて何かを知りたいと思った高校一年生の夏。
「まずはこのパーティーで」
教えてと言って返ってきた返事はYes。
*
――現在夜――
「あぁあぁぁぁ゛~……何であんな事言っちゃったんだろ……」
―――『Please tell me you.』
……私に貴方を教えて下さい
「……ありえねぇぇぇえ!!」
私はキャメロンさんに貰った部屋でキンキンと叫ぶ。
……今にも隣からクレームがやってきそうだ。
でもありえない。
なんであんな奴の事を知りたいなんて思っちゃったんだろ。
奴の事は知ってるはず。
変態な所とか、変態な所とか、変態な所とか……
って全部変態じゃねーかよッ!!
……もうルカの事は考えない様にしよう。
頭がおかしいのが移りそうだ。
そう思いながら、ふと目についたカーテンから見える夜景。
「……キレー……」
こんな異世界の癖に私の元の世界よりも綺麗なんじゃないかと思う位に綺麗だった。
幻想的な色。
澄んだ空気。
大きく見える満月―――
「知ってる? 満月の夜にはねこの世界ではヴァンパイアが変貌するんだよ」
「――――ルカッ!」
またいきなり出てくるんだなこの男は。
……って今なんて言った?
ヴァンパイアが
「……ヴァンパイアが……変貌……!?」
「ん、そう」
ルカは顔色一つも変えずに平然と答える。
「……アンタは? ……だ、大丈夫……なのよね?」
「大丈夫だよ、俺は一応この国の中では優秀な方だし」
……セーフッ
ほっとしながらため息をつく。
「ただ――――」
「……え?」
ただ……ってまだ何かあるの?
「好きな子の前だと極稀に変貌することもあるかな♪」
……あるかな♪ って……
って?
「だから姫の前では変貌するかもねー」
……!!?
「大丈夫だよ姫は大事にしたいし♪」
……でっですよね!
はー焦ったー……つか一々ビビらせんなっつの!!
「でもね? 姫」
「ん?」
「姫、俺の事教えてって言ったよね?」
「……言ったけど……だから何?」
嫌な――――予感がした。
「俺を教えてやってもいーよ」
……教える?
どうやって。
そんな考えはすぐに打ち消された。
だってルカの瞳、なんか―――
「かっ帰って!!」
頭の中で何かの警報が鳴った私はすぐ様ルカに叫んだ。
その叫びも虚しく呆気なくベッドに押し倒される。
「ばっばか! なんですぐこうなるの!?」
「今日は色んな物持ってきたんだ♥」
……色んなもの―――?
持ってきたんだ♥
この口調からヤバいものだと想像する。
じゃーんと言って見せられる前に私はすかさず目を逸らした。
だって絶対
「姫? 見てよ」
「や、やだ……」
だって絶対
危ないもんだもん――――!!!!
そう思った時にルカは私の顎に手を持ってきてルカの顔の前にあるソレを強引に見させられる。
ソレ……とは一つの手錠。
横をちらっと見ると蝋燭等々たくさん。
「あ、ありえねぇええええ!!!」
本日二度目の絶叫。
頭を抱えた私の頭上で鳴った音はあまり聞くことのないカシャンという音。
……
「……マジで……ありえない……」
嘘でしょ?
そう言う目でルカを見つめる。
なのにルカは表情一つも変えずにニコッと笑ってる。
「さてどうしようか♥」
……このふざけた男に天罰をくだしてください神様……
*
「や……めろルカ……」
私、こんなこと知りたくない。
「そんな目で睨んで見ても怖くないから」
心底嫌になる。
なんでこんな奴にまんまと引っ掛かってしまったんだろ。
試しにもう一度角度を急にして睨んでみるけど
……やっぱり効かない
そんなことを考えてるとルカのざらついた舌が私の首に生温かくあたった。
ひゃっと思わず声を漏らすとニヤっと妖艶な顔で笑う。
頭上でされてる手錠の音とルカの首から耳へ移っていく舌の水音、いろんな音がこの部屋に鳴り響く。
「……なん、でルカってこんなことするの……」
こんなことさえしなければ私ルカの事―――
ルカのこと……?
なんだろ……キライじゃない? のかな……
顔を上げるとルカの顔。
でもいつもと違う……?
瞳が……赤。
「――――ッ! いやあぁあぁあ!!!」
気づいたと同時に噛まれる首筋。
私は気を失った。
ごめんなさい(>_<)
文章おかしいっすねww笑
ていうか英語あってますか((゜o゜))!!?
Please tell me you.
(私にあなたを教えて下さい)
だったんですけれども(>_<)
めちゃくちゃ自信無かったんですよね。。
間違ってたら誰か教えてください(>_<)!!
評価、感想、お気に入り登録等心からお待ちしておりますm(__)m