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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
988/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー436

「くっ!!」


服にしがみついた赤い猫が、体を登ってくるが、


『ビチャン!!』


黙って見ているつもりは無い。


手刀で赤い猫を叩き落とせば話は済む事、狙いを付けて手を上げて……


『ジジジジ……』


狙いを付けて手を上げている間に、服が焼ける。


服から白い煙が登って、甘い匂いが包み、


「ちょこまかと!!」


一秒毎に状況が悪化していく。


「こちとらクッキーか!!」


手刀を打ち下ろして来る悪辣な相手でも、赤い猫は甘えたいとすがき、叩かれないように足の裏に、背中に回り込もうとするから、満遍なく体が焼けていく。


このままでは、窯の中で美味しく作られているクッキーのように焼けてしまうが、


『『『タタタタタッッッ!!!!』』』


「そんなに抱き着くな!!消し炭になっちまうぞ!!」


これ以上赤い猫に抱き着かれては、美味しく作られているクッキーが台無しになってしまう。


「美味しいクッキーの焼き方教えてやるから離れな!!」


全くもって、料理の腕がなっていない。


小さな子供が、美味しい料理を作ろうとして、ガンガンに薪をくべて火を強めてしまうように、火加減がでたらめだ。


でたらめな火加減は素材を台無しにしてしまう。


『ジジジリジリジリ!!!!!!』


(ほらっ…言わんこっちゃない……)


服が焼けて、皮膚が焼ける。


赤い猫の爪が皮膚に届いて、鋭い痛みが走る。


次々と甘えて来る赤い猫に耐え切れずに、地面に体を押し付けて転がる。


それは、服に引火した時の鎮火術。


飲食店の手伝いで真っ先に習った事。


周りに水が無い時は、地面に転がって火をもみ消せという教え。


体中に縋り付く赤い猫を潰しながら、火を消す。


これはまさに一石二鳥。


赤い猫を潰しながら、火を消せる。


背中に回り込まれたとか、太ももの裏に隠れられたとか関係無い。


体に纏わり付いていた赤い猫は潰され、服には赤い猫のじゃれついた後、破けた服からは赤く腫れた皮膚が露出する。


「くっ……」


(良い方法を見付けた……赤い猫にじゃれつかれたら地面に転がれば、対処出来る……これなら……)


『『『タタタタタタタタタタッッッ!!!!!!!!』』』


これなら、赤い猫は対処出来るが、後から来ている赤いネズミには、こんがりと焼かれてしまうだろう。

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