表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/84

正徳寺の会見(4)

………

………


「さて、そろそろあのうつけが部屋に入ってくる頃よの。さっそくイジリ倒してやらねばの」


「……お待たせ致しました、(しゅうと)殿。織田信長に御座ります」


「なっ、信長殿。その格好は正装ではないか。なんと立派な……」


「美濃のマムシと恐れられている舅殿との会見に御座りますれば、正装で臨まねば無礼に当たりますゆえ」


「な、何と。そなたは来る途中、何やら奇妙な格好を……」


「(小声)殿、のぞき見がバレますぞ」


「あ、いや。何でもござらん。信長殿は『うつけ』との噂を耳しておったが、何の何の。実に見事な出で立ちにござる。しかしワシとそなたとは既に娘婿(むすめむこ)(しゅうと)の間柄、そのような堅苦しさは無用と存ずる。普段の調子で挨拶なされるがよい」


「では舅殿のお言葉に甘えて、いま一度、自己紹介を。アナタの心にズッキュンバッキュンドッキュンコンコンチュッチュッチュッチュッチュッ織田信長ですっ! えすたぶりーっしゅっ!」


「……? はて、何なのじゃ、その挨拶は」


「かすこんねぅの挨拶に御座ります。わりと最近知りまして。参考URLはこちらに御座ります。(https://www.youtube.com/watch?v=YKQkHu4_J9E)」


「殿! また得意の丸パクりですか。マズいですよ。ていうか、こんな大事な時に参考URLとか貼ってる場合ですか」


「まぁまぁ、池田殿。少しくらいなら良いではござらんか」


「……」


「して、信長殿。先ほどの挨拶は早口過ぎてよく聞き取れなかったのじゃが、何と申しておったのかの。アナタのアソコにズッコンバッコンなんとかと申しておったようじゃが」


「いいえ、そうでは御座りませぬ。もう一度やりますので、よくお聞きください。 アナタの心にズッキュンバッキュン……」


「殿っ!」


「うわっ。急に大声出さないでよ、恒興」


「さすがにフザけ過ぎですぞ。それに斎藤殿まで……。もう自己紹介はよいでは御座りませぬか」


「はてさて、池田殿は生真面目なしっかり者じゃの。あ、いや、これは褒めておるのじゃ。ハッハッハッ」


「……」


「いや、確かに恒興の申すとおり、この信長も少々フザけ過ぎました」


「構わん、構わん。それだけ腹を割って話が出来ているという事じゃからの」


「ときに(しゅうと)殿。もう私の自慢の黒光りした固くて長い立派な棒はご覧になられましたかな」


「(小声)殿、そのような言い方をされては話が通じな……」


「おお。実に見事なものであったぞ。あのように黒光りした固くて長い立派な棒を駆使して、休む間もなくガンガン攻め立てられては、みなエビ反りになって()きまくるであろうの」


「げっ。話が通じてるし。何だこの二人」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ