異世界のアフレクションネクロマンサー402
今回の作戦の性質上、常に前に進み続けなければならない為、陣地を造る時間は無い。
しかし、グランドラゴンに対して陣地無しで戦うのは、あまりに無防備過ぎる……だから、
「槍を下げるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「右だ!!右に回り込もうとしてるぞ!!!!!!」
「先を向けろぉぉぉ!!!!!!」
即席で作られる人間柵が必要なのだ。
太い槍に、ぶ厚い鎧……それらは決してグランドラゴンを倒す為では無い、侵攻を喰い止める為の肉の柵。
銃を持つ兵士達に、グランドラゴンが束になって真っ直ぐに襲い掛かれば、銃撃を耐え抜いて隊列の中に一体か二体は辿り着いてしまい、グランドラゴンが暴れ回って、兵士達は殺される。
「突っ込んで来るぞ!!!!!!」
「怯むな絡み付け!!!!」
グランドラゴンが血だらけになりながら、血飛沫で周りを赤く染めながら、地面を踏み鳴らして突撃してくる。
『『『ダァン!!ダァン!!ダァン!!』』』
後方から飛んで来る弾丸に当たらないように、体を小さく縮めて槍を突き出し、針の壁を作る。
倒すのではない、邪魔をすれば良いだけ。
『ガァァァァァァァァ!!!!!!』
突き出した槍を嫌がって、グランドラゴンが前足を大きく振り上げて、針の壁を破壊する。
傷付いた体で針の山を登れば、傷口に槍の先が刺されば肉が抉られる。
だから、目の前の針の山を破壊するが、
「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」
槍を弾かれた兵士の代わりに、次の兵士が槍を突き出して、針の山を再生させる。
『『『ダァン!!ダァン!!ダァン!!』』』
『ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!』
離れた所からの憎たらしい攻撃、手の届かない所にいる憎たらしい敵。
恐怖を覚えさせたい、殺したいと願っても、
『『『ダァン!!ダァン!!ダァン!!』』』
邪魔をされて届かない。
憎い…憎たらしいのに届かない……このままでは命が尽きる……
『グゥゥ……』
このまま無駄に命が尽きる位なら……
「っ構えろ!!」
足元で邪魔をするコイツ等を道連れにする。
前足だけでなく、後ろ脚に力を込めて身体を持ち上げると、ありったけの力で邪魔をする者達を踏み殺そうとするが、
「撃て撃て撃て撃て!!!!」
『『『『『『ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!』』』』』』
より激しい衝撃を体に受けると、身体がグラついて地面に倒れるのであった。




