異世界のアフレクションネクロマンサー412
『カチャガチャ!!』
銃から空になった素早く弾倉を外し、新しい弾倉を素早く取り付けながら、
(……少し面倒だな)
迫って来ているドラゴンの傷を見る。
三体のドラゴンの内、二体は銃弾の雨に曝されてボロボロになっているが、もう一体は傷をほとんど負っていない。
(壁になったのか……)
アーマードが造られる前の戦法。
銃弾を防ぐ方法を持たなかった時の戦法。
『ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!』
『ギィ!!』
『グキュ!!』
傷付いたドラゴンが前に出て、後ろにいるドラゴンを守る。
「我慢強いね!!」
先程の身動き出来無くさせたドラゴン達と違って、眼前に迫るドラゴンは、後ろに付いているドラゴンの盾になる覚悟を持っている。
頭を撃ち抜かれて、鮮明な血が噴出し、潰された目の痛みを、まぶたを閉じて我慢し、
『『ガァァァァァァァァ!!!!!!』』
後ろのドラゴンを守って導く。
『カチャガチャ!!』
『角度を付ける!!』
『ブォォォォォォォォォ!!!!!!』
戦闘機が少し上昇し、上から後ろにいるドラゴンを狙えるようにしてくれて、
「終わりだ!!」
後方に控えるドラゴンに照準が合わされば、
『ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!』
銃弾は後方のドラゴンに目掛けて飛んで行く。
息もつかせぬ早業、照準があった瞬間に放たれた弾丸は、
『ギィィィ!!!!!!』
「そんな!?」
前を飛んでいたいドラゴン達の、一か八かで翻った動きに塞がれた。
『やるじゃないか!!』
多分、きっと、戦いの流れを読んで、自分達が狙われた後は、後ろの仲間が狙われると踏んで、自分の身を広げた。
その予想は、早業の射撃と同じタイミング。
ほんの少し守るタイミングが早ければ、射撃のタイミングを遅らせて撃ち落とし、ほんの少し遅ければ、弾丸は後方のドラゴンに届いていたはずであったが、現実は届かなかった。
「抜ける!?」
仕留め損ねたドラゴンが、自分の事を守ってくれたドラゴンを押し退けて飛び出す。
「マズイ!!」
『カチャガ……』
『ガァァァァァァァァ!!!!!!』
少し上昇した事で距離が詰まった、護衛のドラゴンに弾丸を塞がれた……その二つの不利な事が、ドラゴンがこちらに届く条件を作ってしまった。




