表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
967/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー415

前を見て走る…絶望の中でも先を見る事が出来る……そんなのは当たり前の話だ。


前を見なければ、何も見る事など出来無いのに、周りは、何かあるとすぐに下を向いてしまう。


そこに、あるのは自分の足元だけなのに……その先に絶望があるからと、怖いから見たくないと言って……


時は刻々と進む。


下を見ているとその間に、先にあった、絶望に隠れて見えなかった希望の道が閉ざされてしまうのに、足元を見る。


それを理解しているからこそ下を見ない、だから恐れ無い。


それは周りから見れば、英雄のように見えるかもしれないが、


(だけど…それは抜けているんだよな)


それは、本当の英雄とは言い難い。


言い方を悪くすれば、感情が抜け落ちている。


グランドラゴンの件、アーマードの件、静観が出来る判断力の高いドラゴン、これらをおかしいと思えたのは、後ろにコイツを乗せているから……命を預かってから少しづつ変わった。


英雄とは、みんなの為に前に立つ者。


ならば、みんなを守る為にも危険を感じ取り、その危険な物から、みんなを遠ざけなければならないが、自分にはそういう感情は無かった。


これがもし、最初から新型の戦闘機で一人戦っていたら、ただただ、新しい敵が、手応えのあるドラゴンが現れた程度にしか思わなかっただろう。


『……飛んでみるか』


「行けるの?」


『どこまでも』


ハンドルを回し、エンジンの出力を上げてペダルを踏み込み、


『ブロォォォォォォォォォ!!!!!!』


戦闘機を加速させる。


『お客様!!振り落とされないようにして下さいね!!』


「なにさそれ」


内心では思っていた、俺は英雄になる器では無く、英雄になるコイツを導く者なのではと……それはそれで悪くないとは思ったが、


(とは言え…俺だって感じ取れたんだ……英雄が感じる感覚を!!)


導くだけでは性に合わない。


『ブロォォォォォォォォォ!!!!!!』


『…………』


戦闘機が加速したのに合わせて、ドラゴンも羽を羽ばたかせて、付かず離れずの距離を保ったままで付いて来る。


行き過ぎもせず、遅れもせずに、まるでお互いに息を合わせているかのように。


(随分と行儀が良いな)


こちらを落とそうとしているのは間違い無いが、狩り取ろうと舌なめずりをしたり、力に任せて襲って来ようとしてこない。


こちらが機会を窺うように、向こうも気配を窺っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ