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P124 性別が変わってしまった場合の対処法

赤子の時は幸せだった、何も考えず、身の回りのことはすべてお母さんらしき美人にすべてやってもらっていた。今思い出すと、美人の前でおもらしするのはなかなか性癖がねじ曲がりそうなシチュエーションだな。前世だったら鼻血を流していた興奮していた赤ちゃんプレイだったが、頭空っぽの赤ちゃんだったから、おっぱいを見ても全然興奮しなかった。


1歳くらいになると、自意識がはっきりしてきて、自分の前世の記憶が蘇ってきた。その時、俺は脳内に鮮明に刻まれているある本の記憶に気づいた。


『初心者にやさしい異世界ガイドブック(共通版)』


こんな本読んだことあるっけ?しかもやけに鮮明に覚えている、というか、内容を一言一句丸暗記している。ただ、暗記はしているが、なぜか内容を読むと初めて読んだような新鮮感があった。


俺は自分の頭が知らない内にいじられていたことに少し恐怖を感じながらも、その内容を脳内で再生した。その内容は最初は日本語で再生されていたが、最近学んだ異世界での言語での再生も可能だった。どうやら特定の言語ではなく、共通の“認識”として頭に刻まれているらしい。

ふむふむ、内容はなかなか面白い。異世界でやっていくためのアドバイスがたくさん書いてある。しかし、1歳の頭で読んで理解しようとするのは本当に疲れる。3行読むだけで疲れて来るなあ…ふぁぁ…


最初は3行で寝落ちしたが、成長につれて読み進める効率はだんだん良くなってきた。同時に、俺は這いまわれる程度に体が成長した。そして1歳半の時に事件は起こった。


それは美人ママが俺の体をきれいに洗っている時のことだった。彼女の優しい手つきに前世で何回か行ったソープの経験を思い出した。そして母が俺の敏感な部分を丁寧に洗っているにも関わらず、いつものことだが、俺はこれっぽっちも興奮しなかった。というか、そもそも触られている感触がない。違和感を感じた俺は自分の股下を見た。


そこには、あるべきものがなかった。


俺は思わず泣き出した。ママは突然泣き出した俺を慰めようと抱きしめてくれた。裸の美女がおっぱいを押し付けているというのに、俺は虚しさしか感じず、更に大声で泣き叫んだ。泣き止みそうに無い俺に戸惑っていたら、誰かが風呂場に入って来る音がした。何らかの会話の後、母は俺を放し、その後誰かの大きな手が俺を掴んだ。気づいたら、体格のいいイケおじが優しそうに俺を見ていた。


ああ。近距離のイケメンに思わずドキッとしてしまった俺は、もうダメかもしれない。


後から調べてみたら、例の本にちゃんと性転換した場合の対処法が書いてあった。


「初めて異なる性別に転生してしまった場合、自身の性別認識と生物学的性別が異なり、違和感を感じることがあります。このような時、まずは落ち着いて、この性別認識の問題が直接死に至ることはないことを認識しましょう。」


「次に、その世界では性転換手術などの自身の生理性別を変化させる手段が存在する可能性があります。もし性別の問題が自身の生活に支障をきたすほどの精神的苦痛をもたらす場合、性転換を行うことも視野に入れましょう。」


「最もお勧めするのは、自身の生理性別を受け入れることです。性転換は体に大きな支障をきたす可能性があります。それと比べて、自己暗示などで自身の精神に働きかけ、認識性別を反転させる方が、生存率の観点では最適な選択です。自己暗示のかけ方などはP241…」



「パパ!抱っこ!」

男は仕方なく女の子を抱き上げた。5歳くらいの女の子は体を男にくっつけながら、頬を赤めて息を荒くしていた。


「もう、この子ったら、パパにべったりなんだから。」

隣を歩く美人の母は少し不満そうに言った。


「えへへ、私、大きくなったらパパのお嫁さんになる!」

涎を流しながら、女の子はいやらしい笑みを浮かべていた。


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