異世界のアフレクションネクロマンサー419
「そうですね…けれど、指揮を執る者として、最後は見届けないと」
「ははっ、最後を見届けるというのは、先生の探求心から来る物では?」
作戦室では、もう勝利気分でいる。
この戦いが終わった後の話で盛り上がる。
休暇を貰ったらどうするか、報奨金で何を買うか……各々が、これからの話をするのを聞いて、
(みんな…幸せそうだな……)
みんなには、未来が見えている事を微笑ましく思う。
未来が見えているという事は、きっと人類はドラゴンとの争いに勝ち、勝利を手にするのだろう。
(きっと…君達は勝つよ)
ドラゴン達が態勢を整える前に、こちらの都合を押し付けて、最終決戦を挑んだのが功を奏した。
ドラゴン達が繁殖して戦力を整える前に滅ぼすというのは、きっと成功するのだろう。
(後は…私の方か……)
これからの事を、自分の務めを果たす事を考えると、異変が起きている胸を自然と押さえていた。
あの子達の報告が登って来た。
話によれば、我々が部隊を編成するように、群れをリードする個体がいるという事。
それは、部隊を率いる事が出来る高い知能を持ったドラゴンがいるという証明。
各々の力だけで群がっていたドラゴンに、部隊という意識が生まれつつあるという事。
(アーマードが現れるようになった時点で、嫌な予感はしていたけど……)
竜の鱗を纏うという簡易式の鎧だが、それは人が体に鉄の板を張り付けたように、知恵の兆し。
人類側が有していた、知恵というアドバンテージを、ドラゴンも手にしつつある。
このままドラゴン達に知恵を成長させる時間を与え続ければ……
(必ず…私が仕留める!!)
いつか、ドラゴンの強靭な肉体を持ち合わせながら、人と同等の知恵を持った存在が生まれてしまう。




