異世界のアフレクションネクロマンサー407
まるでイワシの群れの中に、クジラが突っ込んで来たかのように、バラバラに散った戦闘機。
このままでは、ドラゴン達にやられると……
『信じるしかねぇ!!』
「そうだよ!!ここまで生き残ったなら、みんな精鋭だよ!!」
そんなのは想像してはいけない。
ここまで来るのに、犠牲を払った。
ドラゴンを倒すのに、誰かが死んだ。
誰かが死ぬ事で、生き残る者達が生まれた。
生き残った者達は、仲間の死を糧に成長していく。
初めての時は、自分達以外のパイロットはでは、この戦いに生き残れないと思っていたが、
『『『ダダダダダダダダダッッ!!!!!!』』』
『『『ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!』』』
その考えは傲慢であった。
部隊をバラバラにされて個になってしまったが、それでも、各々が判断して炎の雲の中に隠れるドラゴンを撃つ者もいれば、こちらへと接近してくるドラゴンに対して威嚇射撃をする者いる。
ここに集まったのはベテランとエースパイロット。
普段のエースパイロットを主軸にした平均的な部隊では無い、雌雄を決する為に集められた精鋭達。
『グォォォォォ!!!!!!』
『ゴアァァァァ!!!!!!』
そして、ドラゴン達もその事に気付く。
いつもバラバラになれば、ボロボロと瓦解するはずの者達が、バラバラになっても各々で動いている事に。
「炎の中を狙いたい!!」
『分かった!!』
頭の中で整理をする。
現状、一番マズいのは炎の中のドラゴンと、外から迫って来るドラゴンに挟まれる事。
今はまだ、中からの炎に押し出されているだけで済んでいるが、これが外からも炎で包まれたら、さすがにこちらの方が不利になってしまう。
ならば、ここで判断すべきなのは外か中のドラゴンを潰す事。
となれば、外から来る沢山のドラゴンよりも、
「見えるんだよ!!」
炎の中の数体のドラゴンを始末する方が早い。




