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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー418

確かに変だ……ドラゴンはいつも戦えば、最後の一体になろうと、一機でも戦闘機を落とそうと牙を向けて来る。


逃げ帰る等という選択肢は存在しなった。


「成長と違う……知識を身に付けている?」


『知識を?』


「うん…」


恐れをなして尻尾を巻いて逃げ帰っているのではない、戦略的に不利になったから戻っている……それはまるで、


「ほらっ、自分達だって一緒だよ」


戦闘が一段落したと、とんぼ返りして前線拠点に帰る自分達と同じ行動。


考えがある、思考がある、敗北を受け止められるだけの知性がある……だからこそ、態勢を整える為に、逃げるのではなく戻っている。


「戻ろう。次に出撃する部隊に引継ぎをしなきゃ」


知性を身に付けたドラゴン…それが現れたというのは脅威ではあるが、


(大丈夫だ……先生は言ったんだ、この戦いに負けたら後が無いと)


先生の言葉を信じるなら、知性を身に付けたドラゴンは少数だ。


先生の考えは、ドラゴンが世界の覇権を握り、繁栄が出来る状態が整う前に叩く事。


相手の準備が整う前に叩くという事は、ドラゴンはまだ、準備が出来ていないという事。


この最終決戦とも言える戦いに、ドラゴンも総出で挑んで来るであろうが、数を揃えて来るのは難しいはず。


(気合を入れ直せ!!争うだけのエースパイロットから脱却しろ!!)


戦う事から逃げられたために、気を削がれて興醒めしてしまったが、それは己に慢心と甘ちゃんの心があるから。


『よしっ!!戻ろう!!ドラゴンが態勢を整えるというのなら、こっちも急がねぇとな!!』


「うん!!」


操縦桿を握る手に力を込めて、前線拠点へと戻って行くのであった。


________


「状況は?」


「順調です。陸戦隊、空戦隊共に被害は出ていますが、戦闘を続けるには十分な戦力であり、進行速度に至っては、当初の予定を上回っています」


「そうですか…それは吉報ですね」


机の上に置かれている地図には、戦闘機と人を模したこまが、ドラゴンの巣へと向かっている。


報告を受ける内容は、どれも順調で良い状況を伝える物。


報告の通りに、このままいけば、このまま進めば、きっと勝利を掴めるという報告ばかりで、


「これなら、先生自ら戦場におもむく必要はありませんね」


私が戦場に出向かなくて良い位には、戦況はこちらの優位で物事が進んでいる。

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