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雑記(2)

僕は「やる気スイッチ」というものが仮にあるんだとしたら、それは身体の内側にあるもので、外からは見つけられないと思っている。(こういうのを揚げ足取りと言う)


結局、古今を問わず、家庭教師や塾が教えている生徒には、やる気の無い生徒が多数含まれているという事なのであろう。

僕がバイトで中学生相手の塾講師をしていた時も、状況は似たようなものであった。


生徒のやる気が感じられないし、小テストをさせてみると20点とか30点の生徒がゾロゾロ出てくる。

(もちろん100点満点で、だ)

これが難しいテストなら、そうなるのも理解できるのだが、出題されているのは基礎中の基礎レベルの問題であり、しかもそれが、似たような問題を授業で取り上げ、解き方を説明した直後の小テストで起きるのである。


もはや、ガッカリを通り越して腹が立ってくる。

さっきまで一生懸命に教えていたあの時間とは、いったい何だったのか。

なんでこんな簡単な事が分からないのか、こっちが生徒になって教えて欲しいくらいだ。

……というのは冗談で、もちろんおおよその見当はついている。


要するに、やる気が無く、理解しようという気が無く、授業をマジメに聞いていないのだ。

まぁ、その気持ちは分からなくもない。


ちなみに、その時僕が教えていた科目は数学であった。

実際、大人の俺が言っちゃいけない事言っちゃうけど、中学の数学ってぶっちゃけ退屈。酒の肴にもなりゃしない。

教わる側は無論のこと、教える側もちっとも面白くないのである。


そもそも僕自身が、中学生の頃は数学が面白く感じられず、嫌いとまではいかないまでも、好きじゃなかったのだ。

中学生の彼らが「数学なんてつまんない」と思う気持ちは、実によく分かる。


今の僕なら中学レベルの数学問題のほとんどを解く事ができ、仮にテストを受けたとしても、ほぼ満点が取れるはずであるが、そこまで理解が進んでもなお、中学で教えている数学を面白いとは思えないのである。

数学が本当に面白くなってくるのは高校数学からだ。(本人比)


逆に言えば、高校一年の数学をひととおり学んだにも関わらず、数学を面白く感じられないのであれば、そのタイミングで自分は数学には不向きだと判断し、ある程度見切りをつけてしまうのもアリかと思う。

数学が苦手なら文系に進めばいいし、文系科目も嫌いならそれ以外の道に進めばいいだけの話だ。


芸術、音楽、スポーツ、料理、エンタメ、……etc.と進むべき道はいくらでもあるのだから、最終的には自分がしたい事を学び、やりたい事をやり、なりたい職業に就けばそれでいいのである。


中学の数学はつまらない。(しつこいけど、本人比)

だが、教える側が「つまらないなぁ」と感じながら教え、生徒も「つまらないなぁ」と感じながら教わっているようでは、塾講師としては(あるいは学校教師であっても)失格であろう。


結局、僕は3ヶ月もしないうちに、その塾講師のバイトを辞めることに決めた。

塾の室長にその旨を話しに行くと、実は少し前から「授業がつまらない」というクレームの電話が、生徒の親から何本か入っていたのだという。


まったく同感だ。

WIN - WINの選択ができて良かった。

そして、このときの僕は「これでもう、塾講師なんて二度としないだろう」と思っていた。


ところが、それから数年後の就職活動で、僕は再び塾講師を目指すことになるのだから人生とは分からないものだ。(単に僕の人生が迷走してるだけなのだが)


その顛末は、ここでは書かない。

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