本当に転生したんだな
「ふぅぅ。」
建斗は遠慮なくベットに寝転がった。疲れていた。見知らぬ土地、見知らぬ人々、見知らぬ世界、こんなの疲れないほうがおかしいだろう。
ふと、起き上がって鏡を見た。
「え?」
そこで建斗は初めて気づいた。昨日就寝についたときはジャージを着ていたはずなのにさっき外にいた人々とそう変わりのないこの世界の服になっていた。いや、そんなことはどうでもよいのだ。建斗は若返っていた。
いや?その言い方だとおかしいのかもしれない。若返ったといっても自分の若いころこんな姿をしていた記憶はない。金髪で18歳くらいの男の容姿。身長は170cm体重は60kg程度といったとこだろう。自分の知っていた姿。中本建斗とは全くの別人になっていたのだ。
「どういうことだよ」
確かにさっきから自分の見る景色が少しいつもと変わっており違和感があった。しかしそれはいつもいる世界と違うからだと感じていた。
「はぁぁほんとこれからどうしよ。」
と、建斗は考える。まぁそんなことをしてもどうしようもない。何か能力があるわけでもないからだ。
ふと周りを見渡すと本棚がある。ぎっしりと本を埋め尽くされている本棚だ。建斗は本棚に手を伸ばし1冊本をとる。
「魔法の基礎?」
その本にはこの世界の魔法の仕組みについて事細かく書かれていた。
「なるほど」
本に書いてあったことを簡単にまとめるとこの3つだ。
1つ目
この世界には6つの種類の魔法があるらしい。水、火、風、土、光、闇だそうだ。このほかにも火と光を組合し電気など、魔法を組合して使うこともできるようだ。
2つ目
魔法には5段階のレベルがある。初級、中級、上級、伝説級、神級だ。
初級の魔術は相手にだいたいスライムやゴブリンなど弱い魔物と戦うときにしか使えないようだ。
中級ではゴブリンやスライムであれば100匹程度集まってもギリギリ勝てるくらいのレベルだそうだ。
上級、通常ここまでしか到達できないらしい。上級はデスナイトなどを単独で討伐可能なレベルだそう。デスナイトというのは相当強いらしくゴブリン1万匹と同じくらいの強さがあるみたいだ。
伝説級、これは伝説に残っている4人の最強の魔法使いたちしか到達しなかったらしい。伝説級になると隕石を降らせたり単独で国家を転覆できるレベルの力があるようだ。
神級、これは神のみが到達できるとされているようだ。神級にもなるとこの世界を単独で破壊したり世界の情報の書き換えなどもできるようだ。まぁそれはとても些細な事しか変えられないようだが、神級はこの世界の神とされているアルデラ様とシブリク様が使えるようだ。
3つ目
マナについてだ。この世界のすべての物にはマナが含まれているようだ。椅子やコップ、今手にしている本でさえも少量ではあるがマナがあるようだ。基本的魔法は自分の中にあるマナを使うようだ。マナの量は人によってそれぞれ違うようだ。けどエルフのマナの総量は比較的多いようでこれは体質的な関係らしい。詳しくはあまりよくわかっていない。
この3つが本に書かれていた。最後のほうに書いていたが自分がどれほどのマナを持っているかなどは魔法協会連盟こと魔連の教会で調べることができるようだ。まぁ今はそんなことを言っている暇なんてない。今建斗は一文無しだ。つまり今すぐにでも働いてお金を稼ぐ必要がある。今は善意でこの屋敷に泊めてくれると言っているがさすがにずっといそうろうするのは本当に駄目だ。
「よし」
建斗は立ち上がった。
「今日はしっかり休んで明日ルーナさんと話をして仕事を探そう」
そう考え建斗は眠りへとついた。