中編
すみません<m(__)m>
終わりではないです。
イラストは“藤田さん”
私が描いた『過去画』をAIに描き直してもらいました。
例のカラオケのせいで大宮君はバスを降りた直後は他の班の人達から「コウノス! お前、“埼玉愛”に溢れてんだな!」なんていじられていた。
しかしすぐに私達は“巨大迷路”なる木製の檻に突っ込まれて右往左往させられる事となった。
この迷路、5階建てで、迷路の中を右往左往、昇ったり下りたりで、皆ワイワイ喋りながら挑んでいる。
私達の班のおしゃべりの内容は、専ら、さっき大宮君が“やらかした”事についてだ。
山口君 「さっきは随分ぶっ飛んでたけど大丈夫か?羽田達にも何か言われてただろ?」
藤田さん 「うん!“キャラ”って一度固定されるとなかなか変更が利かなくなるよ」
大宮君 「変更するも何も、オレ埼玉愛強いから」
私 「大宮君が今まで住んでいたところが好きだって言うは全然悪くないよ。でもその事でいじられてしまうのはどうなのかなって思う。ほら!『コウノス』ってあだ名も付いちゃってるでしょ?!」
大宮君 「オレ、あだ名付いたこと無いから好都合だと思ってるよ」
藤田さん 「そうなんだ……大宮君って強いんだね」
大宮君 「……強い?? 迷路には強いけど……ほら!その下向き三角穴の向こうの上向き三角穴の更に向こうに見える階段、あれ昇るんだよ。さっき外から見た時、上の通路に繋がっているのが見えた。」
私達がこんな話をしているうちに、いつの間にか大宮君が先頭を切って皆を引率し、するすると頂上のゴールまでたどり着いてしまった。
「あ、ベルがある!オレ達、一番乗りだし、加藤さん鳴らしてみたら」
と、山口君がさり気なくモブ子の私に『勝ち名乗り』を譲ってくれたのだが、私と藤田さんは、まだゼイゼイと息が上がっていた。
しかし、山口君はともかく大宮君まで余裕な表情とは……男の子ってこんなに強かったっけ??
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さていよいよ今日のメインイベント!バーベキューだ!!
大宮君が炭の山を崩してスロープを作っているので「スタッフさんが火おこしに来るから遊ばないで」って注意したら
「こうすると場所で火力の調整ができるから便利なんだ」と言いながらリュックから出して来た新聞紙と着火剤で火おこしに取り掛かってしまった。
そればかりか「コンロとか触るときには気を付けて」と真新しい耐熱グローブを私に貸してくれた。
「おい!それって女子ウケ狙いの下心かよ?!」との山口君のツッコミに大宮君はちょっと考えて「まあ、そうだね」と答えたものだから藤田さんが吹き出した。
「そんな身も蓋もない事 言ったら加藤さんが困っちゃうよ!」
「藤田さんの分もあるけど」
「いや、そういう事じゃ無くてさ!あからさまに『オレ、下心あるよ』なんて言われたら、どう接していいか分からないじゃん!」
「ああ、そういう事か、下心があるのはウチの母親でさ」
その言葉に「なんだって??!!」と反応した山口君。
手で破ろうとしていた焼きそばの袋を勢い余って引き裂いて、焼きそばを鉄板の上にぶちまけてしまった。
「いくらなんでも鉄板はまだ熱くなってないよ」
と大宮君からツッコまれた山口君はちょっとだけ気色ばんだ。
「お前なあ!!下心を母親のせいにするなよ!」
「―ん、でもなあ『女の子に貸してやりなさい』ってオレに持たせたのは母親だからなあ……」
「それじゃ、まるでマザコンじゃん!!」
「そうだよ」
「へっ?!」
「俺んち、昔から母一人子一人みたいなものだったし、今はホントにそうだから、『マザコン』って言われたら、そうなんだろうなって思う」
大宮君、いつの間にか俎板をトントンしていて手元のキャベツが……千切り状態になってる!!
「大宮君! 焼きそばに入れるんだから、キャベツそんなに細かくしなくても……」
「えっ?! ああ、そうなんだ、ゴメン。オレいっつもこうして作ってたから…母さんから言われたんだ。『細かくしてしまえば芯も“アオムシのタマゴ”も気にならない!命はキチンといただかなきゃいけないのよ』って! な!オレ、やっぱマザコンだろ?」
そう言って大宮君は初めて、照れくさそうに頭を掻いた。
明日こそ書き上げたいと思います!!
ラブコメ、私が書くとギクシャク!!
難しいですぅ~!
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