第11話
あの表情、あの声、あの……微かに震える振動。
全部がルカのもので、紛れも無いルカの心情から現れたモノ。
なのに、どうする事も出来なかった、何を言う事も出来なかった情けない私。
……お父さんの「会いたかった」。
あの言葉は嘘じゃないこと位気づいていたのに。
それでも素直になれなくて、臆病者の私。
――――私は一体何をしてるんだろう?
『オマエガゼンブコワシタ』
……誰……?
『オマエノセイデミンナカナシイヒョウジョウ、ウカベル』
……やめて……もうイヤなの。
分かってるから……もうお願い、お願いだから。
言わないで。
『オマエガイナケレバ――』
……私、が居なければ……。
――――――
――――
「……っん」
気づけば頬を伝う涙。でもそんな事は、どうでもよくて。
放心状態になった私は、もう何を考える事も出来なくなっていた。
そんな時、不意に扉のノック音が聞こえた。
――コンコン――
答える気力も無いままで居ると、いつもの朝と変わらない様にキャメロンさんが元気よく入ってくる。
「おっはよ~っ!」と言いながら。
私は、それに答える事も無く、視線を下に落とした。
そうすると、キャメロンさんは大きく頬を膨らましながら、むぅ、とする。
「……どうかした?」
本気で心配そうに、顔を覗き込んでくるキャメロンさん。
それに私は、また嘘をつこうとした。
「低血圧なだけで――――」
だけど、その嘘はキャメロンさんの一言、
「嘘つかなくていいから」
……この言葉で遮られた。
しーん、と静まった部屋。いつもならこんな沈黙が、耐えれないでいるのに。
今日はなんだか、そんな気にはならなかった。
沈黙を破ったのは私。
「……キャメロンさん」
下を俯いたまま小さく、名前を呼んだ。
「……ん」
キャメロンさんは、そんな小さな声にも反応して、ちゃんと聞いてくれる。
でも。
「私って……居ないほうがいいのかな」
この言葉を言った瞬間、キャメロンさんは私の肩を掴んだ。
「何を言ってるの!?」と怒鳴りながら。
「だって、私が居なければ皆――――」
「……黙りなさい!」
途端に、無理矢理合わされた視線。キャメロンさんは瞳を逸らす事無く、ただただ私の瞳を、真っ直ぐと見つめる。その視線に私は、なんだか耐えられず、咄嗟に目を逸らした。
「……あなたが居なかったら、皆こうして笑っていないはず」
「皆……悲しんでるじゃん……私が皆を傷つけてる」
「それは違う。今は大事な時期なの。あなたのせいでルカも、ああなったって訳じゃない」
その言葉に「……え」と小さく声を漏らしながら、不意に顔を上げる。
「分かる?」
そう言いながら重なり合う視線。
「あなたは一人じゃないの、皆が傍に居る、皆が貴女を想って……大事にしてる」
羨ましいくらいにね、と付け加えると、キャメロンさんは呆れた様な表情で、ふっと笑みを溢した。その言葉に、私は涙がボロボロと溢れた。声も……我慢出来ない位に、苦しくなった。
『一人じゃない』『傍に居る』『想って』『大事にしてる』
「……っふ……ぅぅ……ひっく」
悲しい、とか『私のせいで』、とかそんなんじゃなくて、なんだか嬉しくて。
私の傍に居てくれるって言う人が、ちゃんと居るってのが、どうしようもなく嬉しくて。
不安で押しつぶされそうだった、私の心が少しずつ、少しずつ軽くなっていくのが分かった。
「だから……ね? ヒメちゃん……そんな悲しい事言わないで?」
私だって、ヒメちゃんのこと大好きなんだからね。そう付け加えながら、キャメロンさんは『分かってよ』と言わんばかりの表情で見つめた。私は涙が止まらなくて、キャメロンさんに抱きつきながら、ただ泣き続けた。
『ありがとう』そう心の中で唱えながら。
うん……。
う~ん? んー……。
イマイチですね^^;
ちょっと急ぎながら考えた内容で
しばらく書かなかった内に物凄く文章力が鈍った様な
気がしますが……見逃してください><
お気に入り登録数、またまた増えてて感謝ですっ∩^ω^∩
今回も、評価、感想、お気に入り登録、レビュー等心よりお待ちしております゜*⌒(*-ω・)♪