異世界のアフレクションネクロマンサー405
負ける事は許されない、許されないから、陸戦隊が勝ったと信じて進む。
同じ目標地点を目指し、同じドラゴンの巣を壊滅させるという任務を背負って。
作戦を成功させる為にも、ドラゴンの巣に向かって、我々も真っすぐに突き進むが、
『来たぞ!!』
今度は、自分達の腕を見せる番が回って来た。
「アーマードはいる!?」
『いる!!』
バサバサと羽を羽ばたかせるドラゴンの中に、ドラゴンの形をした岩石のような物を運んでいるのがいる。
それはまるで、我々が物資を運ぶ時のような運搬。
初めての時は、それが何なのか分からずに身構えて、敵の思惑にまんまと乗せられてしまった。
『頼むぞ!!』
「了解!!」
『ブォォォォォ!!!!!!!!』
遠くで見えた、岩石のような物を運ぶドラゴンが高度を上げたのに合わせて、こちらも高度を上げていく。
(数は1、2の3の……)
高度を上げていくドラゴンは、例外無く岩石なようなものを持っている。
『『『ダダダダダダダダダ!!!!!!!!』』』
その持っている物を落とそうと、新型の戦闘機が戦いの口火を切る掃射を行うが、
『……ちっ!!場慣れしてやがる!!』
新型の戦闘機から放たれた弾丸は、岩石のような物を運ぶドラゴンの方に向かい、数発はドラゴンを掠めたはずなのに、ビクともせずに空へと登る。
距離を考えれば、ここからの弾丸で仕留められる訳では無いが、少し位は弾丸の放たれた音で怯えても良い物だが、
『来るぞ!!』
向こうもまた、空の戦いで生き残った精鋭であった。
こちらからの嫌がらせに涼しい顔をしたまま、取るべき高度まで登ったドラゴンは、掴んでいた岩石のような物を離すと、岩石のような物は滑空する。
落下するのではなく滑空。
ドラゴンの羽のように羽ばたかないが、代わりに、戦闘機のように微動だにせずに水平を保ち、それはグライダーのように風に乗って、こちらへともの凄い速度で迫って来る。
「落とす!!」
『『『ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!』』』
ドラゴンから放たれた弾丸は、一心不乱にこちらへと飛んで来る。
それは決して、こちらに近付けてはいけない。
『『『ダダダダダダダダダ!!!!!!!!』』』
『『『ガキッガキッガキッガキッガキッガキッン!!!!!!!!』』』
全戦闘機からの一斉射撃に、いくつかの岩石のような物は、バランスを崩して地上に落ちるが、
「くっ…抜けられる!!」
撃ち漏らした、岩石のような物が隊列に突っ込むと、
『バッガァァ!!!!』
岩石のような物が弾けて、中からドラゴンが姿を現すのであった。




