表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
982/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー430

「しゃぶったのかってぐらいに、綺麗なもんだ」


落ちている骨を適当に手にして、クルクル回してから、肉片一つ付いていない骨が手渡される。


「…何が起きたんだろう」


白骨化した骨自体は問題無い。


大型の獣が死ねば、小型の獣が死骸を捕食し、そのおこぼれとして虫がたかる。


肉という肉は食され、腐った血は大地に吸われて、いつの日か、そこには生きていた物の証として骨だけが残る、これが命のサイクルなのだが、


「猫もネズミも骨と化して…血のシミも虫もいない……」


命のサイクルをする者達が白骨化して亡くなり、血が大地に吸われた後も無ければ、虫もいない。


普通な考え方をすれば、ここで人間が死んだのなら、その死骸を猫、ネズミ、虫が食べて、繁栄しているはずなのに、その痕跡が一切存在しない。


百歩譲ったとして、ドラゴンが食料として猫、ネズミを食べたとしても、虫までは考えられない。


「何かが、意図的に頭だけを持っていって、後は消した?」


手の中にある、生き物がいていた証を元の所に返してあげて……


「ねぇ…これすすけてる?」


「煤けてる?」


骨を元の所に返そうと、地面にしゃがみ込んだ事で、地面にある変な跡を見付ける。


「そう…だな……長年の汚れというよりは、煤けてるな……」


さっきは適当に骨を拾ったから気付かなかったが、言われてしゃがみ込んでみると、確かに地面に煤けた跡が残っている。


「じゃあ…ここにある骨は、ドラゴンの炎で焼かれたって事か?」


「だとしても変だよね」


体が焼かれて、白骨化する程の炎を吐いというのなら、もっと地面が焼けて、人が焼かれた跡が残るはず。


「でもなぁ……」


「うん……」


二人は違和感を覚えながら、煤で出来た微かな跡を目で追うと、周りの建物にも煤けた跡が見て取れる。


「気を付けて行くか……」


「そうだね」


ここまで来たら、その煤けた何かが無関係では無いはず。


微かな手がかりである、煤けた跡を辿って前へと進む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ